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編集者が思い出の取材を語る。事前準備は十分すぎるくらいがちょうどいい?|エディマートお茶会vol.1

こんにちは!エディマート入社2年目の織茂(おりも)です。

この度、エディnoteでふたつの新企画がスタートしました!ひとつ目は、入社1年目のありまによるエディマート座談会『5人の本』

そして、気になるふたつ目は…『エディマートお茶会』です!

こちらは織茂が仕事をする上で、気になっていることや悩んでいることをテーマとし、エディマートの先輩社員に編集業界のあれこれを語ってもらおう!という企画になります。

記念すべき初回のテーマは、「思い出の取材」。今回は3名の先輩社員にお集まりいただき、印象的だった取材取材で大切にしていることなどを話してもらいました。

さっそく、お茶会の様子をのぞいてみましょう。

お茶会メンバー>
水野さん:前職で企画・広報業務を担当するうちに自分自身で何かを作り上げたいという気持ちが芽生え、転職。2018年にエディマートへ入社。
恒川さん:大学生時代の冊子制作がきっかけとなり、編集に興味を抱く。在学中にエディマートにアルバイト入社し、2019年4月に新卒入社。
木村さん:前職の広告営業で伝えることの難しさや楽しさを感じ、編集職への転職を決意。2019年にエディマートへ入社。

お茶会のお菓子をご紹介

お茶会では毎回、参加者のなかから1名「お菓子係」を任命。お菓子係の方には、お茶会で飲むコーヒーに合うお菓子や、ほかのメンバーにおすすめしたいお菓子を選んでいただきます。

初回のお菓子係は、水野さんに決定!今回のお茶会のお供は、岐阜県恵那市に本店を置く『パティスリー GIN NO MORI』のクッキー缶「プティボワ」 です♪

水野:ここ数年、クッキー缶ブームのなか私もハマっていて。お取り寄せでも頼むことがよくあるんだよね。
 
『パティスリーGIN NO MORI』は、岐阜県恵那市の『恵那 銀の森』という施設内にあるお店なんだけど、1年くらい前から名古屋駅近くにあるミッドランドスクエアでも買えるようになって。このクッキー缶のおすすめポイントは、一番小さいサイズの缶でも11種類入っていること。クッキー缶はひとりで食べることが多いんだけど、そのときに種類がたくさんあるとすごく嬉しい!プレゼントとしても喜ばれるよ。

木村:クッキー缶が人気なんですか?

水野:人気だね。缶のデザインがオシャレだし、「リスがつくっている」というコンセプトがかわいくて。お菓子のなかには、「ドングリ粉」を使用しているものもあるよ。

恒川:リスがつくっているから、小ぶりのお菓子が多いんですかね。とってもかわいい~。

お茶会メンバーがうっとり見つめていた『パティスリー GIN NO MORI』の「プティボワ」は、お店の公式オンラインショップでも購入することができます。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

それでは、コーヒーとお菓子がそろったところでトークテーマ「思い出の取材」のお茶会スタートです!

思い出の取材は?取材相手の熱意が強く感じられたエピソード

木村:入社してすぐの頃は飲食店の取材が多かったのですが、そのなかでも一番記憶に残っているのは『東海Walker』の愛知県東海市バージョン『東海市Walker』で取材したパン屋さんです。

ご店主の自宅の一角にある小屋で営業しているお店に伺ったのですが、取材日の数カ月前にオープンしたこともあり、『東海市Walker』が初めての取材だったそう。

ご店主がすごく喜んでくださったのが印象的でしたね。取材ではお店に対する想いを存分に語ってくれましたし、何よりとっても丁寧に対応してくださったんです。この取材を通して、自分たちの仕事がお店やご店主の役に立てていることをとても実感できました。

恒川:「お店の良さを広めたい」って思ったんですね。
 
木村:思いました!飲食店の取材に関わらず、「これが好きでやってるんです」「これにこだわってやっています」という方の話を聞くのが好きなので、すごく面白かったです。
 
恒川:私も木村さんと似たような経験があります。それは、ぴあのムック本『美術館・博物館さんぽ(東海版)』で行った静岡県熱海市にある「MOA美術館」での取材のこと。

取材した日は、ほかの静岡県内にある美術館や博物館も回る予定だったので、朝の5時ごろに出発したんです。

朝が早かったのもあって、頭にモヤっとした感じが残っていて(笑)。でも、「MOA美術館」にある海が一望できるスポット「ムアスクエア」からの景色を見た瞬間、そのモヤモヤがパーッと晴れたんです!あまりの美しさに感動しました。そのとき、読者にぜひ訪れてほしいという気持ちが強くなりましたね。

もうひとつ印象的だったのは、広報の方の熱意です。その方は、「ここがすごく好きで、ここに入るために努力して就職した」という話をしてくださいました。誌面ではすべてを載せることはできませんでしたが、広報の方と出会い、より一層「しっかり紹介したい!」と思いました。
 
水野:これ良い本だよね~。
 
恒川:ありがとうございます!美術館や博物館によって見せ方をガラッと変えるなど、編集にもこだわってつくりました。水野さんの印象的だった取材は何ですか?

