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錦秋へ

秋に染まった景色を切り取りに、ちょっと山まで。
ここは福島県福島市。
猪苗代町へと抜ける旧土湯峠のクネクネ道です。
市街地からクルマで30分も走れば、もうこんな景色が。

立派なブナの木です。道路のすぐ脇に立っています。

ちなみにこの付近は、知る人ぞ知る秘湯銀座でもあります(気になる方は以下のリンクをどうぞ)。

陰る山肌に向かって何度もシャッターを切る。

「錦秋」といえば、宮本輝さんの小説「錦繍」が思い出されます。書簡体小説の傑作です。
今はもう、あまり読まれてはいないのかな。何しろ昭和の小説ですからね。
秋。山形蔵王。ドッコ沼へと向かうゴンドラの中で、別れた夫婦が偶然出会ったことから始まる、しみじみと心に沁みる物語です。
男女が長い手紙をやり取りするのって、刊行当時(1982年)ですら、非常に古めかしかったと思うんですよ。どこか非現実的でさえあるし。
でも、手紙だから書けること/書けないことを上手く利用しながら、読者をさまざまな場所や時間に誘う筋立ては、きっとこの形式でしか実現できないだろうな、と。フィクションの面白さですね。

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