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悩んでいない人はいないのでは?『辞める人、ぶら下がる人、潰れる人』|育児にも言えること

コロナで生活様式にドラスティックな変化があった今年、仕事のモチベーションを保つのが難しかったり、組織としての質が下がったように感じる方もいっらしゃるのではないでしょうか。

MBAを取得した産業医が著者ということで、「今の会社組織が理想じゃないことはわかる。だけど、何をどう解決すればいいかがわからない」という混沌の整理をつけたくて、興味を持ってよみました。

何にでも言えることですが、「なんとなくうまくいかない」ときには、要因はひとつということはなく、いかに現状を因数分解して、それぞれの対処法を見いだせるか、ということにかかっていますよね。その現状を分析する視点がわかりやすく章立ててまとめられていて、実体験もあいまって「あーわかるー」「あの時こうだった!」など腑に落ちる感がとてもありました。

そして、会社ごとの<こういう人に長く働いてほしい>という人物像にリアリティと納得感があって、初めて施策は機能するということに、深く納得。

というのも、私は主人の香港への異動辞令に伴い、さんざん迷って会社を辞めていますが、まだ働きたい気持ちもかなりありました。辞めてしまう不安もありました。が、辞職した最大の理由は、「ライフステージの変化に伴って、会社として私に求められていた(と思っている)像から、離れてきている」気がしたためです。

だから、その像の大切さが尚更身に染みているのかもしれません。

これって、そのまま同じことが育児にも言えますよね。
会社組織と同様に、家庭でも、育ってほしい像をしっかり持って子供と共有することは、成長を促す上で欠かせない。

家族は同じメンバーでも、近しいメンバー(友人、先生)の“異動”もあれば、学校がオンラインになったり、行動が制限されるような“環境の変化”もある。そういう好む好まざるに関わらず変化していく物事に過度にストレスを感じることなく、自分のモードを保っていくことは、やはり意味があるなと、しみじみ感じた読後でした。

よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!