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年齢を重ねることに抵抗があるのはなぜだろう〜おばさん反乱軍で楽しくエイジング!〜

天海祐希が好き。

宝塚歌劇団出身ならではの美しい立ち居振る舞い、弁護士などの堅い役からコメディエンヌまで幅広い役をこなせる柔軟性など、とにかくかっこいい。

彼女は、宝塚でも男役だったということが影響しているのか、賢く強い女性の役を演じることがよくあると思うんです。
「離婚弁護士」や「合理的にあり得ない」では弁護士だし、「BOSS」だとアメリカ帰りの刑事だったし、「緊急取調室」でも癖のある加害者をやりこめる敏腕刑事でした。「女王の教室」では圧のある怖い先生でしたよね。

上司にしたい女優No.1と言われ、「ハンサムな女性」を象徴するような女優の一人なんじゃないかなと思います。芯のある役がはまるとも思うし、いつも「天海祐希、かっけー!!」って思いながらテレビを見ています。でもバラエティだとキュートなんですよ。そのギャップもいい。


天海祐希は「おばさん」なのか?

天海祐希が強い女性を演じるときに、ドラマの中で必ずと言っていいほど、若い世代の人から「おばさん」とか「年増」とか言われてるんですよね。最終的にはそのような発言をうまく切り返す結果になるのだから、問題ではないのかもしれないのですが、私はこれが気になります。

ドラマだと40代以上の設定の女性は「オバさんにはわからないわよね」というようなことを若い女性から言われるシチュエーションがよくあります。性別を男性にすると、50代の男性が若い男性に「オジサンにはわからない」みたいなことを言われているシーンってあまり見ないように思うのですが、見てるドラマが偏っているのでしょうか。
私が天海祐希を好きすぎて、気になっているだけなんでしょうか。

「逃げ恥」でも石田ゆり子演じるゆりちゃんのセリフがよかったと言われていますが、これだって、若い女性から、「若さという価値がなくなったオバさんは引っ込んでて」みたいな感じのことを言われた時の返答でした。(恋愛がらみの嫌味があったのですが)

呪いね。自分で自分に呪いをかけているようなものよ。あなたが価値がないと思っているのは、この先自分が向かっていく未来よ。それって絶望しかないんじゃない?
自分が馬鹿にしていたものに自分がなるのはつらいわよ。「かつての自分みたいに今周りは自分を馬鹿にしている」と思いながら生きていくわけでしょう。
そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまうことね。
あなたがこの先美しく年をとっていきたいと思うなら、楽しく生きている年上の人と友達になるといいんじゃないのかな。
あなたにとっての未来は誰かの現在であったり過去だったりするんだから

(『逃げるは恥だが役に立つ』9巻63P)

このセリフは、今まで言葉にできなかったことを言語化してくれたような部分があって、とても納得のいくセリフでした。

でも、キャリアを追い求めた素晴らしい女性たちが、若い人から「若くないことは無価値」と言われるのを、私たちはいつまで見せられなければいけないのでしょうか。
年齢を重ねた女性に対して「そういう発言をしてもいいのだ」と考える人を増やしてしまわないでしょうか。

そう考えるのは誰?

若いことに価値があるとみなす傾向はまだ根強いし、特に女性は若さで価値を付けられることがあります。

でも、「若さに価値がある」と考えているのは誰なのか考えたら、老若男女がみんな「若さこそ価値」「歳をとったら終わり」という価値観を植え付けられているように思います。まさにステレオタイプです。

だけど、そういう価値観を壊してくれているのが、天海祐希のような輝きを持った存在だと思うんです。彼女たちが年齢を重ねても第一線で活躍することで、世間や社会が作った「おばさん像」を壊して、「年齢を重ねることには、若さとは別の価値がある」と思わせてくれるロールモデルだと感じているから、私は天海祐希が好きなんだと思います。

「もう若くない」と、自分でも思ってしまっていませんか?
そしてそれはあなたを縛っていませんか?
だとしたら、そんなものからはいち早く逃げてしまったほうがいいと思うのです。

年齢を逆手に取る

ということで、私は「もう若くないし」などと言って諦めることをやめました。
それで、この前「大人のバク転教室」に行ってきました。1回の練習でバク転が成功するわけではなく、3回ぐらいレッスンを受ければ、自力でバク転できるそうです。

子供の頃、とってもどんくさかった私は、バク転が夢でした。今から子供の頃の夢が叶うなんて楽しみでしかありません。40代でバク転できるって、希少価値がめっちゃ高いし、そもそもめっちゃかっこいいじゃないですか。

教室には、私よりも年上の人から中学生まで参加していて、マットの上で前転、後ろ回り、ブリッジなどから始めました。「バク転やりたい!」と思って参加申し込みしたし、コーチも「誰でもできる」と言っていたけど、レッスンの最初は、「本当にこの歳でバク転なんかできるんだろうか」と不安でした。
でも、後ろにまっすぐ飛ぶ練習を何度もやって、コーチに支えてもらって初めて1回転したんです!!「私にもできた!!!」という感動がありました。
コーチの支え付きで、何度かバク転「もどき」をやっていると、だんだんコツを掴んできて、みんなが上手になってきて、一番年上のおじさんがうまく回転できた時の一体感もよかったです。
あの時、誰も年齢を理由に「できない」なんて言ってなかった。

私はまた、あのメンバーに会いたいと思っています。全員が初心者で、一緒に上達していくのを全員で楽しんで、成功を喜び合える空間でした。

もう私は40代に突入しているので、「おばさん」と呼ばれる世代です。だけど、30代後半でイギリスの大学院に行って、40代になってバク転に挑戦して、暑くても寒くてもフットサルで走り回って、急にインド映画にはまって、やりたいことやって泣くほど笑って人生を楽しんでいる「おばさん反乱軍」だと思っているんです。

反乱軍は、「若さに価値があるんだ」とか「おばさんとはこうあるべし」というステレオタイプを押し付けてくる皇帝が率いる帝国軍を、フォースの力で追いやって、反乱軍だけで楽しんでいます(スターウォーズを知らない方にはすみません)。
たとえば、「食べログで見たシェフがイケメン」という理由でトルコ料理屋さんに行ったり、化粧品や脱毛の情報交換をしたり、昼間から集まって飲みながら何時間もカードゲームをしたり、すごく特別なことをしているわけではないのですが、自分たちが今やりたいことを我慢しないで提案できるし、同じように楽しんでくれる人がいることは、とても恵まれていると思います。

さらにラッキーなことに、私の周りには、同年代や年上の人で人生をとても楽しんでいる人たち=反乱軍の仲間がいるのです。

それで、人生を楽しむ反乱軍を見た若い人たちの「年齢を重ねることへの不安」が軽くなったらうれしいです。ぜひあなたも反乱軍の仲間になって人生を楽しみませんか?

Text by ひらみん(普通の会社員)

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