ジャリス・ヨークリーの登場は鮮烈だった。
クリス・デイヴ、ネイト・スミス、リチャード・スペイヴン。現代を代表するドラマーを自身の作品に次々に起用してきたホセ・ジェイムズが突如無名の若者をレギュラードラマーに抜擢したからだ。
ホセのライブを観れば、彼のバンドにおけるドラマーの重要度は一目瞭然。ホセの音楽は誰をドラマーにするかでそのクオリティが決まってしまう、と言っても過言ではない。そんな責任重大な席に座ったのがジャリスだった。
ジャリスはそんな期待と不安が混ざり合った状況をあっという間に賞賛一色に変えてしまった。そして、ホセの音楽はこれまでとは違う形で新たな高みに到達している。『New York 2020』からホセの音楽には変化が生まれている。
ジャリスにはBIGYUKIも称賛を惜しまない。ジャリスの才能に魅了されたBIGYUKIは自身のライブでもジャリスを起用している。彼のドラムは周囲のアーティストに少しずつ影響を与え始めている。
そんなジャリスがソロアルバム『Sometimes, Late At Night』を制作した。ホセ・ジェイムズがジャリスの背中を押し、BIGYUKIが手を貸した。そして、ホセは自身のレーベルからリリースをした。そのアルバムにはジャリスの個性が強く表れていた
取材・執筆・編集:柳樂光隆 | 通訳:染谷和美
協力:コアポート
◉コンテンポラリー・ゴスペルの影響
ーーまずドラムをやるようになったきっかけはなんでしょうか
ーーチャーチではどんなことを学びましたか
ーー今、おいくつでしたっけ?(2024年)
ーー世代的には物心ついたときにはコンテンポラリー・ゴスペルもすごくハイブリッドな面白い音楽になってたと思うし、あとはゴスペルチョップスみたいな教会の資金集めでドラマーがテクニックを披露する動画をアップするみたいなカルチャーが10代のころからすでにあった世代ですよね。
◉バークリー音大で学んだこと
ーーそのあとは、ドラムをどのようなところで学びましたか。
◉エレクトロニック・ミュージックの影響
ーー一方であなたはエレクトロニック系の音楽を聴いていたわけですよね。そういう音楽を聴くようになったころの話を教えてもらえますか。
ーーそういう音楽を一緒にやる仲間はいたんですか?それとも家でこっそり一人でやっていたんですか?
ーーどういう練習をしていたんですか?
ーー特に難しかった曲とか覚えていますか?
◎Jojo Mayer
ーーJojo Mayer ってかなり特殊なドラマーだと思うんですけど、彼らのどんなところがすごいと思いますか?
ーーガチで憧れていたと
ーーたしかに。
◎Deantoni Parks
ーーひえー、あなたでさえ難しいと。Deantoni Parksはどうですか?
◎プロデューサーからの影響
ーードラマーとしては、機械のような演奏をする人たちに興味があったと思うんですが、一方で自分でもビートを作ったりプログラミングをされたりしていますよね。それはいつごろ始めたんですか?
ーーへー、最高のルームメイト
ーー自分でプログラミングしたり、ビートを作ったりするうえではどんなアーティストがインスピレーションになっていますか?
◎Thom Yorke / Radiohead
ーーエレクトロニックミュージックに関してはどうですか?
ーーどんなところが好きなんですか?
ーー割と変な音楽を作るミュージシャンの名前ばかり挙がってますね
ーー加えて少しダークなところがあるというか
◉ドラム・スタイルについて
ーードラムの話に戻りますが、新しいアルバムも含め今のあなたのドラムには「ジャリスっぽい」と思うような音色やフレーズがある気がするんです。自分でも自分らしいリズムの組み立て方やドラムのセッティングってあります?
ーーセッティングに関してはどうですか?
◉デビュー作『Sometimes, Late At Night』
ーーソロアルバム『Sometimes, Late At Night』は Big Yuki とレコーディングしたと思います。BIgyukiはスタジオの中でどんどんアイディアを出して、どんどん曲を変えていくタイプですよね。
ーーははは、彼は本当に自由なんですね。
ーーお菓子屋さんにいる子供みたいな感じですかね?(He is like kid in a candy store?)
ーーじゃあ、元のデモとはかなり違う進化をしたってことですね。
ーー僕は Bigyukiにもう10回くらいインタビューしているんですけど。
ーーYuki が共演したがるミュージシャンって傾向があって、彼が共演したミュージシャンを褒めるときに「早い」って話をするんですよ。彼がなにかアイディアを出したときに、それにその場で対応して新しいものを出してくれるようなミュージシャンが彼の好みなんでしょうね。おそらくあなたも「早い」ミュージシャンなんだと思うんですけど、それについて自分ではどう思いますか。
ーーなるほど
ーー今、言っていたようなライブをするときの考え方がよく表れているのがこのアルバムだと思いました。