見出し画像

幻の銘茶のこと(八)室町時代から未来へ

茶摘みと職人
早朝、朝食も摂らずに茶畑へ向かいます。
『朝ごはん食べへん方が身体が動くねん』と川上さん。
茶樹の状態を見てお世話をされます。
茶樹との対話・茶葉との対話は喜代美さんの日課です。
新芽が付き始めると、足を運ぶ回数も増えてそのタイミングを図ります。
天気と相談しながら、茶葉の一番いいタイミングでその日を決めるのです。

収穫前。きの花の茶葉は厚みがあり青々としています。

6:00頃からベテランの摘み手さんの協力を得て芽摘みが始まります。
約500平米ほどの茶園は、機械で刈ればすぐ終わりそうな広さに感じますが、1枚1枚数日掛けて丁寧に摘みあげるのです。
余分な茎などが入ると雑味の原因となります。
その後の仕分け作業に更に手がかかるため、素人にはなかなか難しいそうです。

新芽を摘み上げた収穫跡

崖地から収穫した茶葉の背負籠と共に降りていきます。
年を重ねられた御身体の負担は大きいと思います。

ガンバレ。ガンバレ。

小さな茶園の生産量は決まっています。
この茶樹を後世に残していくためには、摘み手さんを育てること、
崖地の運搬や機械の課題があると思います。

先人からコツコツと引き継がれてきた技術と茶樹。
心から安心して美味しくいただける個性ある高品質なきの花のお茶。
手を掛けて手を掛けて、そして余計な手を加えない自然との対話。
評価と対価の解離がなく、持続可能な価格で次の担い手へと安心して繋げられるよう希望を残したいと願い応援しています。

『 湿気があるとき、雨の日は袋詰めやらへんからね 』
茶葉の状態をより良いかたちで出荷できるよう、注文に応じて袋詰めされます。
お天気など、袋詰めのタイミングによっては発送まで少しお時間をいただく場合もございます。

実生 在来種 きの花 政所茶 は当ショップの他に、ココノミ様でもお取扱いいただいています。
日本の安心な食を作る農家さんと支え応援するバイヤーさんたちです。
『 良いものに出逢えました。ありがとうございます 』
と喜んでくださる担当の方。
農家さんへのリスペクトと質の髙い良いものを届けたいとの気持ちでご尽力されていらっしゃいます。
一生懸命育てられたものを理解し周知して届けるのも重要な役割です。

厳しい環境の中で1年かけて育て・育った幻の銘茶です。
日を追うごとに深みが増していきます。おもてなしや御遣い物にも。
格別なひとときをお愉しみいただけると嬉しく思います。

煎茶:水出しはショットグラス、ホットはワイングラスがお薦めです。
   贅沢にカクテルにしても、茶団子にしても◎
紅茶:1番茶(ファーストフラッシュ)を2度醗酵させた芳醇な香りと
   存在感のある紅茶です。ストレートで。
番茶:茶葉の形状をした平番茶。山吹色が鮮やかです。
   夏番茶は手摘み農家のみです。水出しで是非。
   カフェインの少ないお茶ですので幅広く飲んでいただけます。
   ポリサッカライドの効果も期待したいですね。


自由ヶ丘にある紅茶専門店 hyphen様 では期間限定で出していただいています。
商品をお持ちすると、カウンターでは煎茶がワイングラスでサーブされました。
煎茶を淹れるのは少し難しいイメージがあり不安もありましたが、
ワイングラスでいただくと、香りがフワッと広がり
思わず、美味しい!あぁ美味しい~と初めて飲んだかのように言葉が出ます。
同席していたワインショップのオーナー様も、「 通常は玉露を使うのですがお酒と合わせても大丈夫なくらいの香りですね。」と仰っていました。
ワインの専門家さんを前に「高級シャインマスカットみたいな味ですよね」と語彙力の低い私の同意を求める言葉に、苦笑されていました。




お力添えいただけますと幸いです。