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イークラウドを利用してエンジェル投資家デビューされた方へ

イークラウド代表の波多江です。初めて非上場スタートアップへ投資された皆さん、エンジェル投資家デビューおめでとうございます!

スタートアップは今後、それぞれのビジョン・ミッションを達成するためのチャレンジをしていきます。その成長過程には多くの「山あり谷あり」が待ち受けているはずですが、株主であるからこそ我が子のように見守れるのがスタートアップ投資の魅力の一つです。

エンジェル投資家は焦らずじっくり、その成長過程を楽しむことが重要です。さらに、見守るだけでなく個人投資家としてできることもたくさんあります。

そこで本稿では税制優遇措置の活用方法など手続きの注意点から、投資先と今後どのように関わっていくべきかまで、エンジェル投資を楽しんでいくためのヒントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。


1. 投資後にできること

お申込み後、その案件が成立するとマイページの案件ステータスが「成立」になり、株式割当通知書(発行会社が割り当てた株数)や取引報告書などの書面が電子交付されます。まずは内容をご確認ください。

1-1. 投資先の情報をチェック

投資先の最新情報は、定期的にマイページの「投資先最新ニュース」にIR情報が送られますのでチェックしましょう。更新があった際は、メールでも通知が送られます。

SNSでの情報発信に力を入れているスタートアップもありますので、企業の公式アカウントや代表をはじめとしたメンバーのアカウントをフォローすることで、最新情報を知ることもできます。

ご自身でアカウントをお持ちの場合は、「いいね」や「リツイート」などをすることが情報拡散の支援につながります。新規顧客の獲得や売り上げアップにつながるきっかけになるかもしれませんので、ぜひ積極的に行いましょう。

私もX(@nhatae)で支援先の情報を紹介しています

1-2. エンジェル税制の手続き

投資した案件がエンジェル税制の対象である場合は、「イークラウドでの手続き」と「確定申告」をすることで優遇措置を受けることが可能です。

エンジェル税制について詳しく知りたい方は「エンジェル税制について」の説明ページをご確認ください。手続きの流れは「エンジェル税制の手続き」の説明ページでもご確認いただけます。

エンジェル税制の手続きは順次、メールにてご案内いたします。マイページで株式投資契約書をダウンロードし、捺印後に1枚目をイークラウド宛に郵送していただきます。確定申告では、その2枚目が必要になります。

申告方法については経済産業省の「エンジェル税制申請ガイドライン」も参考にしていただければと思います。

1-3. 商品・サービスを体験してみる

投資先企業の商品やサービスを実際に利用したり購入したりしてみましょう。売上への直接的な貢献になりますし、利用した感想を企業にフィードバックすることが支援にもつながります。

スタートアップによっては「株主優待」という形で提供する場合もあります。気に入ったら、ぜひ周りの人やSNSで紹介しましょう。口コミは新規顧客を獲得するうえで大きな力になります。

1-4. 営業や採用のサポートをする

スタートアップは常にマンパワー不足です。投資家の皆さんのネットワークを活用して、営業先の紹介や人材採用のサポートをすることも大きな支援になります。また、自身の専門知識やスキルを生かして経営のアドバイスができることもあるかもしれません。

ただ、企業がどんな課題を持っていて、どんなソリューションを求めているかは株主であってもなかなか見えにくい部分ではあると思います。この点については、イークラウドとしてもわかりやすいIRの発信を企業に促していきたいと考えています。

1-5. イベントに参加する

クラウドファンディング実施後に新たな株主を招いてミートアップイベントを実施するスタートアップもあります。実際に経営者などチームメンバーと接することで社内の様子も見えてきますし、そこで株主として、またはいち顧客として意見や気付きを伝えることで、企業の成長を支援することができます。

