映画見て久々に「面白い」より先に「凄い」が出た

映画「音楽」を見ました。
ざっくりとしたあらすじを説明すると、ふとしたキッカケでバンドを不良たちが始め、地元のフェスに出ることになるという映画。

友達が褒めてたこともあって見てみたいなあと思っていた。
僕は映画を見ると大抵「面白かった~」と言う。それは本心なのだけど、この映画は違った。
僕は「すげえ…」という感想が「面白かった」よりも先に出てきたのだ。

僕はいま、ラップという音楽をやっている。
バンドも(コピーだけど)大学時代に経験している。
漫画やアニメや映画も好きということもあり、よくこれまで音楽を題材にしてる作品を見てきた。
けれどこの映画は最初から最後まで音楽的な用語がほぼほぼ出てこない。

登場人物達がベースの上の部分(※)に対して、その使用用途について疑問を抱くシーンがある。
 
セオリーならば例えば
「音楽に詳しいキャラが出てきてその用途について説明する→ベースの音が変わり、すげーってなる」
となるようなところであるが、最初から最後まで正しい使い方も正式名称も彼等も、観てる側も知ることなく終わる。
作中でたくさんのCDを持ち、音楽に精通したキャラが出てくるが、彼が音楽理論などを説明することもほとんどない。むしろ、音楽を始めたての不良たちの演奏に強く感化される程だった。

でも、いいと思う。
多分この映画はそんなことどうでもよくて、コードだのスケールだのは差し置いて「音楽をやる」ことの初期衝動だとか、演奏する人、聴く人、音それぞれが存在する空間の中の感情だとか、それを描いた作品だと思ったからだ。

それを口で説明するのは物凄く難しい。だからこそアニメ特有の演出を交えながらそれを表現しているこの映画に、僕は「すごい」という感想を抱いたんだと思う。

是非、まだの人は見てみて欲しいなあ。
2022/1/15現在、アマプラとかで見れますので。


(※)ペグやヘッドのこと。ペグはあのつまみみたいな部分。一応ペグをいじったら音が変わるところまでは主人公たちも知っているが、チューニングとかには一切触れられない。

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