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龍の湧き水で喉を潤した日

福島県磐梯町は、かの会津磐梯山の伸びやかな山麓に広がる自然豊かな町です。

あ、この写真は、お隣の猪苗代町で撮ったものですけど

町内のあちこちから清水が湧き、滝が注ぐ「名水のまち」としても知られています。

中でも、わたしが大好きなスポットは、「龍ヶ沢湧水(りゅうがさわゆうすい)」と名づけられた歴史ある清水です。
「道の駅ばんだい」からほど近く、それでいて神秘的な山水の気配を感じ取れる、類いまれな場所。
加えて、ゆっくりめのペースで歩いても、駐車場(史跡慧日寺跡の駐車場を利用)から1時間足らずで往復できる、初心者に優しいトレッキングコースとなっています。

日本名水100選に選ばれた磐梯西山麓湧水群。

なかでも、龍ヶ沢湧水は代表的な湧水で、猫魔山系の火山活動によって出来上がったといわれています。

巨石の間からこんこんと湧き出る湧水は、旱魃(かんばつ)に際しても決して枯れることがないと言われ、江戸時代には会津藩の命により、大規模な雨乞いの儀式が行われた場所でもあります。

また戦前から戦後にかけて龍ヶ沢での雨乞いは龍のおとし子と五穀をあげ、僧侶が読経を行ったといわれています。

この湧水は、磐梯山慧日寺資料館の庭園に引水されており、自然水愛好家の名所となって、給水する人々でにぎわっています。

磐梯町ホームページ より

では早速、龍ヶ沢湧水へ向かってみることにしましょう!

心洗われるような青空の下、出発!
すると、いきなり……
そうなんですね、やっぱり……
でも、胸いっぱいに吸い込む空気は気持ちええ!
だんだん下草が深くなって
森の影も濃くなって
ヤマアジサイが綻ぶ季節

小さな沢水を飛び石伝いに渡ったり、ときどき立ち止まっては首周りの汗を拭ったりしながら、緩やかな勾配の山道を登ります。
シャワシャワシャワシャワと聞こえてくる水音が、森の奥に隠れた清水の在処を教えてくれます。

地元の小学生たちの遠足かな?
龍ヶ沢湧水の全景です
まるで「もののけの森」

龍ヶ沢湧水の水は、弱酸性の軟水で、各種ミネラルがバランスよく含まれているとのこと。
こんこんと湧き続ける清水を眺めながら、水筒に汲んだ水を口に含み、喉を潤せば、

「ああ、水って、こんなにも美味しかったんだ!」

と驚くこと請け合いです。

会津盆地を見晴らしながら、初夏の風に苗を揺らす田んぼ。

蔵人が醸す清き酒。

世界にその名を轟かすカメラ・レンズメーカーSIGMA。

どれも磐梯山麓の水の恵みがもたらした宝物だな、と感じ入るのでした。

(訪問日:2023年6月7日)


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