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大発見!Effectuation 5つの原則とイノベーションのDNA 5つのスキルの共通点


こんにちは、広瀬です。先日、「十分なデータがない時、リーダーはどう意思決定すべきか」と言うハーバード・ビジネス・レビューの記事要約と、そこで示されていた意思決定方法とEffectuationとの共通点について書きました。

上記Noteでは「イノベーションのDNA」と言う書籍を引き合いに出して、連想思考(上記Note参照)についてもコメントしています。今日はもう少し踏み込んで、イノベーションのDNAで提唱されている5つのスキルとEffectuationの5つの原則に共通点があることを偶然発見しましたのでシェアしたいと思います。世界中で、誰もこの共通点に気がついていないのではないかと思っています。

書籍:イノベーションのDNAとは?

「イノベーションのDNA」は、クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセンによって書かれた書籍で、成功したイノベーターに共通する特性や行動を探求しています。この本は、どのようにして個人や企業がイノベーションを促進し、持続的な成長を達成できるかについて具体的な指針を提供しています。このNoteでは書籍の要約はせず、焦点となっている破壊的イノベータの5つのスキルに焦点を当ててEffectuationの5つの原則との共通点を探ります。なお、これらの5つのスキルは、優れた起業家が革新的なアイデアを生み出すために必要な行動特性として重要視されています。

おことわり:
イノベーションのDNAでは5つのスキルを、課題発見や解決策発見などにこれらのスキルが用いられる、と説明しているため「5つの発見スキル」と表現していますが、このNoteではスキルのみに焦点を当てているため敢えて「発見」を削除しています。

イノベーションのDNAで研究対象の起業家

参考までに、書籍で研究対象となっている起業家を示します。ここに示す多くの起業家はSaras Sarasvathy教授のEffectuation研究対象にも名前を連ねています。

  1. スティーブ・ジョブズ(アップル共同創業者)

  2. ジェフ・ベゾス(アマゾン・ドットコム創設者兼CEO

  3. ピエール・オミダイア(イーベイ創設者兼会長)

  4. スコット・クック(インテュイット共同創設者兼会長)

  5. ハーブ・ケレハー(サウスウエスト航空共同創設者兼名誉会長)

  6. マーク・ベニオフ(セールスフォース・ドットコム創設者、会長兼CEO)

  7. マイケル・デル(デル創設者兼会長兼CEO)

  8. デイビッド・ニールマン(モリスエア、ジェットブルー創設者兼会長、アズール航空創設者兼CEO)

  9. イーロン・マスク(テスラ会長兼CEO、スペースX創業者兼CEO)

  10. インドラ・ヌーイ(ペプシコ元CEO)

イノベーションのDNA 5つのスキル

1.連想思考(Associating)

異なる分野やアイデアを結びつけ、新しいアイデアを生み出す能力です。イノベーターは、関連のない情報をつなげて革新的な発想を生み出します。

2.質問力(Questioning)

現状を疑い、新たな可能性を模索するための質問を投げかける能力です。イノベーターは、「なぜ」「なぜそうではないのか」といった問いを通じて深い洞察を得ます。

3.観察力(Observing)

日常の行動や現象を注意深く観察し、新しいアイデアを発見する能力です。イノベーターは、顧客や市場の動向を観察してニーズや問題点を見つけ出します。

4.実験力(Experimenting)

新しいアイデアやコンセプトを試し、学びを得るための実験を行う能力です。イノベーターは、プロトタイプや試作品を作り、反応をテストすることで改善を重ねます。

5.ネットワーキング力(Networking)

多様な人々と交流し、新しい視点やアイデアを得る能力です。イノベーターは、異なる分野や背景を持つ人々との交流を通じて、革新のヒントを得ます。

Effectuation 5つの原則

おさらいを兼ねて、5つの原則を要約して以下に示します。

1.Bird-in-Hand(手持ちの資源を活用する原則)

既に持っている知識、スキル、ネットワークを最大限に活用する。

2.Affordable Loss(許容できる損失の原則)

大きな利益よりも、許容できる損失に基づいて意思決定を行う。

3.Crazy Quilt(クレイジーキルトの原則)

他者とのパートナーシップを通じて、新しい機会を共に創造する。

4.Lemonade(レモネードの原則)

予期せぬ出来事や失敗を機会として活用する。

5.Pilot-in-the-Plane(飛行機のパイロットの原則)

自分でコントロールできる要素に焦点を当て、未来を予測するのではなく、自らの行動で未来を形作る。

共通点

Effectuation視点からの共通点を以下に示します。なお、これらの共通点は私の見解に基づくものであり、書籍や論文で発表されているわけではないことをご了承ください。Effectuation理論と『イノベーションのDNA』はどちらも、優れた起業家が不確実な状況下でどのように意思決定を行い、その結果どのような成功を収めたかを研究しています。この共通点が偶然に見えるのは、両者が起業家の行動と思考の本質を捉えているからではないかと考えています。

1.現有資源の活用

  • Bird-in-Handと連想思考(Associating)
    手持ちの資源を活用し、既存の要素を新しい形で結びつける点で共通しています。

2.リスク管理

  • Affordable Lossと実験力(Experimenting)
    許容できる損失に基づいて行動する点で、実験によってリスクを管理しながら進める姿勢と一致しています。

3.他者との協力

  • Crazy Quiltネットワーキング力(Networking)
    他者との協力やパートナーシップを通じて、新たな価値を創造する点で共通しています。

4.予期せぬ出来事の活用

  • Lemonade質問力(Questioning)観察力(Observing)
    予期せぬ出来事を機会として活用する点で、現状を疑い、観察し、新たな機会を見つけ出すスキルと一致しています。

5.自己のコントロール

  • Pilot-in-the-Plane連想思考(Associating)
    自分でコントロールできる要素に焦点を当て、既存のアイデアを新たに組み合わせて未来を創造する点で共通しています。

まとめ

Effectuationの5つの原則と『イノベーションのDNA』の5つのスキルは、どちらも不確実な環境下での創造的な意思決定とイノベーションの推進を目指しています。これらの共通点を理解することで、企業や個人はより効果的に新しい機会を見つけ出し、成功に導くことができるでしょう。また、イノベーションのDNA 5つのスキルに興味を持った方は是非書籍を読んでみて下さい。

皆さんの独立・起業や新規事業立ち上げの参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

P.S.
お時間があれば、是非ハーバード・ビジネス・スクール クレイトン・クリステンセン教授の「イノベーション」シリーズの書籍を読んでみて下さい。特に企業で新規事業立ち上げを担当されている方には参考になると思います。
1.イノベーションのジレンマ
2.イノベーションへの解
3.イノベーションのDNA
「Job理論」もお勧めです。
「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」は経営学者が書いた人生論として、私は結構感銘を受けました。

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