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【連作短編】世界の終わり

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【完結】群像劇。― end of the world 01 ― 連作短編小説です。
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#本格ミステリ

世界の終わり #0 -Overview-

— end of the world 01 ― 生物を〈生ける屍・グール〉へ変化させる感染症発生によって封鎖…

世界の終わり #2-2 ギフト

「やぁ。おはよう」  福岡市内の動物園跡地を拠点としている、人権擁護を目的とした市民団体…

世界の終わり #2-3 ギフト

 正門前の駐車場では、山岡と数名の〈TABLE〉メンバーが、緑色の服を着た男たちと口論し…

世界の終わり #2-4 ギフト

          *  陽が西に傾きはじめたころ、三枝という名の女性メンバーが、羽鳥の…

世界の終わり #2-5 ギフト

          *  西から移動してきた雲が空を覆い、雨が降りだした。陽が沈んで周囲…

世界の終わり #2-8 ギフト

 駆けつけた三枝らにはグールに関する話しか口にしなかったが、掛橋と利塚は拘束用のシートで…

世界の終わり #2-9 ギフト

          * 「この檻では――ないようですね」  最初の檻の中を覗きながら、利塚は引き攣った笑みを浮かべて呟いた。檻の中にはぐったりした様子のグールが五体いて、恨めしそうな目で、台車を押す掛橋たちを見つめていた。 「利塚さん、檻へ近づきすぎですよ」護身用である二段式のトンファーを握り締め、台車を押す利塚のうしろにいる掛橋は、周囲へ警戒の目を光らせた。西条を襲った者がいつ、どこから姿を現すかわからない。とくに小獣舎の周りは緑で囲まれていて視界が悪いので、掛橋たちは出

世界の終わり #2-10 ギフト

「どういう……ことでしょう」  不安げな声で利塚が尋ねた。小獣舎は七番目の檻で再度途切れ…

世界の終わり #2-13 ギフト

 小野が手を伸ばし、テーブルのうえに置かれた白い柄のナイフを手に取った。 「掛橋さん――…

世界の終わり #2-14 ギフト

「……!」  言葉を失っている掛橋へ向けて、どこからか不快なノイズ音と人の声とが発せられ…

世界の終わり #4-5 メタフィクション

          * 「――と、いった風に普通は考えがちですが、分母次第では希少価値が…