哲学思想日記 2023-W24 — キリスト教は異性愛を受け入れられるか
2023-06-12/18.
宗教
キリスト教は 異性愛 を受け入れられるか ? 同性愛行為が罪であるなら, 同様に, 倒錯した異性愛は罪であるはずだ. 女に情欲の念を抱くことは相手が自分の妻なら許されるのか ? しかしそれならなぜ男に情欲の念を抱くことは許されないのか ? それは不公平ではないのか ? 神に愛される異性愛とはどのようなものか ?
哲学
私の視界は2次元に見える. つまり, おおよそテレビか何かのスクリーンのように縦軸と横軸からなる平面に見える. しかし “視界は3次元ではなく2次元なのだ” と語ることと “視界は4次元ではなく2次元なのだ” と語ることには何か差異があるのではないか ? 触覚 ! 手のひらで掴めば端的に3次元なのだ !
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Friedrich Nietzsche が Ludwig Wittgenstein を読んだら „他人の痛みは感じれない (感じれたら私の痛みになってしまう) だって !? そう, まさしくそれが Mitleid (同情 = 共苦) の馬鹿馬鹿しさなのだ !“ と言ったかもしれない.
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『ドラゴンボール』に “精神と時の部屋” ってあるじゃないですか. その中では時間がゆっくり流れる空間. あれって時間哲学的にはどうなんだろう ? 普通に思考可能に見えるけど. でもこの場合時間の流れがその部屋の内外で矛盾してないか ? “それは時間ではなく運動です” 論法で解決するのか ?
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概念分析はいかにして可能か ? あたかも酸化鉄が酸素と鉄に分解できるように概念も分解できるというのか ?
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どうすれば時間を流せるのか ? 過去の出来事の順番は記憶等でわかるかもしれないが, “時間を流す”, つまり時間が流れるようにするというのは実はなかなか難しい課題なのでは ?
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意識が同一なら (おそらく) 記憶も同一だが, 記憶が同一だからといって意識も同一だとは限らない.
倫理
車内放送に反対. “お客様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします” と言うけど, 本当に申し訳ないと思っているなら飴玉の1つでもよこしてくれればいいのに. あるいは端的に黙ってほしい. 謝罪を強制的に聞かせるという嗜虐性癖なのか ?
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このまえ車に轢かれそうになったとき, まず “わっ ! 危ない !” と思った. 次に “ちゃんと前見ろよ ! 歩行者がいるだろうが💢” と道徳的非難を心中で浴びせた. 三番目に “私はまず自分の被害を心配し, その次に相手の不道徳をなじったのだな” というサティが入った.
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“功利計算機” を想像しよう. その機械に “この計算機の出力する指示に従えば最大多数の最大幸福が実現する” とラベルが貼ってある. ところが指示に従うと, どう見ても最大不幸ばかりに行き着く. 理由は (1) 機械が壊れていた; (2) 機械は正常だがラベルが間違っていた; (3) 我々の幸福観が間違っていた; のうちどれが正しいか ?
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道徳をオペラント条件づけとして解釈する. すなわち, 道徳的非難の目的は, 相手に心理的打撃を与え, 特定の行動を抑制することにある. つまり, 電気ショックを与えて学習させることと類比的. しかし電気ショックと異なり “心理的” 苦痛なので, たとえばグロ画像を見せる罰に近いかも.
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道徳的直観について : その直観が “道徳以外についての直観” ではなく「道徳についての直観」であるとどのようにしてわかるのか ? (1) 人を❌したい (2)人を❌したくない (3) 人を❌してはならない (4) 人を❌さなくてはならない, のうち, (3) と (4) が道徳的直観では ? ならば義務的直観と同義 ?
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道徳と道徳の競合, いわゆる “相対主義” などの ない 状態の方が “ほんとは道徳に従わなくたっていいんだ” ということがハッキリわかるのでは ? つまり相対主義で悩む人はまず何らかの道徳に従うべきであることを前提にしているが, 非相対状態は道徳そのものの問題が明瞭化する. Which ではなく why.
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道徳は最終的に “どこまでも自己犠牲せよ” ”どこまでも募金してどこまでも貧窮しろ” という命令に到達しがちだが, しかし “自業自得” “自己責任” 等々の概念も道徳言語の中に用意されているのが面白い. つまり道徳言語はあらかじめ “この場合は他人を助けなくていい” という歯止めを用意している.
人生
目標 : 生命倫理から逃げない.
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最近マスクを外して気づいたのは, 私は思った以上に街中でニヤニヤしてしまうリスクがあるということ. 1人でいるとき口には出さないが心の中でずっと独り言を言っているので, 自分自身と雑談している感じになり, たまに面白くなってニヤニヤしてしまう.
