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【オーストラリア】 ワクチン未接種が理由で内定が取り消しになった話 【ロックダウン】

Noteでは海外放浪生活で起こった良いことも、そうでないこともシェアすると決めていますが、この記事は後者の「そうでない」話題になります。

オーストラリアへ入国した直後にロックダウンがはじまり、この期間があけるまでおとなしくステイホームを守ろうと考えていたのですが、当初3週間を予定していた期間が、数ヶ月に延長されたもかかわらず、陽性確認者数は右肩上がりに伸びる一方で、現在では出口がみえない状況がつづいています。
さすがにこのまま黙って待っていても埒が明かないので、エッセンシャルーワークと呼ばれる業界に絞って大義名分のもと仕事探しをはじめ、フルタイムで内定をもらったのですが、追って担当者から連絡があり、政府が推し進めている方針 (No jab, no work) によってワクチン接種をしていないと労働が認められないため、もしワクチンを打つ気がないのであれば内定を取り消すしかないとのことでした。
面接時に確認したところ、会社の方針としてはワクチン接種はあくまで任意と説明を受けていたのでここ数日で状況が大きくかわったのかもしれません。


” 
No jab, no work / ワクチンを打たざるもの働くべからず ”

入国してすぐに仕事探しをはじめるつもりがロックダウンの影響で2ヶ月の時間を無駄にし、我慢ならずに動いてゲットした内定でしたが結果的に取り消してもらう判断をしました。
というのも僕は反ワクチン派でもないしどちらかといえば中立的にみていて、ワクチンを打たないとガチガチに行動制限を設けられ身動きがとれない状況がくるまでは静観するつもりでいました。また、打つのであればmRNAワクチンと考えていましたが、シドニーですぐ打てるワクチンはアストラゼネカしかなかったためです。

" AstraZeneca or no job " の選択に迫られ、後者をとったかたちです。
なおオーストラリアではアストラゼネカ、ファイザーにつづき先日モデルナが承認されましたが、現時点で打てるワクチンは職業や年齢、住む地域などひとによって異なり、以下のサイトで自分が打てるワクチンを調べられます。
僕のケースに限っては「お前に出すワクチンはアストラしかねぇ!(芸人河本氏風)」と吐かれてしまったかたちです。


 no jab no job means no human rights やん

記事の題を内定が取り消された話としていますが、もちろん会社にネガティブな感情は抱いていませんし、むしろ政府のガイダンスに従うホワイト企業だと印象をうけました。採用はおじゃんになってしまったものの、面接や内定後のやりとりも丁寧だったので担当の方には感謝しています。
また、オーストラリア政府が掲げる"no jab, no jab" にも、現段階で人類が対コロナでできることといえばワクチンくらいしかないのでケチをつけるつもりもないのですが、アストラゼネカ、ファイザー、モデルナを用意した、この期限までに打ってくれ、さもなければノージョブだと提案されるならまだしも、アストラゼネカしか用意できないいまの時点で押し付けるのはどうなんよと思う次第です。

また、役所に問い合わせたり、調べたりしたのですが、そのうえで抜けがないかぎり、僕のような入国してすぐロックダウンになった影響で仕事をしていないワークビザホルダーには政府からの対COVID-19サポートが一切ありません。そして、当然州をまたぐ移動は禁止されていますし、出国する飛行機も出ていません。
つまりいまの状況が気に入らないからといって、NSW州から去る手段もなければ、政府からのサポートもない、ロックダウンの出口もみえない、貴重なファイザーはあげないけど、アストラゼネカが嫌なら働く権利はないよ、それであなた生活費どうすんの?
これ、もし貯金がなければその辺の道端でのたれ死ぬ状況でしたね。笑
AstraZeneca or Die right nowの選択を突きつけられている感覚です。せめてmRNAワクチンをその選択肢のなかに用意してから迫ってほしい。

しかし、こんな状況あんまりだと嘆くより、これが外国人として異国の地に身を置くリスクと、パンデミックの真っ只中に国をまたぐリスクなんですね。
といっても今回のNSWロックダウンでは永住権やワークビザで働いている外国人向けのサポートがあるので、ちゃんと税金を納める立場になっておけば有事の際にも差し伸べられる手はあります。去年ニュージーランドで経験したロックダウンでは、お給料にかわって補助金をいただいていました。

こう書いてきて思うのですが、日本はガッツリ民主主義国家していて、数ある最高の国のひとつですね。

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