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(23)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~


 お手紙、つづきです。
 
 「家にある本で、デジタル漬けになる前に『読む』習慣を」
            ・・・というお話をしています。
 
 低学年までは動画やゲームがなくても家で楽しく過ごせます。
 「みんな見てる」「そういう時代」は少し横においといて・・・
 読む楽しみとすんなり出会える時期を大切にしたいなと思います。
 
               
・お手紙(22)はこちらからどうぞ。
(22)5歳頃から〝積読本〟と暮らすことが「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)
 
 
 今日は

「膝から降りたら、次は子が『読み』親に『聞かせる』側になる」

                    ・・・というお話です。
 
  さて、シオリさん。
 
 本好きな子にするためには、読み聞かせがいい・・・という話って、よく聞きますよね?
 シオリさんも、読み聞かせを頑張っているという話を、子育てサロンで会った時にしてくれたと思います。
 
 でもその反面、じつはけっこう
「読み聞かせはたくさんしたのに、我が子は全然本好きにならなかった」・・・という体験談も、けっこう耳にするんです。


 ーーシオリさんは、どうでしたか?

 
 もちろん読み聞かせは、子どもにとってもパパ・ママの愛情を感じられる嬉しい時間ですし、素敵な習慣だと思います。
 本を好きになるキッカケにもなるでしょう。
  
 けれど、1日10冊読み聞かせたからと言って、絶対に本好きになるとは・・・限らないですよね。

 
 私は、本当に個人的な思いとしては・・・
 この先子どもが絵本から児童書、そしていろんな本を読むようになるためには、やっぱり

子ども自身が「文章を読む」習慣を身に付けることが肝心

 だと・・・思っています。
 

 「愛情を与える」「本を好きになってもらう」という、ある意味ふわっとしたものではなく・・・「文章を読む」という具体的な習慣です。


 ・・・いえすみません! 誤解されてしまうと悲しいのですが、
 「愛情を与える」「本を好きになってもらう」・・・は、絶対に必要な土台なんですーーですが、「その先の具体的な行動・習慣」が必要なんじゃないか、という思いからこのお話をしています。
 

 それはやっぱり、
 読むものが「絵本」から「児童書」に少しずつ移行していく・・・という流れです。  
 これは、我が家の長女にはとても効果がありました。

 絵本から、児童書・・・。
 最初は、とても似ています。

 児童書のなかでも字が大きくて、挿絵がたくさん入ったものは、子どもにとって絵本と印象が変わりません
 そういうものを少しずつ取り入れて、さりげなく読む本の文章量を増やしていきます。 
 そうなると結局、お手紙(7)から(11)くらいのお話に戻りますね・・・。
 よかったら、もう一度読んでいただけると嬉しいです。


 さて、  

日常的に読んでいる本を、意識して絵本から児童書に転換

する。これは、具体的なテクニック

 だと思います。
 

 すると子どもは、最初はおとなに「読んでもらって」いますが、
「文章で構成された物語」に興味を抱くようになると、だんだんパパやママの膝に座りながらも、「物語を自分で読む」ようになっていきます。
 
 するとだんだん、

「人に声を出して読んでもらうより、自分で読んだほうが早い」

ーーと感じるようになっていくんですね。


 子どもは日々、おとながびっくりするスピードで成長していますし、ひとつの習慣を続けると、かならずある時点でステップアップしますよね。


  読んでもらうことで「甘えられる」という思いから、「この話どうなるの?」という思いに変わっていくので、ある時点になると「もう自分で読むね」ということになります。

 
 だって、ハリー・ポッターのような長い物語を読み聞かせている親って、いないと思いませんか?(極端な例ですが)
 ーーいやいや無理・・・ですよね。

 
 子どもにとって、本というものが

 「親に甘えて愛情や安心感を得るもの」から、
 「おもしろい物語を知りたい気持ちを叶えてくれるもの」

 ーーに変換されると、

 読み聞かせをしていたら子どもが「読む子」になったーーという具体的な行動の変化に結びついていきます
 

 私自身、長女にも次女にも読み聞かせを頑張っていた記憶はあるのですが、本当にいつからか、気づけば子ども達は自分で本を読んでいました。

 ――いつからだったのでしょう? 
 ――笑ってしまうほど、思い出せません・・・。

  けれどある時「本は自分で読むもの」という転換があったのでしょう。 
 コップから突然水があふれるように、そうなったのかもしれません。
 

 では、

読み聞かせをしなくなると、愛情の交換はなくなるのでしょうか?
 ーーいえいえ、もちろんそんなことはないですよね。


  そもそも、読み聞かせを習慣的にしていない親子だっているでしょうし、だから愛情が不足しているとは、まったく思いません。
 

 愛情表現は、人それぞれ、親子それぞれ、家庭それぞれ。

 
 ただ、ここで「読み聞かせ」「読書」に話を戻すと、読み聞かせを卒業したら、もう親子で本を通した愛情表現はできなくなるのか・・・と思う方もいるかもしれません。
 

 私は、子どもが「自分で本を読む」ようになったら、
そこからは言葉と心を使って、本を通した愛情表現ができる
と考えています。
 

 具体的には、

お膝を降りたら、次は子どもが本を「読み」、親に「聞かせる」側になる

 ーーということです。
 
 
 子どもが自分で好きな本を読むようになると、その子によっては親に
「ねぇねぇ今、こんな本読んでるんだ・・・」と教えてくれるかもしれませんよね。
 
 その時親は「どんな本?」「どんな話?」「どこがおもしろいの?」と、聞きます。
 
 そうして子どもが話してくれたら、それをしっかりと聞きます
 

 また、子どもから話さなかったとしても、何かを読んでいたら、タイミングを見て「ねえ、今どんな本読んでるの? よかったら教えてくれないかな」・・・と、聞きます。

 そして、子どもは読んだ内容を、話します
 そして、親は聞きます。ゆっくりと。

 
  これが

大切なコミュニケーションーー読み聞かせの次のステップ

だとーー私は思うんです。


 子どもが「読んだ本の内容」を自分の言葉でアウトプットすることで、語彙力や表現力や文章力も高まるかもしれませんし、それを親が聞いてあげることで、読み聞かせと同じくらい子どもは愛情を感じられる・・・と私は信じています。
 なんだか物足りなければ、その都度ぎゅっと抱きしめたり、頭をなでてあげればいいかもしれませんね。

 自分の話を聞いて、親が笑顔を見せてくれる、喜んでくれる・・・子どもにとって、とても嬉しいことでしょう。
 
 こういう習慣があると、子どもは親がさりげなく用意した児童書を、絵本の延長線上として楽しく読んでいくのでは・・・と思います。

 それが、私の思う

「読み聞かせの確かな延長線上にある、子どもの読書習慣」

 ーーです。 
 
 
  お手紙、続きます。

  次は、私達は知識だけでは幸せになれない・・・というお話をしたいと思っています。
  
 
〈「ママの膝大好きだけどこれからは自分で読むね」という名の卒業〉


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