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タイトルにそそられなくても超おすすめ!『イニシェリン島の精霊』

お疲れ様です。

えいがの党党首です。

今回は1月27日より公開された
『イニシェリン島の精霊』の解説アンド感想です。

あらすじ

舞台は1923年のアイルランドの小さな孤島・イニシェリン島。
気が良い男パードリックは、ある日長年の友人であったコリンに突然『もう話したくない』と言われる。
パードリックは半ば冗談だと思っていたが、コリンの今までとは違う言動に戸惑い、関係の修復を試みるのだが、、、

監督は『スリービルボード』で2017年アカデミー賞作品賞と脚本賞を獲得した、マーティン・マクドナー監督。
出演は主人公の2人をコリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン。
パードリックの妹をケリー・コンドン。島の変わり者をバリー・コーガンが演じています。

感想

映画冒頭で映る架空の島、イニシェリン島の風景にはとにかく圧倒されます。
木がない広い野原に、羊にロバと海に崖と、インパクトのある建築物がなくても、とてつもなく目に焼き付けられるロケーションが素晴らしかったです。

そんな平和な島で起こる、2人の男の”絶交の話”が、今作のイニシェリン島の精霊という映画です。

個人的にこの映画のすごい所は、3つの視点から見る事が出来るという点です。

まず1つ目の視点は、主人公の1人のパードリックの視点から。
もしも自分がある日、10年以上の付き合いがあり、毎日同じ時間に家に迎えにいき、一緒に酒を飲み交わしてきた友人から、突然と”絶交しよう”、と言われたらどうなってしまうのかを、パードリック視点と重ねて見れる点。

2つ目の視点は、もう1人の主人公のコリンの立場から。
長く付き合っては来たが、会話をしていても、いつも自分の話ばかりで、面白みのない友人と酒を共にしてきたが、年も取って先が短い今、彼とではなく、自分と向き合って、自分のやりたい事に時間を使いたいと思っているコリンと重ねて見る。

最後の3つ目の視点は、第三者としての立場から。
作品上だと、パードリックの妹と、島の警察官の息子のドミニクから。
身近な人が友人から急に絶交を言われ、落ち込む姿を見たり、喧嘩がエスカレードして行く様子を見て、どう手を差し伸べるのがいいのか。
これら3つの視点で作品を見て行くと、より身近な話として受け止めやすくなり、作中の人物達に気持ちを重ねて観れる作品です。

他にも面白かった点として、2人の会話劇に垣間見れるコメディだったり、コリンのある行動の衝撃はショッキングでしたね。そこまでしてもパードリックが嫌なのかと、、

また個人的にはバリー・コーガン演じるドミニクの絶妙な存在感が素晴らしく、
彼がいなくてもこの作品は成立するのですが、彼がいるからこそパードリックが気づく事だったりと、少ない出演時間で印象に残る演技が最高でした。
特にあの告白シーンの表情とセリフの言い回しは、アカデミー賞の助演男優賞ものです。ぜひご注目ください。

タイトルだけだと、少し手が伸び難いのは、私もそうだったのでわかります。
固く重そうなタイトルですもんね。

ですが、上記で説明した視点を意識付けていただいてから、劇場に足を運んでいただければ、観やすい作品ですので、是非とも劇場で観てほしい1本です。
おすすめは1人ではなく、2人3人と複数人でご覧いただき、鑑賞後にカフェなんかで感想を話し合う事が、この作品をより一層、味わいを出してくれる映画だと思いますので、お近くの劇場へ行ってみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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