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辞めよう、と思ってからのこと

編プロに入社して、3年と少し。はっきりと辞意を意識したのは2年経った頃でした。

「辞めるわ」

同期にそう伝えた瞬間、めちゃくちゃスッキリした気分になったことを、今でも覚えています。

辞めようと決意した理由はたくさんありますが、まず、編プロの仕事の選択のなさ。そして版元の理不尽なマウント、会社の人々の向上心のなさ、上司の仕事の出来なさに嫌気が差したからでしょうか。

これ以上、私のエネルギーを無駄打ちしたくない。しかし、はっきりと辞意を自覚したものの、即断即決とはいかなかった。提出した企画が通ってしまって、本を作ることになってしまったのです。決まった時は歓喜でしたが、制作が進むにつれ、足枷だと思う日も正直あった……。

それから1年と少し。我ながら本当によく耐えたと思います。自分自身で選択した結果なので、今更恨み節などかましたくないですが。

しかし、私の上司はなかなか過去にこだわる方でして、自分がとってきたお仕事を、なかなか手放してくれない方なのですな。

過去、あなたがどれだけ頑張ったか。会社にどれだけの利益をもたらしたのか。私だって人間だ。そこにこだわる気持ち、全然理解できないとは言わない。

でも、会社の一社員として仕事をとってきた限り、その仕事は「会社のもの」。携わる人間を増やし、自分が居なくなった後も、変わらず仕事が出来るように環境を整えておくのが、会社のためではないのか。

こんな考えの私と彼女が相入れるわけなどなく。


「もーさー、そんなにこだわるなら、

全部自分でやれば?」


なわけです、はい。そういうやり取りが、今なお続くわけでして、いい加減精神衛生に良くないぞ、と。

そして今やっと、携わってきた本が手を離れようとしています。それでもなお、その本に付随する仕事がまとわりついてくるので、辞められるのは最短で年内、といったところ。

企画出したのは私だけど、プロモーションの案を考えるのも、営業の窓口に問い合わせをするのも、どうすれば売れるのかを考えるのも、え? 全部私なんです? みたいな。

しみじみ、「できる人は出版社の営業なんかしない」と言った同僚の言葉が身に染みます。確かにそうだ。どんだけ古い体制やねん、と。編プロにおいての出版の仕事だと言うのに、みんなハイパー非協力的。そりゃ、優秀な人から出ていくぞなもし。

なぜ、本が売れないことを「最近の人、本読まないから」と、読者のせいにするのか。
なぜ、やりたい仕事ができないことを、「編プロだからしょうがない」と片付けられるのか。

この会社の売上のためにやらねばならんのなら、この会社を離れるまで。やっぱり私はこの会社のためには生きていないので、やりたいことをやりたいわけです。

そんなこんなで、9月からぼちぼち転職活動を始めます。今日仕事を終えて、ふと、「今、母親に電話したら泣くかも。弱音吐きそう」と思い、これは考えを文章にまとめて吐き出さないとヤバい、と慌てて記事をアップしました。

兎にも角にも、目下私に出来ることは、自分が作った本を売り、編集者として名前に箔を付けること。
ーーとなると、やっぱり、年内いっぱいバリバリ働くしかないんだなぁ……。

果たしてどんな企業とご縁があるのか。公開できるところは随時、記事にできればと思いますです。

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