水野:ふたつあるんだけど…。まずは、自社メディア『エディマグ』での取材。本にまつわるインタビューを作家さんやタレントさんにしていて。そのなかで、一番印象的だったのは作詞家の児玉雨子さんです。

アイドルの曲やアニソンの作詞をメインに、作家としても活躍されていて。普段から言葉を扱っている方というのもあって、インタビュー中に使われる言葉の一つひとつが的確だった。
 
インタビュー原稿を書くときは、こちら側で適した言葉に直すことが多いんだけど、雨子さんの言葉はそのまま記事にできるくらい美しくて。取材後は、できるだけ雨子さんの想いを反映した記事を書きたいなと思い、いつも以上に気合いを入れて書いたのを覚えています。また、私自身も適した言葉選びを徹底していきたいと思えた取材でした。

木村:私も取材を通して、作家さんの言葉選びって本当に素敵だなと思ったことがあります。もうひとつの印象的だった取材は何ですか?
 
水野:お笑い芸人・石井輝明さんの『全人類に提唱したい世界一手軽な贅沢 おいしいコーヒーライフ入門』での取材かな。

一冊まるごと企画・編集に携わらせてもらえたのでやりがいを感じたし、本に掲載されているすべてのインタビューを担当できたのも良い経験になりました。
 
思い返せば、エディマートに入る前は「本を作りたい」「文章を書きたい」という漠然としたイメージを持っていたから、まさか取材ができるとは思っていなかったな。入社して「さまざまな年代や職種の方から貴重な話を聞くことができる」という取材の魅力を知り、今となっては私が仕事をする上でプラス要素になっています。

木村:私もそうかも。もともと私は「取材」という仕事に対して、タレントさんへインタビューするイメージしか持っていなかったです。でも実は、企業や飲食店などへも取材するということがわかって。なので、入社前の自分に「実際の取材はこうだよ」と伝えていれば、「やりたい!」って絶対に言うと思います。
 
恒川:私もみなさんと同じで、漠然と「本や雑誌を作ってみたい」という思いで入社したんですよね。編集だけではなく、自分で取材や執筆ができるなんて!と初めは驚きました。

取材で大変なことは?イレギュラー対応や準備段階での苦労

水野:取材で大変だったことか~。難しいね。いろいろな種類の大変さがあるから…。思いつくのは、ファミリー向けのおでかけスポットを紹介する情報誌での取材。
 
その取材では、実際のファミリーに協力してもらって撮影したんだよね。お子さんとのロケは初めてで。仕方のないことなんだけど、お子さんが疲れちゃったり泣いちゃったりで、笑顔を引き出すことが普段以上に難しかった。公園の滑り台を滑ってもらう撮影もあったんだけど、何回も滑り直してもらって…。普段とは違うディレクションをしなければいけなかったので、苦労した記憶があるな~。

恒川:お子さんの撮影は、疲れさせないようにとか飽きさせないようにとか大人以上に気をつかうことが多いですよね。
 
水野:うんうん。あとは、生き物とか自然の撮影も大変。川でアユのつかみ取りをしたとき、アユがめっちゃ元気で全然つかめなくて、長時間かけてやっとつかまえられたの(笑)。
 
恒川:私は天気に振り回されたことあります!入社した翌年に担当させていただいた、伊勢志摩の観光スポットを紹介する情報誌の取材で起きたことなんですけど…。
 
「伊勢神宮」で女性のタレントさんを入れて撮影することになって。事前に芸能事務所や伊勢神宮へアポ取りをしたり、着物の着付けの予約をしたりと万全の態勢だったのですが、ちょうど台風が迫っていた時期で。

誌面の写真をよく見るとわかるんですけど、当日めっちゃ雨が降ったんですよ。でも、タレントさんがすごく協力的な方だったので助かりました。また、雨で人が少ない分、撮影しやすかったのも不幸中の幸いでしたね。
 
木村:それは大変でしたね~。私は、取材までの準備が大変だなと思います。
 
初めてのタレントさん取材が、その方のレギュラー番組の番宣で。「何聞こう」ってなったときに、とにかくその方について調べまくりました。インスタを見て、飼っているワンちゃんの名前とかも覚えましたね(笑)。肝心の取材では、事前に集めたタレントさんの情報と番組内容を絡め、質問することができました。
 
水野:事前準備って本当に大事だよね。

木村:はい。取材相手のことを何も知らない状態で取材するのは、失礼だなって思うんです。
 
恒川:相手から「何も調べてきてくれてないんだ」と思われて、そこでひとつ壁ができてしまいますもんね。ちなみに、みなさんって取材のときは緊張しますか?
 
