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「小鳥の森」で「ことりっぷ」!?

身近にある心揺らす自然へ。
革靴をスニーカーに履き替えるだけで満喫できるネイチャートリップのお誘いです。

1 小鳥の森へ

福島市民の憩いの場「小鳥の森」
市の中心部から車で15分ほど、阿武隈川を渡った先の小高い丘に、四季折々の表情に彩られた自然のサンクチュアリが待っています。

小鳥の森は昭和58年に、日本初の自治体設置の森林型サンクチュアリとして開園しました。

阿武隈高地の西端に位置し面積は約52ヘクタール、標高60から250メートルの丘陵地の園内には総延長約5.5キロメートルの3つの散策コースがあり、環境省の「日本の音風景100選」にも選ばれた環境は、小鳥の声を聞きながらの散策に最適な場所です。

園内にはネイチャーセンター・観察小屋などがあり、夏にはキビタキやサンコウチョウ、冬にはツグミやジョウビタキ、そして年間を通してアオゲラやシジュウカラなどが観察できます。

また、小鳥の観察や散策以外にも、ネイチャーセンターや炭焼き小屋などで様々な行事をおこなっています。

福島市ホームページより

わたしもときどきカメラ片手に訪れては、美しい木々や花々の撮影を楽しませてもらっています。
「日本初の自治体設置の森林型サンクチュアリ」だったとは、今回調べてみて、初めて知りました。
40年もの間、大切に維持されてきた場所なんですね。

それでは道路標識に従って進んでみましょう。
丘の中腹には、未舗装ではありますが、広々とした駐車場があります。

好みの場所に車を停めたら、足の向くまま気の向くまま、のんびりウォークの開始です。
そうそう。
今日はことのほか日差しが強いので、帽子と水筒を忘れずに、と。

大きな看板と利用案内が出迎えてくれます。

むせ返るような5月の緑も。

真っ白なヤマボウシが満開でした。中でも、この一枝は見事!

これって、もしかして、サクランボ?

青いトタン屋根は炭焼小屋。現役みたいです。

やがて、道は傾斜を強めながら、木陰の奥へ。
ひっそり佇む沼が目に入ります。
「お春沼」というのだそう……由来が記されていますね。

うーん...……とても悲しいお話です。
人々の心に刻まれた伝承が、この沼の景色とともに、代々受け継がれてきたのですね。

2 ネイチャーセンター

お! ネイチャーセンターの建物が見えてきました。
休憩がてら、中に入ってみましょうか。

大きなガラス窓越しに季節ごとの野鳥を観察することができます。
頑張って瞳を凝らしてみましたが...……。

声は聞こえます。
あちこち飛び回る小鳥の影も、肉眼では確認できます。
でも、望遠レンズや双眼鏡を持っていないと、しっかり見分けるのは困難ですね...……。

帰宅後、写真を拡大してみたら、ここにいました!
しかし、何という種類の鳥かまではわかりません。
その場でネイチャーセンターの職員さんに確かめてみればよかった(反省!)。

その代わりと言ってはおかしいですが、帰り際、疑問に思っていたことを一つ、質問したのでした。
最近、自宅の近くで、頭から背中にかけて青い羽毛に覆われ、大きさはスズメよりずっと大きく、カラスよりは小さい、とても綺麗な声でさえずる鳥を見かけたのです。まさかカワセミやオオルリが、車の往来や人通りの多い住宅街にいるはずもなく。
「その鳥は電線にとまっていましたか?」
わたしがうなずくと、
「それはきっと...……」
受け答えくださった職員の方は、そう言い残して書棚に向かい、すぐにハンディな図鑑を開いて戻って来られました。
イソヒヨドリですね」

イソヒヨドリは、もともとは海岸の岩礁地帯をすみかとしていたのが、近頃では内陸にも進出して、都市部のビルを岩壁に見立てて暮らしているとのこと。
「去年、福島駅近くのマンションで目撃例がありましたよ。わたしも先日、山梨県の河口湖で見かけました」
ふむふむ。
鳥も生き残るために、さまざまな環境に適応しようと懸命なのですね。
そのほかにも、イワツバメがコンクリートの高架橋下などで大規模なコロニーを作って繁殖しているとか、福島市内の商業ビルでハヤブサの営巣が確認されたとか、興味深い話題を教えていただきました。
ちなみに、
「ハヤブサは餌は何を食べているんですか?」
と尋ねたところ、即座に、
「ハトです」
と返ってきて、ちょっとのけ反ってしまいました。
ハト、たくさんいますよね...……人間の目には残酷に映る生存競争も野生の一面です。

ガイドブックをいただきました。

3 「カワセミの小径」を辿る

「小鳥の森」の園内には、いくつもの散策路があります。
「シジュウカラの小径」
「カワセミの小径」
「ホオジロの小径」

その中から今回は「カワセミの小径」をセレクト。
個人的にこのルートの景色が大好きなんです。

蛇と鉢合わせしたりしないか、おっかなびっくりですが、下草はしっかり刈られているので、きっと大丈夫!

「棚田」..……?

森に囲まれた谷筋に、秘密の隠れ家のようなビオトープが作られています。

早速トンボ発見!
きみはシオヤトンボ? それともオオシオカラトンボ?
「どうしてこんなところに..……弱っているのかな?」
と思いつつ近寄ったら、音もなくヒュッと飛び去りました。

蛇苺。
水草。
野薊。
ああ、初夏だなあ...……。

水面の波紋はアメンボ?

見るからに怪しい雰囲気のキノコ氏。

木の間にちらりと顔を覗かせているのが「五本松沼」ですね。

今日も素敵な時間を過ごさせてもらいました。
汗でシャツが湿ってきたので、そろそろこの辺りで引き返すとしましょう。

繊細な自然の光景は、自然そのものの力と、人の手の両方によって、密やかに守られ、育まれています。

ありがとう、小鳥の森。
また来るね。

note「#わたしの旅行記 with ことりっぷ」企画に語呂合わせ&応募の

「小鳥の森」で「ことりっぷ」!?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(訪問日:2023年5月31日)

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