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親子国内留学ー最終月の気づきー

2022年4月から1年間の親子での国内留学の記録。

年が明けてからは、飛ぶように月日が流れていった。
いろんな方から「寂しくなるね」「もっといればいいのに」と言っていただいたり、地域の高齢の方からは「せっかく慣れてきた頃にいなくなってしまうから」とお声をいただき、申し訳ないような複雑な気持ちにもなった。

期間限定だからと突っ走って、やりたいこと全部やろうと自分たちは意気込んで過ごしてきたけれど、ここに落ち着いて居をすえる特に高齢の方々にとっては、私たちのような存在は、いただくだけ頂いていなくなる身勝手な存在なのかもしれないとも、思えて。

心を開いて、やさしく受け入れてくださった皆さんにうまくいえないけれど申し訳ないような気持ち。

ここにきて、「遠くの親戚より近くの他人」という諺を身を以て感じた。
不便ののこる田舎ならではの、周りとの家族のような繋がり、助け合い。実際にここに住んでいるみなさんは、どこかで血の繋がった親戚同士だったりすることも多いが、それでも一切の身寄りのない私たちにも同じように心を開いて手を差し伸べてくれた。

1年は短すぎる。でも2年過ごしても、1年で得られたことの2倍にはならないことも事実。もう少しと名残惜しみあえる腹八分目のタイミングというのも、きっと人生においては大切なんだろう。

そして、これは終わりではなくて始まりなんだとも思っている。私たち親子がこの1年で蒔いたたくさんの芽、ここで出会った皆さんとの間に生まれたつながりの芽は、これからどんどん大きくなって、どんな形であるかはわからないけれど、生きている限りどこかで花となり、実となる瞬間がきっとあると信じている。

だから、この生活が終わるさびしさ、別れの辛さを感じながらも、ここで教えてもらったこと、気づいたこと、経験の数々を余すことなく次の場所で活かし、自分たちの人生を豊かにすることだけに注力するのではなくて、広く社会に貢献していくことが、せめてもの皆さんへの恩返しなのかもしれないと考える。

気をぬくと涙が溢れてきそうな瞬間がありすぎて、自分の感情に面と向き合えないから、1人になった時だけ、そっと心を顧みる。

去年の今ごろ、不安に苛まれていた自分を思うと、こんな素晴らしい1年が待っていたとは夢にも思わなかった。ただただ感謝しかない。何事もやってみないと分からない。どれだけ読んでも聞いても、それは全部だれかの話。自分で経験してみないと何も分からない。それだけは確信をもって言える。だからやってみたいこと、気になっていることは全部やってみよう。命のろうそくがまだ残っているうちに。好きかどうか、自分に合うかどうか試してみよう。リスクをマネージしながら、挑戦を続けよう。人生半分も過ぎたら考えている時間が勿体無い。やればわかる。やらないと分からない。それだけなんだ。

たくさん人生の意味を教えてくれたこの時間にありがとう。
母と娘。2人で過ごしたこのかけがえのない時間にありがとう。
あなたのたくさんの最高の笑顔を、一番近くでみられて本当に幸せでした。
私たちの選択を尊重して、寂しいのを我慢して行かせてくれた旦那さんにありがとう。

支えてくれた全ての皆さんにありがとう。


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