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何人もの占い師にかけてられてきたまじないが、今になって効いてきた

気まぐれに占いに通っていた頃、どの占い師さんにも言われることが一つあった。

「あなたは、教える仕事が向いていますよ」

それを聞くたびに、わたしは「えぇぇ、イヤです……」と漏らしていた気がする。その時は「あなたにはこの道しかありません」と言われているような気がしたからだった。


大学を出て、そのまま学校勤めをしていたけれど、今から考えても学校で働くことには適していない人間だったなぁと思う。気まぐれだし、時間外労働苦手すぎるし、規則正しい生活の真逆を行っている人生だし。校則みたいな、ルールを守るのも実はあんまりできないのよね。

それでも、担当した子たちはいつも可愛かった。つい「うちの」と付け加えてしまうような身内感を抱ける人に特別な気持ちを注いでしまうわたしなので、担当したクラスの子や、担当した学年の子は、そうじゃない子たちと明確に違って見えていた。完成した人よりも、頑張っている人に惹かれてしまうこともあり、いろいろなものを吸収して、毎日ぐんぐん伸びていく人たちの近くにいられるのは、とても魅力的なことだった。

そして、頑張っている人のためなら何でもしてあげたくなった。たいしたことはできなかったけれど、好きすぎる行事には人一倍やる気を出して「先生が一番頑張っていましたね」なんて書かれた手紙をもらった回数は数知れない。総合的な学習の時間のカリキュラムとか、当時の道徳とか、合唱とか、文化祭の装飾とか、よりよい自由研究の仕方とか、教科書にないものや0から生み出さなければならないものを、種からお子ちゃんたちと一緒に創り上げていく時間は本当に楽しかった。


そんなわたしも学校を出て、教育の世界を離れた。学校という場所にずっといると息がしにくくて苦しかったけれど、子どもたちと関わることや、一緒に何かを生み出すことが嫌いになった訳ではない。いつか形を変えて教育に携われたらうれしいなぁとは思ったけれど、そんな機会、簡単にめぐってくるものではなかった。


……と思っていた。少し前では。

インタビューとライティングの仕事をメインにしながら暮らしている中で、お受けするジャンルや業種みたいなものは問わなかった。面白そう!お手伝いしたい!と思えれば何でも「やります!」と手を挙げてきた。

それなのに気づいたら、今のわたしの仕事の半分以上は、「教育」と「エンタメ」が占めていた。いつの間に。気づいたときには驚いた。

しかも、教育の方は、ありがたいことにご連絡を向こうからいただいたものばかり。転職するときとか、業務経歴書書いていて「何でもやってきたけど、特出して書けるようなことが何かあるわけじゃない。教員のキャリアって、塾とか教育関係の転職じゃないと何の役にも立たないのかな」なんて思っていたのに。ちゃんと役に立ってるよ、ムダになんてなってないよって、あの頃のわたしに言ってあげたい。

あとはね、わたしが教育関係のお仕事をすると、喜んでくれる人がたくさんいる。教員をしていたんだ。教員として学校に戻るつもりはしばらくないけれど、別な形で教育には関われたらいいなって思っている。そう思っていたことを知っている人も、知らないであろう人も、関わった仕事を報告したときに一番反応がいいのが教育だったりする。

「やりたい」より「求められる」仕事をすることが幸せにつながりますって聞いたことがある。だとしたら、わたしにとってそれは教育関係のお仕事なのかもしれない。あんなに離れたいって思っていたはずなのに、なぜか今もいくつかの学校の生徒さんや、それに関わる先生たちのことをより魅力的に広めるためにどの角度からどんな言葉で紹介すべきか、めちゃくちゃ考えて過ごしている。何年もしてきたことを、形を変えて役立てて、喜んでもらえる。これって本当にありがたいことよね。おかげで、わたしを育ててくれた歴代の教え子さんたちにも胸を張れる気がしている。


さらにさらに、あぁもうこれは……と感じたのは、インタビューライターとしても教える仕事をさせていただくようになったこと。わたし、クラウドワークス社が運営する講座・取材ライティングコースのメンターするよ。わぁ。

「あなたは、教える仕事が向いていますよ」と言ってくれた占い師さんたち。わたし、その日はそれぞれの方に毎度いまいちな反応をしてきたよね。自ら探したわけでもないのに、気づいたらやっぱり教育に関わっていて「教える」状況になっている今がすごく興味深いし、散々言われ続けてきたので「だってわたし、教えるのめちゃくちゃ向いている性質もっているからな」と謎な自信すらあるよ。

・好きなこと
・得意なこと
・世界が求めるもの
・お金になること
の4つの条件を満たすと、それは「ikigai」になるそう。

頑張っている伸びしろのある人が好きで、人の魅力を見つけて伸ばす方法を自然と考えてしまうわたしにとって、「教えること」はきっとikigaiの一つに該当するんだろう。

そう思ったら、あと10日ほどでスタートを迎えるために待機している2023は、自分から「教育」や「教える」ができる機会を増やしていこうかなと思う。ひとまず、来年のやりたいことリストに加えておくことにする。



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