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母子手帳は、遠い未来だった今と昔をつないでくれた。

中学生の娘と久しぶりに小児科を訪れました。ジフテリアと破傷風の混合ワクチン(DT)接種のためです。これは11歳から13歳の間に受けることになっていて、今回が5回目。いよいよ最後の接種です。

やっとここまで来た、という思いがこみ上げてきました。0歳の頃には13歳なんてずっと先の未来のように感じられたのに、こうしてその日がきたことが不思議で仕方ありません。

予診票を書くのも久しぶりでした。記入欄に「出生体重」とあり、「ああ、そういえば毎回書いていたなあ」と思い出します。迷うことなくスラスラと書けた自分に、少し驚きます。

そうそう、母子手帳も4年ぶりに引き出しから取り出しました。予防接種には母子手帳が必要なのです。表紙をめくると、娘が5ヶ月の時の写真が貼られていました。どうして新生児のころの写真ではなく5ヶ月のものだったのか、今でも不思議です。すました表情がとてもかわいいです。お気に入りの写真だったのかもしれませんね。

母子手帳の中には、手形と足型のページがありました。娘が2ヶ月のとき、家族でわいわい言いながら取ったものです。足型はスムーズに取れましたが、手形は一苦労。赤ちゃんはふだん手をグーにしているので、パーに開かせようとすると大泣き。墨をつけるときも泣き、手形を取った後に拭き取るときも泣いて、大騒ぎでした。最後はみんなで笑ったことを覚えています。

1歳のページには、きみどり色のマーカーで娘が描いた線が残っています。太かったり細かったり。たどたどしい線ばかりですが、それを見ていると一心に線を引き続けていた娘のかわいらしさが思い出されます。

さらにページをめくると、6歳の時に「ろくさいになりました」と娘が自分で書いた文字がありました。ひらがなを覚えたばかりの頃で、一生懸命書いたその文字がとても愛らしいです。アンパンマンのハンコもたくさん押されていました。「ままだいすき」と書かれたお手紙もそのまま残っています。

子どもが0歳の頃、定期接種のゴールは10年以上も先だと聞かされました。そのとき「そんなに先のことは想像もつかないなあ」と感じたことを思い出します。ですが、「その頃には、きっと一人で歩いて学校にも行っているんだろうなあ」と思い描いていた未来が、いまこうして目の前にあることに驚かされます。コツコツと積み重ねた毎日は、確かに手元に残っていました。

思いがけず母子手帳を手にしたことで、あらためて過ぎた月日の重みを感じます。そして、娘の定期接種が終了し、母子手帳ともひと区切りついたのだと今更のように実感しました。ようやく母子手帳を卒業です。

私が心配ばかりしていた時期をよそに、娘はすくすくと育っています。これから娘がどんな未来を生きていくのか、楽しみにしたいと思います。自分は、いつでも娘の支えになれる母でありたいと願うのです。

※ タイトル画像は「momoro66」さんにお借りしました。ありがとうございます!

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