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就活生がChatGPTで仕事の意義を探ってみた

冬休みを経て、完全に俺は変わってしまった。ゲームをどう攻略するかを意気揚々と考える奴は消え、採用担当からの評価を恐れるようになった。

天国のような時間が冬休みにはあった。将来の不安や現実に迫るお祈りメールなどが俺の喉元をキュッと締め付け、心臓の鼓動が速くなってしまう日々を通り抜け、地元の友達とBBQをし、大晦日には鍋を食べながら他愛もない話をし、スマブラに興じたのだ。誰だってまたクソみたいな就活に戻りたいとは思わなくなる。

仕事のことを考えれば、やれ金を稼ぐだけの汚れた時間の使い方だの、企業は人々を搾取しているだの、就活には向かない思考ばかりが浮かんでくる。どうにか解決の糸口を探そうにも、俺の頭の中からはそれが見つかりそうにはなかった。だからChatGPTと問答をしてみることにした。

俺の考えを論理的に反論してくれないか、と頼んでみた。ChatGPTはいいですよ、と言ってくれた。

そうしてのらりくらりと考えをぶつけていると、仕事や企業が生み出す価値に気づくことができた。

仕事はお金を稼ぐための手段だが、経験でもある。仕事で得られるのはお金だけではなく、やりがいと呼ばれるような仕事でしか得られない経験がある。仕事自体が人生の中で生み出している価値は就活生が考えるよりも大きいのではないだろうか。

正社員としてまともに働いたことがなく、会社見学さえしたことがない弊害がここに現れる。実務の何が辛くて何が良いのか実感が湧かない。だから極端に意識の高いポジティブなイメージでやりがいに思いを馳せるか、極端に偏屈でネガティブなイメージでやりがい搾取に震えるかになってしまう。こればかりは仕方がないと諦めよう。

企業は価値を生み出している。消費者から金をむしり取っている企業がある一方で、消費者が欲しいと思うモノやサービスを作り出し、価値を生み出しているからこそ、経済活動が行われ、企業が存続する。その当たり前の循環に気持ちを向ければ、どんな企業でどんな価値を作り出したいか、と己に問うことができる。これはとても綺麗な質問だ。就活への後ろめたさから少し解放される。

穴に落ちた時、自分一人で上がれるようになりたかった。今ではもうほとんど諦めている。悔しい。俺はどんどんチャレンジしていく強い個人になりたかったが、他人に頼ることが俺にとっては必要だと悟った。だが、頼れるのは人だけじゃない。ChatGPTよ、お前は最高だ。

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