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緑の風に吹かれて【日常エッセイ】

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自由気ままに書いたココロのエッセイです。
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#魔法

彼女が作る不思議な魔法。

彼女が作る不思議な魔法。

先日のこと、うちのマンションの1階ロビーの蛍光灯が切れていた。その前日に、その蛍光灯が点滅していたので、これは切れるかなぁと思っていたら、案の定だった。

夜、仕事から帰ったときに玄関が暗いと、それこそ暗い気持ちになってしまう。切れかかっていた時に、うちの奥さんにも教えていた。そして切れてしまったその日に、また、彼女に私は教えた。

「とうとう玄関の蛍光灯が切れていたよ」

すると彼女はこう答えた

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月の女性とその魔法と。

月の女性とその魔法と。

闇しかないような夜空に、美しい月が浮かんでいた。そのあまりの美しさに、白くため息が小さく漏れた。

ふと、ケイタイのカメラであの月を撮りたいと思った。

けれども画面越しに月を探してもなかなか見つからない。やっと見つけたと思ったら、小さな点にしか見えない。まるで月は少女のように、イタズラでもしているみたいだ。クスクスと笑いながら隠れては、また、こっちを見ているような。

あきらめて、ケイタイをポケ

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おはようのまほう。

おはようのまほう。

今朝は随分と冷え込んでいる。
やっと、秋本番といったところか。いや、少し秋を通り越して、冬の足音が聞こえてきそうな感じだ。吐く息が、もう少しで白くなりそう。

昨夜、奥さんが街の指定のゴミ袋にたまったゴミを入れて玄関に用意してくれていた。それを今朝、私が指定の場所へと出しにゆく。その場所は家から少し離れたところにある。朝の冷たい空気の中、ゴミ袋を片手に歩いていると、中学生くらいの男の子が、自転車で

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ほうきにまたがって彼女は。

帰りの電車で、よく見かける女の子がいる。

中学2年生くらいだろうか?私服だからよくわからない。学生服でもわかんないだろうけど。まぁ、それはともかく、大きな黒い瞳がとても印象的な女の子だ。

たぶん、そのカバンから思うに塾の帰りなのだろう。夜10時に近いというのに、こんな遅くまで勉強とは。なんて世の中だ。

電車の中でいつも彼女は、ひとりで本を読んでいる。

それで気になるのが、その彼女の読んでい

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