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2019年慶應義塾大(文)自己推薦_和文英訳解答例

慶應義塾大文学部自己推薦2019年
【はじめに】
・英訳は教員歴10年以上の著者とアメリカ人教員と協力して作りました。公式に模範解答が公表されていない以上、あくまで解答例として受験生の学習の手助けになればと思っています。
・例年の受験生のWritingと合否を考えて受験生でも書けるラインを意識しています。難しすぎる表現を使い、立派すぎる解答を見ても受験生は自分の力に落とし込むことはできません。比較的平易な表現を使って、この解答なら真似できるというレベル感で合格ラインを超える解答例を意識しています。
・一方で、慶應の文学部ならここまではかけて欲しい表現や、繰り返し出題される表現もあります。過去問演習を通じて自分の英語力向上に努めましょう。
・また一度の添削で学習者が吸収できるのも10個と踏んで、あまり多くをポイントとしてあげていません。個別で受験生の添削や質疑応答を受けている時の指導ポイントに絞りこみました。記述問題では満点をとることは難しく、模範解答と自分の解答を見比べながら、吸収できるものを一つずつ積み上げていきましょう。粘り強く取り組めば必ず力が着くのがWritingです。

鈴木貴之『100年後の世界ーSF映画から考えるテクノロジーと社会の未来』
2019年は上記からの出題でした。

【課題文】
(a)友達が必要なのは、人がまだ一人前になっていないから、独り立ちしていないから、お子さまであるからではないか。自分のことは自分できちんとできる人は、友達なんか必要としないのではないか。
People need friends probably because they have not become adults yet or independent, and they are childish. I guess people who can deal with troubles properly by themselves do not need any friends.

※日本語は主語が省略されている。人(S’)が友達を必要としない(V’)理由は(S)〜(V)となるため直訳すれば、The reason why people do not need friends is that 〜となる。間違ってはいないが、解答例のようにbecauseで繋ぐ方が英文構造がシンプルでわかりやすい。
※「からではないか」はprobably becauseとすることで表現した。
※「まだ〜してない」はhave not 〜yet
※一人前になる、独り立ちしていないはbecome an adults、be independentなどを使う。come of ageは成人になるの意味
※「お子さま」とあるのでchildではなくchildish子供っぽいで表現した。
※「〜ではないか」をI guessを使った。 I believe、 I thinkよりも当てずっぽう感がある。
※「自分のことを自分でできる」は「問題を自分で対処できる」に訳し変えた。troublesではなくdaily things日常的な出来事でも可。choresは家事。機械翻訳ではtake care of themselvesも解答例として可
※「友達なんか」のなんかをanyとした。

【課題文】
(b)人に頼らずとも生きてゆける能力が具わっていることは、望ましいことではあるだろう。問題はそのことー 自立 ー が幸福に結びつくか否かにある。
It may be desirable to have the ability to live by yourself without any help from others. The question is whether the independence leads to your happiness or not.

※「人に頼らず」は「他者からの援助なし」と訳し変えた。
※「〜だろう」には推量の助動詞をつける。may50%推量を基準にmightやcan, mustを使い分ける。
※疑問の意味の問題にはquestionを使う。解決すべき(社会)問題にはproblem。使い分けは頻出。
※「〜か否か」にwhether 〜or notを使う。
※そのことー自立ーはthe independenceとした。ー○○ーは「そのこと」を具体的に情報を付け足す際に使う記号。

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