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子育てをしながら働く選択肢が増えたいま、生き方の選択をサポートしてくれるコーチが必要だと思うんだ

6月3日、育児・介護休業法の改正法案が衆議院本会議で成立しました。これは子育てをしながらでも仕事を続けられるような環境を整える法律のことで、改正によって男性の育児休業が義務化されることとなりました。

個人への呼びかけから、法律化して企業に働きかけるのは大きい


義務化といっても強制的に男性従業員に育休を取得させるわけではなく、事業者が従業員に育児休業制度や内容の説明を義務化するという意味です。聞くところによると「うちには男性の育休制度はない」と主張して男性従業員に育休を取らせない事業者がいるみたいですが、実は育児・介護休業法では、

事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない(第六条)

としていて、原則として申し出を断れないことになっているんです。

とはいえ、「男は仕事をしていればいいんだ!」との考えを持った経営者や上司のもとで「育休を取ります!」とは宣言しにくいですよね。なので法律化されたことで、男性が家庭を優先しやすくなりますね。

これまで政府はイクメンなる言葉を使って男性の家庭進出(この言い方がいいかわからないけど)を後押ししてきましたが、個人への呼びかけレベルに終始していました。ところが今回は法律化で企業に対して一定の強制力を発揮できる利点があります。

2回に分けて育休を取れるので、夫婦で子育て分担がしやすくなる


改正育児・介護休業法の男性版育休では、子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間の休みを取得できる「出生時育児休業」が新設されます。そのほか、育休を2回に分けて取得することもできるので、夫婦で協力して子育てをしやすくなります。モデルケースは厚生労働省の資料にあるので、ここでの説明は省略させてください。

育休制度

そのほか、一定の条件を満たせば育休中でも働くことができるようになります。改正育児・介護休業法は2022年4月から順次導入されます。

選択肢が増えることで、迷いも増えてしまうかも


子どもを持ちながら働くパパママにとっては働き方の選択肢が増えるわけですから、そのメリットははかり知れません!

しかし選択肢が増えることで、パパママが迷ってしまう可能性があると感じます。生き方、働き方の多様化は自分で選べる人にとっては利点が多い一方で、選べない、選び方がわからない人にとっては苦痛を生じます。

僕の両親はあるとき、こんなことを言っていました。

いまの若い人はいろんなやり方があって大変だよね。私たちのころは、就職して結婚して、子どもを持ったら夫が仕事をして妻がそれを支える生き方が当たり前だと思っていたし、それしかないと信じていた。周りもそうだったしね。自分の生き方はこれでいいのか?と考えることがなかったのは、楽だったかもしれない

自由って、選択したことへの責任が伴います。なので自分で決められない、決め方がわからない人にとっては負担になってしまう。

これからは、いやいますでに、正解を見つけるのではく自分たちの正解を見つける社会に変化しているのと僕は感じます。ことに育児って、正解がない。そのことは、約4年パパをやってみて思います。

法改正で焦点となっている男性育休も、正解とは限らないのです。法律化されている、社会的に取得する気運が高まっているからといって、育休を取得する必要はないんです。それが夫婦納得のうえでの選択であれば。

正解にとらわれると、身動きが取れなくなる


便利になって、どんどん選択肢が広がっていく中で求められるのが、ビジョンを描いて適切な決断をする力ではないかと僕は感じます。もっと平たく言うと、想像力がかなり必要だと思うんです。でも僕を含め、たぶん多くのパパママは学校で記憶力を試されてきたはずです。正解はあらかじめ設定されていて、それを探る。

たとえば化学なら、なぜ化学式を学ぶのかという目的を考えたり、学んだ化学式を生活にどう活かすかを想像したいるする機会はほとんどなかったと思うんですよ。テストの点数を取るために必死に覚えましたもん。

正解を求めすぎてしまうと、決断するときに「どっちかが正しくて、どっちかが間違っている」と思うようになってしまいそうです。僕はずっとそれが真理だと思ってきました。でもパパとして働き方も生き方も、子育ても夫婦関係もいろんなことがあってどうするかを考えてきた中で、正解にとらわれることで、身動きが取りにくくなってしまうと感じるようになりました。

育休を取る、取らない、子どもを持つ、持たないもそうだけど、どれも正解なんだ。ただ、何を選択するかが違うだけ。働き方だってそう。僕ら夫婦は自営業を選択しましたが、それは僕らに合ったやり方であって、すべての人にふさわしいかはわかりません。

決断をサポートしてくれるコーチングが必要なんじゃないか


長男が誕生したばかりのときは毎日悩みっぱなしでした。当時僕は通勤のある働き方をしていましたが、妻の産後うつをきっかけに在宅メインの働き方に変えました。言葉にするとシンプルなものの、生活はガラッと変わりました。それまで平日の日中はオフィスにいたのに、いきなり家にいる暮らしになったわけです。午前11時にベビーカーに長男を乗せて公園を散歩したり、スーパーで買い物をしたりしている。嫌で仕方がなかったです。保育園の送迎も周りはママばかりの中に僕は入っていく。保育士さんから「ママはお忙しいの?」と聞かれて、うっ!と来ました。

僕の中では子育ては女性の担当だと決めつけていて、僕は手伝い程度でいいと思っていたんです。おそらくなのですが、まだまだ「男性は仕事、女性は家事育児」との役割分担を想定している人は多いのではないでしょうか。このライフコースはすべてじゃない、ほかの選択肢もあることを示すために男性の育休が急ピッチで推進されていると思うんですよ。

僕は想定していたライフコースから外れることが不快でした。いま思えば、それが最適だったし、自ら進んでコースを外れたおかげでいまの落ち着いた暮らしを手に入れられました。もし長男誕生後にライフコースにこだわっていたら、夫婦関係は破綻したと思います。でもフタを開けてみたら、わざと外れたことで新しい世界が見えました。

選択肢が多い世の中だから、子育てにしても、働き方にしても、いろんなアプローチがあるのに、特定のやり方に固執していたらせっかくの広い選択肢が活用できません。妻とたくさんぶつかって、悩んでどうにかしてきたけど、もし当時に僕らの話を聞いて、ビジョンを描く手伝いをしてくれて、適切な選択をするサポートをしてくれる人がそばにいたらどんなにいいだろうと思うようになりました。

コーチングっていうと自己実現のための行うイメージが強いですが、パパママにも必要だと僕は心から思います!!

何かと忙しいパパママだからこそ、じっくりと考える機会をサポートしてもらう


子育ては迷いの連続だし、仕事と家庭の両立をどうするか、子育ての方針、夫婦のコミュニケーション、双方の両親のことなど、たくさん考えることがあります。しかもですね、育児が始まるとそういったことをじっくりと考える時間が取りにくい。焦った状態では、いい決断はできません。しかしやること、決めなきゃいけないことはどんどんと押し寄せてくるという悪循環。アクションゲームで画面が動く強制スクロールステージをプレイしている感覚です。

一度立ち止まり、自分たち夫婦はいま何で困っていて、何があればその悩みが解消されて、将来どうなりたいのかを見つめなおし、言語化するサポートをしてくれるコーチの存在は、とっても心強いと思うんです。能力のあるなしではなく、やり方を知っているか知らないか。パパママにやり方を見出してくれるようなコーチがいたらいいなあ。

お読みくださり、ありがとうございます。

そのべゆういち
charoma0701@gmail.com

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