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恋人×花火大会がしてみたかっただけ。



 はい、第3回夏の思い出成仏会。よくも飽きずに出てくるものですね。
 ちょっと切なくなってきましたが、これで最後かな。この夏、成仏させたい思い出ができたら、来年の夏にまた開催するかもね。

 こんな、過去の恋愛話なんて振り返ってちまちま書いてたら、未練があるのかと思われる方がいるかもしれないので、言っておこう。未練はない。わたしの場合、未練なんてあったら過去の恋人に関する記事なんて書けないと思う。いちいち、思い出して落ち込んじゃうし、仮にも恋人になれそうな人でもいたら、少し後ろめたい気持ちになるから。
 自分に興味がなくなった人に何の価値もないって、マツコ・デラックスさんも言ってた。未練なんて、ないからね。



 春夏秋冬、花火大会はあるけれど、花火は夏のイメージ。やっぱり、浴衣を着て恋人とでっかい花火大会に行くのは憧れる。
 わたしの職場では、1年に1回、全員に1週間の休暇を取らせてくれるので、それを利用して、わたしは当時の恋人の地元である静岡に行くことにしていた。一緒に熱海の海上花火を見ようと思って。
 彼を誘うと、「去年行ったときに、来年もみんなで行こうって話したし、たぶんそいつらと行くから、エマとは行けないよ。」というわけで、集合日時すら決まっていないのに断られた。なんとなくわかってたけど、ちょっと寂しかった。

 彼の実家に泊まっていたから、自分で浴衣を着て、ひとりで行った。彼のお母さんは、「エマちゃんも一緒に混ぜてくれたらいいのにね。」と言ってくれたけど、元カノもいるから会わせたくなかったのだろう。ただでさえ、友達とわたしが顔を合わせることに、あまりいい顔をしない頃だったから。
 浴衣を着た20代そこそこの女がひとり、花火待ちながら文庫本開いて、ビールをあおっている光景はなかなかに異様だ。通行人は傷心旅行かなにかだと思ったに違いない。花火が始まる前に、ビールは枯れて、味の濃いおつまみだけが手元に残った。
 隣にやってきたカップルが、「ここで見たいけど、離れたら取られちゃうね。」と話していたので、「見ておきますよ。」と場所取りしたら、わたしの分もお茶を買ってきてくれたので、残りのおつまみはお茶で流し込んだ。

 わたしに馴染みがあるのは、音楽に合わせて花火を打ち上げて、点数が付けられる花火競技大会で、すごい作品が打ちあがると歓声や拍手も聞こえるようなにぎやかなものだ。静寂の中花火の音だけが聞こえる空間はほんの少し物足りない気持ちだったけれど、十分にきれいで一人でも見に行ってよかったなと思った。

 これのおかげで、最強なひとり○○の話題になったとき、「ひとり花火大会。熱海。浴衣。」と言えるようになった。見た目が弱いから、群れて行動する派と思われがちなので、一人でできるもんアピールを多めにしちゃう。でも、できれば花火大会は浴衣着て彼氏と行きたい。


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 全3回にわたってお送りした、夏の思い出成仏会ですが、楽しんでいただけましたか?全エピソードに花火が関わっているのはなぜだろう。これから先、花火で悲しい思い出が増えないかったらいいな。

 小さい頃、パラシュートが飛び出してくる花火が好きだった。あと、ヘビ花火っていう、めっちゃ地味な花火も好きだった。もちろん線香花火も外せないよね。ファミリーパックに入ってる、特殊なフィルムを通すと、光の近くでキャラクターが見えるあれも好きだった。ちゃんと、楽しい思い出もあるんだよ(子供の頃だけど)。
 みんなの好きな花火はなに?

 きょうも読んでくれてありがとうございます。またね。





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