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SES企業はブラックですか?

こんにちは、アイネの渡邊です。
ネットを検索すると「SES企業はやめておけ」という批判が溢れています。が、本当のところどうなのでしょうか。
今回はこの件について私見を述べます。


SESとは

SESとはSoftware Engineering Serviceの略で、エンジニアを必要とする現場へエンジニアを派遣するサービスのことです。このSESをビジネスの中心にしている企業のことをSES企業と言い、アイネもSES企業に該当します。
SESでは、取引先と準委任契約を結びます。基本的には取引先に常駐して業務を行いますが、報酬は作業時間に対して発生し、成果物に対する責任がないのが特徴です。
インターネットを検索すると、SES批判が多く見受けられます。ブラック企業、違法行為、給料が安い、スキルアップできない等です。今回は、ブラック企業批判について述べていきます。

SES企業がブラック化する4例

そもそもブラック企業の定義が曖昧なのですが、ここでは労働者の権利を守るための法律を守っていないことを指すものとします。具体的に4例を上げてみました。

① 残業代カット

違法の度合いが最も高い行為となりますが、SES企業だからと言って多いというデータは特にないようです。一般的なSES契約では基準時間分に加えて、超過時間分も報酬として売上になりますので、社員に対して給与で還元することがしやすいです。SES企業に限った話ではなく、経営者のコンプライアンス意識の欠如、あるいは経営危機によりやむを得ず行う場合が多いのではないでしょうか。
アイネでは毎年、従業員一人ひとりに労働条件通知書を渡して、残業代についても説明しています。もちろん、このような残業代カットの問題は発生していません。

② 法定上限を超える長時間労働

SES契約では成果物に責任を持つ必要がないため、法定上限を超えた長時間労働を行う必然性はあまりありません。また超過時間分の費用が発生するため、取引先も長時間の作業を好みません。こうした背景から、SES企業の長時間労働は抑えられる傾向にあるように思います。SIerにも在籍していた私の経験では、SIerの方が納期に全責任を持つ立場上、長時間労働が発生しやすいかと思います。それでも、客先業務の他に社内業務を行っている場合、あるいは取引先からの超過労働の依頼を断れない場合もありますので、発生する場合はあるかもしれません。
アイネでは創業からの5年間で、最大月60時間程度の残業が発生したことがありますが(36協定の特別条項協定範囲内)、残業時間の月平均は20~30時間程度となっています。

③ 有給休暇を取得できない

SES企業では客先常駐での業務という立場上、有給取得が難しい場合があります。特に常駐先である取引先の理解がない場合に問題となる可能性があります。SES企業としても取引先の信頼を得ることが契約単価アップや契約継続に重要となるため、中には有給休暇をあまり取得しないようにしているケースもあるようです。
アイネでは、業務の閑暇期に計画的に取得するように推奨しています。また有給休暇は、それ自体が労働者の権利なので、最大限尊重して対応しています。

④ 一方的な給与の減額

給与の減額には労働者の同意が必要であり、一方的な減額は違法となります。経営困難で給与減額を余儀なくされるような場合であっても、経営者は労働者が納得を得られるような理由を説明する必要があります。当然のことながら、役員給与カットなどの企業努力が必要になってくるでしょう。SES企業に限らず発生しうる問題です。
アイネではこれまで社員給与の減額は発生していません。

まとめ

以上、具体的に4例を述べてきました。
SES企業の一部には上記のような違法行為をするブラック企業もあるようですが、SIer企業や自社開発企業であっても、ブラック企業はあります。
SES企業の場合、零細企業も多く、経営を支えるスタッフも不十分なため、コンプライアンス対応が弱くなる傾向があり、結果として、意図せず違法行為となっている場合もあるかと思います。

アイネにはこのような違法の例に当てはまるものはありませんが、零細企業の部類には入るため、コンプライアンス問題が発生しないよう法律面には十分に注意を払っています。
またSES批判の中には真っ当な批判(レガシー技術の案件が多い、給与が安くなりがち等)もあり、それらについては謙虚に受け止めていく必要があると思っています。これからもコンプライアンスを重視し、社員を大切にする企業であり続けます。


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