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10年前って中1か. 長くてもあと50年くらいしたら死んじゃうのか. 哲学の謎って2400年くらい経っても答えられないのに人生って短すぎるよ. 魂の不滅と天国とでも信じない限りやってけない. Platōn は道徳に報酬を与えるために輪廻転生を物語ったが, Aristotelēs は永遠の思惟を求めて不死を唱えた.
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自分が棺に入れられて焼かれるところを想像すると怖くなる. 無になることはもっと恐ろしい. 死があるという点でこの世界は間違っている. もちろん病と老がある点でも間違っている.
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私はただ道徳を理解したいんだ. 道徳という1つの疑問符を解明したいんだ. 観想的学問として倫理学を進めたいんだ. それでいけないか ?
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友人と “論争” をして, 話がまったく噛み合わなかったので, デリダ=サール論争ってこんな感じだったのかな, という徒労感に襲われました. どっちが Derrida でどっちが Searle というわけでもなかったし, どちらかといえば私は分析哲学を擁護しつつ Derrida 的立場に追いやられていたと思いますが.
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もう金輪際倫理学とはおさらばしようかな. 本当に哲学とは別世界で言葉が通じない (ここで言う “哲学” の意味の説明として, 私の考える哲学者の範型を示すなら, それは大森荘蔵です).
科学
科学がまだ進歩していることが不思議だ. “宇宙の謎はすべて解明した. もうこれ以上科学になすべき仕事は残っていない” と人が言う事態を想像することは難しくないはずなのに, なぜこの長い人類史の中でまだその事態が訪れていないのだろう ?
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私は “歴史学の哲学” というものに大変関心があるのだが, あまり人のいない分野だと思う. 哲学業界より歴史学業界のほうに研究史が蓄積しているのだろうが, それでも歴史ではなく歴史学を教える歴史学者は少ない. 英語だと歴史に “学” は冠しないから科学哲学の範疇からも外されてしまうのかな.
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“科学哲学の専門家” って意外と希少種だね. たとえば倫理学ならウヨウヨいるのに科学哲学はあまり見かけない. でも大森荘蔵もたしか “科学史科学哲学分科” にいたわけで, もともと日本には分析哲学が “科学哲学” という名前で輸入されたはずなんだけどね.
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私は (人文社会系を含めた) 科学というものが非常に好きなようだ. 歴史も大好き. その点はある種の哲学者とは対照的. 要するに私には哲学の才がないということなのかもしれないが. ただ, メタ倫理も “科学哲学” の一種として捉えているフシが (私には) ある.
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私は “哲学とは何か” という問いにも大変興味がある. 哲学者による探究というよりはむしろ概念史的な記述を知りたい.
歴史
日本史上最大の哲学者って大森荘蔵だと思うのだが, スタンフォード哲学事典の “日本哲学” の項目では名前すら挙がっていない. 哲学は思想ではないのに.
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NHKが “平成ネット史” という名前の番組すら放送しているのに, なぜ我々が “平成哲学史” を編纂してはいけないのか ? “戦後日本哲学史” ですら, なぜきちんとまとめないのか ? 日本の日本語での哲学の遺産がなかったことになってしまうというのは大変なこと. というかなぜ思想史の専門家がいないのか
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よろしい, 私には哲学の才能が皆無だし, 語学力も絶無だと仮定しましょう ! それならむしろ私は戦後日本哲学史を研究したい. いのちゅうの価値観に私はむしろ反して思想史も重要だと思うが, その思想史の体系的方法論 ( “歴史とは何か” という問い) すら哲学科で学べないのではないか !?
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私は “方法論” というものが異様に好きなようだ. メタ倫理は倫理の方法論だし, 科学哲学は科学の方法論だから両方好き. しかし昔歴史学のゼミにいたときはきちんと史学的方法論を学べないことが不満だった (史学だとイデオロギー論争になってしまうからかもしれない).
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哲学科にいてつくづく悩むのは, 正直, どうしてみんなそんなに “哲学とは何か” ということを気にしないで “哲学を実践” できるんだろうという点. 文献研究・思想史だって “文献を研究するとはどういうことか” “思想史はどのようにして記述できるか” ということになんでそんな無自覚でいられるの !?
性
唾液のエロースはどうしてもわからない. 汚いし臭いと思ってしまう.
しょうもない話
たしか野矢茂樹氏が “ウィトゲンシュタインの写真を見て, 名前のいかめしい響きとの差に驚いた” と書いていたが, 私も “大森荘蔵” という姓名を聞くと “いかめしさ” を感じる. どこか “地蔵菩薩” という4文字を想起してしまうからかもしれない.
好きな言葉
Ethica Nicomachea, Κ, 1181b23
λέγωμεν οὖν ἀρξάμενοι.
それでは初めから語ろう.
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2023-06-21
2023-11-16: リンクを追加。
BGM: 石川さゆり「天城越え」
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