木村:私は今でも緊張しますね。
 
水野:初めの頃はしていたけど、今はあんまりしないかな。十分すぎるくらい準備をすれば、自然と自信につながって緊張しなくなると思う。

恒川:私もすごく緊張するタイプなんです。でも緊張すると100%のパフォーマンスで聞けないから、アウトプットするときに困るのは自分なんですよね。なので、緊張している自分に打ち勝つためにも、事前準備を徹底するしかないと思っています。

アウトプットで心がけていることは?取材原稿で問われる編集の意味

水野インタビューしたときの生の声、相手の想いをそのまま届けたいっていうマインドはずっとあって。
 
入社したての頃は、相手の言ったことをなるべく原文のまま書いたほうが意図として伝わると思っていた。けれど経験を重ねていくうちに、編集として自分が入っているからには相手の想いが読者に伝わるよう補足したり、文章を組み立てたりしつつ、その想いを捻じ曲げて表現してしまわないよう心がけている。

木村:私も同じです。とくにタレントさんの場合、その方の喋り方の癖って読者は知っているじゃないですか。なのでその人らしさがわかるように、癖を捉えながら文章を整えています
 
一方で、企業や飲食店を取材する場合は、話し手の癖を残さず、情報をいかに読者にわかりやすく伝えるかを考えています。取材相手の意図をうまくまとめることを意識していますね。

恒川:私は、取材相手が話した内容がすべて事実とは限らない、という気持ちで臨んでいます。
 
相手が何か出来事が起こった時期や内容を説明してくれた場合は、あとからしっかり調べるようにしているし、「本人が言っているんだから確実だ!」と思うのはちょっと危険な気もします。事実として発信する立場なので、アウトプットする際にはその情報が正しいかどうかに気をつけていますね。

最後に、取材で大切にしていることをフリップで発表!

恒川:木村さんが言っていたように、相手の情報収集をすることはもちろん大切。ほかに、当日の流れや質問案を紙に出力しておいたり、現場に早めに到着しておいたりすることなども準備のうちのひとつです。緊張するからこそ準備をしっかり行うことで、自分のなかの不安要素を少しでも減らせます。また、先輩や上司が同行する取材だったとしても、「困ったら助けてもらえるかも」なんて思わず、「ひとりでやりきるぞ!」くらいの心構えでいたほうがいいんじゃないかなと。
 
とにかく、準備万端のところからが取材のスタートラインだと思います。

木村:準備したものだけを質問していると、一問一答のようになってしまうと思います。やはり取材をするからには、相手のことを深堀りしたいですよね。
 
なので、相手との会話を楽しみながら取材をしたほうが場も和むし、その取材でしか聞けない情報も得られる可能性があります。

水野:取材は、相手があってのこと。関係各所いろいろな人を巻き込んで成り立っています。時間を割いてくれたり、質問の回答を考えてくれたりなど感謝することばかりです。また、相手に敬意をもって接することも良い関係を築く上で大切だと思います。

アフタートーク~取材時のおすすめアイテム~

水野:企業の取材だと、自分より年上の方が多いよね。そうなると、向こうから「若いのが来たな」と思われて、若い人にならこんな感じでいいだろうっていうマインドで話されてしまう。そう思われないよう、「私あんまり若くないです。この道、何年もやっています」感を出すために、腕時計と靴は良いもの身につけるように気をつけているかな。
 
恒川:とても参考になります。アップルウォッチでもいいんですかね?
 
木村:アップルウォッチって、あまり取材には向いていないと思います…。私が使っている機種は腕を傾けないと時間が見れないので、その行動が相手に気にされてしまう可能性があるなと。
 
恒川:言われてみれば、そうかも。私は人の取材をする際に、鏡を持っていくようにしています。取材相手が、撮影前に身だしなみを整えたいというときにサッと出せるので便利ですよ。

お茶会を終えて…

終始和やかな雰囲気だった今回の「エディマートお茶会」。
 
みなさんの取材エピソードを聞いて思ったのは、取材相手の想いが強ければ強いほど、みなさんの「しっかり紹介したい」という気持ちが高まっていくということ。その想いを引き出すためには、事前準備会話を楽しむこと感謝と敬意をもつことを取材する側が意識しなければいけません。
 
織茂も入社してから、何度か先輩の取材に同行させてもらっています。先輩が一緒にいるのでどこか安心していた部分もありましたが、お茶会を経て、同行であってもひとりでも進められる想定をしておくことを心がけようと思いました。
 
ここまで読んでくださったみなさんは、「取材」に対して何か気づきや今後生かしたいことはありましたか?織茂はこのあと真っ先に、良い感じの腕時計を探してみます(笑)!
 
次回のお茶会は「会社自慢」をテーマに、エディマートの職場環境や社内制度などの魅力を語っていただきます。

それでは、次回のお茶会でお会いしましょう♪

取材・執筆:織茂 麗
 
写真:スタジオアッシュ(太田昌宏)

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