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洗足学園小学校Apple Open Day2023に行ってみた〜ICTの日常使い〜

先日行われたApple Distinguished Schoolである洗足小学校のApple Open Day2023に行ってきました。

Apple Open Dayとは?

Apple Distinguised Schoolが実施する授業公開日のこと。当然Apple製品に限りらずICTの活用事例や環境整備について参加者が何かしら刺激を受けてICTの推進力になることが期待されている。
なお2024年現在でApple Distinguished Schoolなのは小学校から高校まで全国で17校のみ。

ICT日常使い

これがテーマの一つ。授業公開では全学年のあらゆる授業においてICTの日常使いが示されていた。
これ、簡単に言っているが非常に凄いこと!研究授業や授業公開というと一部の優れた先生の授業だけが取り出されがち。その裏でICTを苦手とする先生や荒れたクラスは公開されないといったことがよくあります。外部への公開によるマイナス評価を恐れたり、授業進度的に公開しても学びが少ないのでは?という懸念からです。(そういった感情は必ずしも責められるものとは思いませんが)

今回は「ICTの日常使い」に沿って全ての学年が公開というところに価値があります。(おそらく多少の進度調整や授業変更はしていると思われますが、それでも凄い!)
実際、ICTの使い方はクラスによってブレはあれど、平均して相当な活用がなされており、素晴らしいかった。

デジタル機器のメリハリのあるルール

授業公開だから無理してiPadを使うというわけではなく、先生の指示に沿って生徒がサラッとiPadを机から出して取り組む自然体の姿がそこにあった。指示がなければiPadは机の中にキチッとしまわれていて、必要に応じてiPadを使うという緩急。そのしつけがなされていることが窺い知れちょこっと感動。

iPad使用を推進するあまり机の上にiPadが常時出されていて、生徒は関係ないことをしているというケースは多分にありえる。Googleの共同編集作業を使えば、リアルチャットもできる時代。そういったしつけを小学生だからこそ(?)大切にしているようで、妙に感動しました。

またiPadを児童が使うにあたって家で十分な充電がなされておらず、授業中にバッテリーが切れているということもありえる。教室には延長コードが伸びていて、各自自由に充電しながら授業に取り組んでいた。(もちろん家で充電してくることを励行しているのだと思います)
デジタル機器の使い方について、認めるところと、認めないところの線引きが明確で児童に浸透している事が大切だと感じる。

新しいものを導入する際のルールメイキングは常に厳しくなりがち、または想像していないトラブルが起きてから事後的にルール設定がされるという学校が多いはず。洗足小学校では、そういった時期をすでに過ぎて、厳しくしつける指導と同時に認める指導が明確で生徒もそのルールに沿って取り組んでいる状態でした。

外観

授業実践の勘所

私は普段、中高の授業担当なので、小学校の授業見学は初めてでいろいろな学びがあった。小学生だからこそ指示の具体性や丁寧な机間巡視、児童の観察、声がけなど、中高でも大切なことが徹底されていた。
(もちろん学齢が上がるにつれて教員が気にしなくてもできるようになっていくことが大切です)あぁ自分も、こういった気配りのある授業展開したいなぁと、初心に返ることができました。

図書スペースはアナログの本と一緒にロボットたちと触れ合える空間

デジタルプロフェッショナリズム

授業ではClips、iMovie、Keynote、Padlet、Pages、Numbers、ロイロノート、ChatGptなどが授業内活用されており、生徒たちは授業を通じてアプリの使い方に自然と慣れていく。大人からすると、アプリの使い方を授業で教えてくれ!と思いがちだが、児童たちは各授業で部分的に使いながら、慣れ、教え合いながら使い方を学んでいくんだと実感。
(もちろん一番最初は先生が指示を出したりするはずだが、アプリの使い方の授業はしない)

注目すべきは、使われているアプリはAppleの純正ソフトかChatGptなど大人でも使うソフトが多いという点。学校仕様に特化したソフトは教員として使いやすいんですが、児童が社会で大人が使ってるのと同じソフトを使う事に大きな意義を感じます。

子供の時に与えられるものって大人が使っている本物を子供向けにしたものが多い。言うなれば廉価版。本物じゃない、プロ仕様でない。
でもiPadは大人も使っている。大人も子供もツールに違いはない。大人としてのスキルだけの違いになった時代。親が本を読んでると子供の読書率が上がったり親の喫煙率が子供の将来の喫煙率に上がったりと、大人のやり方を学びたいと言う児童の欲求が、デジタル教育では大人顔負けの成果物が出来上がる過程になる。

まとめ

教員はともすれば日々の仕事に忙殺されて、教員間の学び、学校間の学びをないがしろにしがちです。こういった学校間交流というのはデジタル教育関係なく刺激になるもの。競い合うというより、情報交換して取り組みのコツなど小さなことでも協力し合うということに意義がある。
業界全体として盛り上げるためにも、デジタル教育やAppleの推進力で、それが叶うなら、いい教員の学びの文化が作られていくのでは?と感じました。
デジタルシティズンシップ編は以下のリンクから!

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