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心のnote|エッセイ・創作

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「きっと、誰にも、聞こえない。」 そんな心をふと、垣間見る。
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#選択

みんな選択肢を欲しがっている

もしも、定食屋にメニューがなかったら、
ある材料でなんでも作ってくれたら。

たぶん、そこは流行らない。そのくらい、食べたいものなんて、
選びたい未来なんて、曖昧だ。

「とりあえず生で。」も
「この店のおすすめは?」も。

美味しいものが食べたいし、
いい選択はしたい。

けれどもそれらの意思決定は
あくまで提示された選択肢からしか
なされない。

「まだここにない」を
選ぼうとする人は、
圧倒

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本当に満たされるのだろうか。

本当に満たされるのだろうか。

雨が降って、靴がぐしょぐしょで不満。

電車で1駅分乗り過ごして遅刻。
会社に行きたくなくなる。

時間がなくて焦っているのに
先行く人が横並びでだらだらと喋っている。

些細なマイナスは、
どこまでいっても僕の思いに過ぎなくて。

けれども同じくらい小さなことに
プラスを感じることもある。

今日は買い物に行った。

好きな音楽に出会えた。

懐かしい映画を思い出した。

なんでもない1個の点を

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ここではないどこかを、僕たちは探している。

ここではないどこかを、僕たちは探している。

満足する度、コンマ1秒前までの願いが
ただの日常と化す。

気がつけば、あれほど望んだ場所でさえ、
空を仰ぎたくなっている。

そのくせ、失うのが怖くて。
それでいて、手のひらには何もなくて。

永遠に続くトンネルが視界を奪う。

あてどない日々と
果てしない幻に揺り動かされ、
空気が抜けて僕らはしぼむ。

ふくらむにはあまりにも年老いてしまった。

だから僕は、

風船を飛ばすHeになる。