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#植物図鑑 『総集編』

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IPHONE片手にフィールドで撮影した色んな植物を掲載。 植物のもつ魅力的なデザインと同時に、その生態も紹介。
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#六甲高山植物園

RAGGED ROBIN

RAGGED ROBIN

ラッゲド ロビン
(RAGGED ROBIN)

ナデシコ科、マンテマ属、カッコウセンノウ種

ヨーロッパ全域の水際や湿原などを原産とする
多年生植物で昔は多数の群生が見られたものの
現在では残念ながら年々その範囲は狭められて
個体数が減っているものである。

和名の郭公仙翁(カッコウセンノウ)もだが
学名のリクニス フロスククリとついた名前も
郭公(カッコウ)が鳴く時期に花が咲く事に
なが由来す

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川緑

川緑

川緑 (カワミドリ)

シソ科、カワミドリ属に属する多年生草本

カワミドリは東アジアを中心に分布しており
日本、中国、韓国に自生。湿地や川辺などの
比較的湿った場所に生息する植物。

草丈は50〜150程度に成長する多年草で
茎は直立し、断面は四角形で毛が生える。

夏から秋にかけ、茎の先端や葉腋から小さな
穂状の花を咲かせる。花色は淡紫や白が多く
観賞価値の高い植物である。

カワミドリは、か

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蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

紫陽花(アジサイ)、これらの開花時期は8月
半ば過ぎの今はとっくのとうに終わっている
ものだが、他品種と開花時期を大きくずらし
咲くものがある。それも蕾の全体がベールで
包み込まれているという、他のアジサイでは
見られない珍しい特徴をもっている。

玉紫陽花(タマアジサイ)

その名の由来となるのは、開花前のツボミが
玉状のベールで、固く包み込んでいるその姿
によるもの。他のアジサイが咲き誇る時期

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禊萩

禊萩

禊萩 (ミソハギ)

フトモモ目、ミゾハギ科、ミゾハギ属、
多年生である。

まっすぐに伸びた茎に、7〜9月に掛けて
紅紫色の花が沢山咲くもので美しいもの。

この花のついた一枝を、盆の供物として水を
掛けて浄める風習があったことから、これを
『禊萩』 (ミソギハギ)と呼んだのが由来となり
それを略し『ミソハギ』と呼ぶ様になった。

お盆になると帰ってくる仏様は、ミゾハギの
露しか口にしないとも言

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水無月

水無月

水無月 (ミナヅキ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属、の
落葉低木の糊空木(ノリウツギ)となる。

製紙を作る際に、この植物の樹皮から採れる
粘液成分がつなぎの糊に使用されてきた事が
ノリウツギの名の由来。

そんなノリウツギの仲間でありながら開花の
時期が遅い品種が『水無月』と呼ばれる。

『水無月』は旧暦の6月に当たるものであって
今の時代では7月を指すもの。梅雨が過ぎた
後の水の無い月を

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三葉空木

三葉空木

三葉空木 (ミツバウツギ)

ムクロジ目、ミツバウツギ科、の落葉低木

日本では北海道から沖縄までの全土に自生し
小葉が三枚並ぶ姿と、中空の枝という特徴と
花が空木(ウツギ)に似るという事が名称の
由来となっている。

新芽、若葉、蕾などは春先から初夏の食用
へと利用され、若葉は胡麻油(ゴマアブラ)
に似た風味をもつ。米不足の年には、この
葉の粉末をお米に混ぜて増量にも利用した為
米々(コメゴメ)

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VERATRUM

VERATRUM

ベラトルム (VERATRUM)

ユリ目、シュロソウ科、シュロソウ属

ちょっと前に、園芸品種販売業者の取扱品種の
ひとつとしてこの植物が紹介されていた。

読み進んでいった後に、結構肝心なことなどは
紹介されていないのだなと思ったのである。

そのひとつ目は、この植物の毒性に関する表記が
一切なかった事で、こちらについてはスイセンや
スズラン、ヒアシンスなども有毒であるものだが
これらも表記は

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夕菅

夕菅

夕菅 (ユウスゲ)

