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2018年慶應義塾大(文)自己推薦_和文英訳解答例

慶應義塾大文学部自己推薦2018年
【はじめに】
・英訳は教員歴10年以上の著者とアメリカ人教員と協力して作りました。公式に模範解答が公表されていない以上、あくまで解答例として受験生の学習の手助けになればと思っています。
・例年の受験生のWritingと合否を考えて受験生でも書けるラインを意識しています。難しすぎる表現を使い、立派すぎる解答を見ても受験生は自分の力に落とし込むことはできません。比較的平易な表現を使って、この解答なら真似できるというレベル感で合格ラインを超える解答例を意識しています。
・一方で、慶應の文学部ならここまではかけて欲しい表現や、繰り返し出題される表現もあります。過去問演習を通じて自分の英語力向上に努めましょう。
・また一度の添削で学習者が吸収できるのも10個と踏んで、あまり多くをポイントとしてあげていません。個別で受験生の添削や質疑応答を受けている時の指導ポイントに絞りこみました。記述問題では満点をとることは難しく、模範解答と自分の解答を見比べながら、吸収できるものを一つずつ積み上げていきましょう。粘り強く取り組めば必ず力が着くのがWritingです。

【課題文】
(1)人口減少時代がやってくれば、ひとりで生きる。ひとりで生きるほかない領域が、空間的にも時間的にも自然に広がってきているはずなのに、そのことを誰も感じていないようだ。感じないふりをしているだけなのだろうか。

【解答例】
When the age of a shrinking population comes, you will live alone. Although the realm where you have to live by yourself automatically should be expanding in terms of time and space, it seems that nobody feels it. Are they just pretending that they feel nothing?

①人口減少時代
→時代はage, era, periodとあるがグローバル時代やIT時代などはageが一般的。eraは天皇や王様がいる時代のこと。periodもera同様だが、一代の王様とは限らない。Edo period江戸時代、Showa eraなど。あくまで傾向なので絶対ではない。
→人口減少はdecreaseやdeclineで表現するのが無難だが、人口減少はa shrinking populationという表現を覚えましょう。

②ひとりで生きる
→一般論のyouを主語に使った。weも可だが、人口減少しているのは日本であって人口減少していない国もあるので、weと言っても誰を指しているのか不明。

③ひとりで生きるほかない領域
→領域はrealmでターゲットに載っている単語なので書けて欲しい。in the realm of politics「政治の世界」など。
→「生きるほかない」have toを使った。needでも可。mustは強すぎ。

④空間的にも時間的にも自然に
→time and spaceの語順。日本語の語順に沿ってspace and timeは違和感。
同様にday and night「昼も夜も(夜も昼もとは言わない)」boys and girls「少年少女(少女少年とは言わない)」「ladies and gentlemen紳士淑女の皆さん(淑女紳士とは言わない)」
→naturallyやin a natural wayも可。自動的に広がっていると考えてautomaticallyにした。

⑤広がってきているはずなのに
→「はず」はshould
→「広がる」はexpandやspread。realmが主語だからbecome bigでも可
→現在進行形にして「~して(きて)いる」とした。
→「なのに」はAlthoughやThoughを使った。文頭で使う場合はAlthoughの方が好ましい。

【課題文】
(2)われわれが目にしうる歴史は、たかだか五千年にすぎない。その前には、その幾百倍もする長い先史が横たわっている。またわれわれの前方にははかりしれない未来の時間が伸びている。

【解答例】
The history you can see through the historical evidence is only 5,000 years. Before the history, the prehistory is hundreds of times longer. In front of us, an immeasurable amount of future time stretches.

⑥われわれが目にしうる歴史
→「目にしうる」は歴史証拠で確認できるの意味に訳しかえてthe history which we can see through the historical evidenceとした。
他にも「われわれ(人類)は経験してきた」と読み替えてThe history which we humans have experiencedでも可

⑦五千年
→5,000 yearsにした。0~10まではスペルアウトするのが一般的。それ以上は算用数字を使いましょう。また3桁の箇所でカンマを打つなどのパンクチュエーションも徹底。
大学入試の公式解答を見ると、一部文学部ではすべてスペルアウトしているものも見るが、一般的な記述にしましょう。
※ちなみに10も算用数字使う人たちもいます。

⑧その前には、その幾百倍もする長い先史が横たわっている
→先史はprehistory
→横たわっているはlieを使いたいがbe動詞で模範解答は作った。
→Ahead of usは書けないと思うので、Before of the historyにした。
→「幾百倍もする長い歴史」比較級使ってhundreds of times longerでOK

⑨またわれわれの前方にははかりしれない未来の時間が伸びている。
→機械翻訳にでている「われわれの前方」Ahead of usは難しいのでIn front of usにした。

Ahead ofは動のイメージ、先行している状態
In front ofは静のイメージ、近くで対面してる状態
I waited for you in front of the statue.銅像の前で待っていました。
The bike ahead of us got into a car accident.僕らの前の自転車が交通事故に巻き込まれた。
※Before~は前後関係のイメージ
例文The letter K comes before L in the English alphabet.

⑩はかりしれない未来の時間が伸びている。
→future time which you cannot measure出も可
→immesureableと形容詞で使うならamount of future timeにして時間(不可算名詞)を量的に捉える表現が欲しくなります。
→in the futureを使ってもいいが、streches in the futureのように動詞を修飾する誤読を招くのでfuture timeの方が無難な表現です。
→伸びている
時間軸は直線なのでstreachが無難。expandは全方向に拡大するイメージ、spreadはバターとかをパンの上で伸ばすイメージ。streachはゴムを伸ばすようなイメージ。


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