「東京オリンピック後は不動産価格が下がる」はウソだった。
とうとうゴールデンウィークが始まった。
世間はキラキラしたお休みのはじまり。
サラリーマンの仕事がぽっかり空くこの時期に、わたしはやっとサラリーマン大家さんになる。
「お休みの間に賃貸データ、みてみてくださいね」
不動産業者の担当者はそういって、数日前に添付ファイルが山盛りのメールをくれた。
そういえば、はーいと返事はしたものの、ファイルは一切、開いてない。
今日は、近所の日当たりのよいカフェに行く。
お気に入りのおいしいコーヒーを飲みながら、物件の間取りをみて想像をするのはとても楽しい。
そりゃ家族で海や山に遊びに行くのには負けると思うけど。
東京オリンピックで不動産価格は下がったのか
サラリーマン大家さんになって、「不動産投資」が世間のイメージと大きくずれていることを知った。
わかりやすいのは、2020年の東京オリンピック。
東京オリンピック開催前に上がった不動産価格は、オリンピック終了後には大きく下がるとウワサされていた。
各経済誌はもちろんのこと、経済新聞もこぞって、「オリンピック後はやばいぞ」と、特集を組んでいた。
不動産投資家界隈でも、絶対に値下がりしないと自信を持って言えた人は多くはなかっただろう。
わたしも正直、覚悟した。
…けど、中古マンション価格の値上がりとオリンピックは全く関係なかった。
なんの風も吹かなかった。
結果、「東京オリンピック後は不動産価格が下がる」はウソだった。
オリンピックなんて知らないかのように、中古マンションの価格はマイペースに上がっていった。
見ようによっては、2020年からさらにギアをあげているようにもみえるから不思議だ。
コロナ禍で東京都は空室が増えているのか
世界中でパンデミックが起こった、コロナの時も不動産投資家界隈は湧いた。
「東京から人がいなくなる。」
たしかに、東京都はがらんとしていた。
小池百合子知事が、「買い物は3日に1回程度に控えてほしい」と呼びかけたこともあり、電車やバスなどの交通機関だけでなく、スーパーコンビニからも人が減った。
企業ではリモートワークが推奨された。それをきっかけに、都心から田舎へ移動する人が増えた。
コロナ禍の2022年、前の住居者が解約してから次の住居者が決まって、賃料が発生するまでの平均日数が、約20日から約40日に増えた。
たしかに、東京から人は「一時的に」いなくなった。
でも、2024年、東京はすっかり元の通り人があふれ、空室平均日数はコロナ前と同じ水準に回復しつつある。
実際に不動産投資中だったわたしからみると、たしかに田舎への移動はあったのかもしれないが、あえてコロナだからとワンルームマンションに住む独身者が遠くに移動して住居をかまえるのは想像しにくかった。
運用している物件をみても、入居者の移動はなく、また入居者が決まらずに恐れおののいた経験もない。
あくまで、今のところ。
不動産投資はマイペースなほうが上手くいく
世間で言われるウワサと現実の間には、大きなギャップがある。
「〇〇が終わったら価格が上がります」
「〇〇はオワコンです」
「〇〇は価格上昇チャンスです」
メディアはこぞって特集を組むけれど、振り返った時に「ああ、本当にそうだった」と思ったこと、何回あるだろう。
わたしの場合は、「なんとなく今買いたい!」と思った時のほうが正解率が高くて、拍子抜けすることも多い。
ウワサの正解率が微妙な理由は、大きく分けると2つある。
ひとつは、その根拠が事実やデータではなく、利害関係者の営業トークの集合体であることが多いから。
もうひとつは、モノの価格は人が作っているから。
モノの価値が変わっていなくても、人が価値が上がっていると思えば上がる。
人の思考とモノの価値にはタイムラグがあり、みんなの心配や期待、ウワサなどの密集率が高いほど、価格が先に動いてしまう。
いわゆる「折り込み済み」と言われるやつだ。
わたしはすごい投資家ではなく、ただの会社員。
最近増えている、ただの副業個人投資家だ。
タイムラグが1週間なのか、1か月なのか、1年なのかはわからないし、それを当てる気もなければ、当てたところでたいした意味はない。
自分の人生の軸以外の視点は排除して、「10年後の自分に、この不動産がどんなリターンとリスクをもたらすのか」、それだけを考えるほうが、自分のリターンは増やしやすい。
あくまで、自分リターンと市場のリターンは違うのだ。ミクロとマクロ。いちごとショートケーキ。カフェインとコーヒー。
投資は、マイペースなほうが上手くいく。
お気に入りのおいしいコーヒーを飲みながら、10年後のミクロな未来について考えるのはとても楽しい。
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