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ナースのお仕事。#3



 最終日です。よろしければ、前回の記事もよろしくお願いします。



できることを選ぶ

 わたしは、やりたいことよりも、できることを選んだ。結果、よかったと思っている。一番最初の記事でお話した通り、神経難病がメインの慢性期病院でお仕事をしている。
 漠然と急性期に行きたいと、急性期に就職した同期は、勉強はできたけれど、プライドが高くて、職場にうまくなじめなかった。最初から、慢性期に行っちゃうと何も経験できないからと、急性期を選んだ同期は、適応障害になった。結局、そのふたりは入職して一年経たずに辞職した。
 理想や、夢を持って努力できることは素晴らしいけれど、冷静に自己分析して、やりたいことと、できることを見極められる力を持っていることも素晴らしいと、わたしは思っている。わたしは、患者さんと目を合わせられる看護がしたかったので、いまの職場はわたしにピッタリだと思う。


たたかうナース

 忙しいと忘れがちだけれど、”わたしはわたしに看護されたいか?”、”目の前の患者さんが家族でも、同じことをするか?”この姿勢はいつも大切にしたいと思っている。
 発症からずっと障がいを抱えて生きていくこと、あしたにはできないことが増えるかもしれない不安や恐怖。「もう、死にたい。」と、言われたことも、「あなたには分からないでしょ。」と、言われたこともある。分からない。だけど、わたしはいつも分かりたいと思っている。あなたが病気と闘っているのと同じように、わたしもあなたと向き合うことに必死なんですよ
 わたしは、「エマさんなら大丈夫。」と、性格的に難しいところのある患者さんを担当することが多い。スタッフからの「なんとかしてよ!」のクレーム処理係だった。ただ、問題行動を起こすのも、なにかしらの理由ありきでなので、心の中で「(あなたの対応の仕方にも問題があると思いますよ、患者さんからはあなたのクレームが届いています。)」と思ってしまう。


わらうナース

 「どんな看護師になりたいですか?」と聞かれたら、「看護師さんじゃなくて、名前で呼ばれる看護師になりたい。」と答える。長期入院の方が多いので名前は自動的に覚えてもらえることが多いのだけど、学生の頃からずっとこう答えている。いまも、この思いは揺らいでいない。
 家族のことはかろうじて覚えているような認知症の患者さん。「あなたの名前は覚えられないけど、いつも親切にしてくれる優しい子。わたしとあなたは親しい仲なのよね。」とにこにこしてもらえるような、そんな瞬間にいつも救われていた。同僚から、「エマさんといるとき、よく笑っている。」とか、「セットのイメージ。」とか言ってもらえたときも、嬉しくなる。


これから

 昇進とか、スキルアップとか、あまりがつがつ目指してはいないのが正直なところ。でも、新人さんや、これから看護師になる学生さんたちの指導の方で活躍できる人でありたいと思っている。学生の頃、病院実習に行くと、よそ者扱いされるし(実際、よそ者なんですけど)、実習指導者さんまで怖かったら、もう生き地獄みたいなもんでしょう。だから、若い世代を守る盾になりたい、わたしは。そして、わたしが指導した子たちにはもれなく、「意地悪された経験があるなら、自分が先輩になったときに意地悪する側になるんじゃなくて、後輩を救う側に回る人」になってもらいたい。愛弟子第1号にはこの心がしっかり伝わってくれて、「同期が後輩を悪く言うの聞いて、着々と害悪な先輩になってるなぁって思いました。」とのこと。
 これからも、ひっそり仕事は続けて、困ったときに頼りになる存在でありたい。


番外編

 マスクの下は、だいたい変顔。(唇が歯茎にくっついて戻らない人の顔をよくしている)
 仕事中楽しそうすぎ問題。(もしも、これに違う名前があったらとか、名前の由来勝手に考える選手権とかしちゃう)
 独特なネーミングセンスのもの多すぎ。(体位変換用の枕、”そらまめ”、”小豆”、転倒・転落防止センサー”てんとうむし”、とろみ剤”つるりんこ”、ミトン”おにぎりくん”などなど)
 電子カルテの記録大好きマン。(特にリハビリの人たちの記録好き)
 患者さんのどうでもいい情報集め屋さん。(たまに役に立つ)
 医療ドラマあまり楽しめない。(イケメンドクターいない、看護師と仲良くしてくれるコメディカルはまぁまぁレアキャラ。わたしはガン詰めして仲良くなっちゃう)




 短くまとめられずに、3日わたってお送りしました。いかがでしたか。愛とか、恋とか言っているだけじゃないのも、たまにはいいよね。
 看護師になりたいと思っている、もしくは気になっている中高生さん、どこで働いたらいいか決めかねている看護学生さん、きいてみたいことあれば、答えられるものは何でも答えます。愚痴聞いてなんてのでもお待ちしてます。それ以外の方も、健康相談以外でしたら、仕事以外のことも受け付けます◎

 長々とお付き合いいただきありがとうございました。またね。


わたしのペースで、のんびり頑張ります。よかったら応援もよろしくお願いします。