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カズと老子の言葉

ルヴァン杯1次リーグ最終節 浦和2―0横浜FC(19日・埼玉スタジアム)、横浜FCのFWカズ(三浦知良)が後半26分から途中出場し、大会最年長出場記録を54歳2か月23日に更新しました。この年齢でJ1の選手として試合に出場していることは奇跡的です。全世界を見渡してもいないはずです。

54歳であれだけ動け、プロの練習を日々こなせる肉体・精神力を持っていることが素晴らしいと思います。カズは、紛れもなく日本サッカー界のキングです。彼のこれまでのキャリア、たゆまぬ努力が、今の彼のブランドを育みました。特に近年は、プロサッカー選手としてのストイックな練習・生活にスポットが当たっています。食事管理、睡眠、体のケア、練習、オフのトレーニングは、プロ意識の塊とされています。

この『プロサッカー選手』という言葉について、私なりに定義してみます。私の思う『プロサッカー選手』の定義は、『試合でのプレーを観客に見てもらい、その対価としてお金をもらうサッカー選手』です。つまり、試合でのプレーがサッカー選手しての価値を決めるということです。

この基準をカズに当てはめてみると到底J1・J2のレベルにはありません。特に瞬発力・アジリティの無さは致命的で、他の選手の動きが倍速に感じるほどです。FWとしてプレーしていますが、FWは得点を決めたり、得点に直結するプレーを求められます。しかし、カズのプレーからは、そういったものが全く感じられません。最年長出場記録について、そのカテゴリーの水準を満たしたプレーが出来てこそ、本当の価値があるのではないでしょうか。

話題性・集客性という点で、カズが在籍することでクラブにメリットがあります。しかし、カズに出場・ベンチ入りの枠を使うことで、他の選手(特に若手)のチャンスを奪っていることになります。監督にも余計な気を遣わせてしまっているでしょう。チームの勝利に貢献するのがプロサッカー選手の役目です。カズのためにチームがあるわけではありません。

『本当のプロ意識』があるなら身の丈にあった場所でプレーすべきではないでしょうか。

クラブとしてもカズを切りたくても切り難いのではないでしょうか。日本サッカーのキング、一人の男として潔い決断を。

「功遂身退、天之道」
(功遂げて身退くは、天の道なり。)

中国の老子の言葉です。

仕事をやり遂げたらさっさと引退する。それが天の道である。それでも地位にしがみつくのは「天の道に反すること」と戒め、引き際を潔く決めることの大切さを説いています。

トップレベルから退いてもカズは、日本サッカー界の象徴です。そして、永遠のサッカー小僧として耀き続けて欲しいと思います。




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