ワスレグサ科、ワスレグサ属、ユウスゲ変種
の多年生植物となる。

名称にある通り、これは夕刻になると花開き
翌朝まで咲く一日花となる。この花の色素は
アントシアニンを含まない事から赤や橙には
ならず、優しい檸檬色の花々を斜め上向きに
咲かせ、強い良い芳香を放つ。

花の色素が派手でないのも、強い芳香を放つ
のも、夕刻に花が咲くのも、受粉媒介の役を
夜行性のスズメガに委ねている

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サワギキョウ

サワギキョウ

沢桔梗 (サワギキョウ)

キキョウ目、キキョウ科、ミゾカクシ属

多年生植物で、日本、朝鮮、中国を原産とする。

キキョウに分類する植物で、名にもある通りで
水辺にしか自生しないもの。

夏の緑の茂る中、その紫は本家の桔梗のそれより
鮮やかで貫禄がある。

花言葉の『悪意』は、この植物が持つトリカブト
に匹敵する猛毒を表した言葉となる。

和名 沢桔梗 (サワギキョウ)
   丁子菜 (チョウジ

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VENUS FLY TRAP

VENUS FLY TRAP

ビーナスフライトラップ
(VENUS FLY TRAP)

ナデシコ目、モウセンゴケ科、ハエトリグサ属

食虫植物でも最も人気の高い、ハエトリグサ。

その捕虫トラップ起動が視認できる点が人気の
源となる。

二枚貝の形をしたその葉の内面には感覚毛が
三本生えており、中に侵入した虫が起動部に
二度触れる事で瞬時に二枚の葉は閉じていく。

このトラップの恐るべきは、ビーナスの睫毛
と呼ばれる長い部分

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アリマウマノスズクサ

アリマウマノスズクサ

有馬馬ノ鈴草
(アリマウマノスズクサ)

コショウ目、ウマノスズクサ科、ウマノスズクサ属

以前も記事に書いた植物だが、牧野富太郎博士の
チームで発見し、ネーミングをされた事で有名に
なった植物である。

このアリマウマノスズクサは、アリストロキアと
呼ばれる植物群に分類されるもので、特殊な性質
を持つものである。

花の写真を載せているが、一見すると不気味系で
妖怪じみた外観をもつ花姿である。

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ウバユリ

ウバユリ

姥百合(ウバユリ)

ユリ目、ユリ科、ウバユリ属、の多年生植物

花が咲く頃になると、葉がどんどん落ちていく
その姿に準え、歯が落ちていく姥を見立てたと
いう、ネーミングした者は、トンチが効いてて
面白い名をつけたと思っていたのではあろうが
今の時代、笑えない名である。

このユリの特徴としては、花はスラリと長いが
潰れた感じで、大きく開くものではない。

これの春先の若芽、冬場の鱗茎は食用にもな

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丁字草

丁字草

丁字草 (チョウジソウ)

アメリカ原産の一年生、多年生の植物で
リンドウ目、キョウチクトウ科に分類、
山間部、河川の茂みなどに自生する。

日本へは鑑賞目的で流通するもの。

鮮やかな新緑の季節の中、ひんやりとした
淡い青がとても美しい花である。原産国で
ブルースターの愛称で呼ばれる美しい花は
蝶が好んで蜜を吸いにくるものとなる。

全草にアルカロイド系の毒を有するので
取り扱いには注意が必要と

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キイジョウロウホトトギス

キイジョウロウホトトギス

紀伊上臈杜鵑草
(キイジョウロウホトトギス)

ユリ目、ユリ科、ホトトギス属

この植物は急勾配の傾斜地や崖などに於いて
真価を発揮する植物となる。

長く伸びたその茎を咥え込む様に葉が生えて
また花も沢山が茎に吊り下がる。

『山里の貴婦人』の名で呼ばれるこの植物は
花の季節は当たり前に美しいのだが、葉姿も
独特の美しさがある。

和名 紀伊上臈杜鵑草
   (キイジョウロウホトトギス)
学名 

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