投資先企業のイベントがある際は、ぜひ積極的に参加してみましょう。イークラウドでも、投資家の皆さんと投資先企業が交流できるイベントを企画していく予定です。

2. 個人投資家としてできること

エンジェル投資家デビューされた皆さんの中には、「投資するのは今回だけ」と考えている方から、「次はどんなスタートアップに投資しようか」と楽しみにされている方までさまざまだと思います。ただ、スタートアップ投資はハイリスク・ハイリターンであり、投資は自己責任が原則であるという点は常に意識していただく必要があります。

そこで、エンジェル投資に限った話ではありませんが、個人投資家として常に確認していただきたいポイントについて解説します。

2-1. ポートフォリオの確認

金融における「ポートフォリオ」とは、預金も含めた資産構成のことを指します。

例えばすべての資産を日本株で持っていた場合、日本株が下落した際に資産を大きく減らしてしまいます。そこで国内外の株式や債券、不動産、金などさまざまな分野の商品に分散投資することでリスクを分散させることが可能になります。これは「リスクヘッジ」とも呼ばれます。

どのようなポートフォリオを組むかは投資方針によってさまざまですが、共通して押さえるべきポイントが二つあります。一つは「生活防衛資金を確保すること」、もう一つは「不安になる投資はしないこと」です。

生活防衛資金とは、冠婚葬祭などのライフイベントで急な出費があったり、病気や事故、失職などで収入が減る、もしくは無くなってしまうような緊急事態に備えておくお金です。少なくとも生活費の半年分程度の資金はすぐ使える状態にしておくことが安心につながります。

生活防衛資金を確保していたとしても、残りの資金をどれだけ投資に充てるべきかは人によって異なります。長期的な資産形成を目的としているにもかかわらず、ちょっとした値動きが気になったり、不安な気持ちになったりするのであれば、過剰に投資している可能性があります。

ポートフォリオが自分にとって最適な形になっているか常にチェックすることが重要です。

2-2. 分散投資を心掛ける

先ほども「リスクヘッジ」として紹介したとおり、投資商品は特定の分野に偏ることなく、リスクのバランスが取れていることが重要です。

古くから言われている格言に「卵を一つのかごに盛るな」というものがあります。一つのかごにすべての卵を入れてしまうと、そのかごを落としたときにすべての卵が割れてしまいます。しかし、かごを分けていれば、落としたかご以外の卵は無事に済むというものです。

したがって、私は皆さんが株式投資型クラウドファンディングに偏って投資するようなスタイルはお勧めしません。

スタートアップ投資はハイリスク・ハイリターンであるため、個別株や投資信託などの主たる投資とは別に(何をメインにするかは人それぞれです)、分散投資における選択肢の一つとして考えるべきものだと思います。

株式投資型クラウドファンディング中でも投資対象を分散することをおすすめします。例えば年間50万円をスタートアップに投資する方の場合、1社に50万円を集中投資するよりは、5社に10万円ずつ分散するほうが、圧倒的にリスクを分散することができます。

スタートアップ投資の本場アメリカでも、VCの投資先において50倍以上のリターンが出る「ホームラン」は1%にも満たず、65%は損失に終わるというデータがあります。

プロ投資家の世界でさえ、「成功する投資先」を見極めるのは非常に難しいことや、そのリスクを分散投資によって軽減しているということをご理解いただければと思います。

2-3. 余裕資金で次の投資を検討する

生活防衛資金を確保し、分散投資を行ったうえで次の投資に回せる余裕資金がある場合、株式投資型クラウドファンディングは有力な選択肢の一つになります。

案件の掲載情報はメールだけでなく、LINE公式アカウントSNS公式アカウントでもお知らせしていますので、自分が応援したいと思うスタートアップがないか、新しい案件をチェックしてみることをお勧めします。

定期的に行っているアンケートでは、「募集していることに気付かず、投資機会を逃してしまった」と回答される方が少なくありません。そのような機会損失を防ぐためにも、LINE公式アカウントSNS公式アカウントにご登録いただき、最新の情報を見逃さないようにしていただければと思います。

また、改めてになりますが投資を検討する際は事業内容や成長性、リスク要因などを十分に吟味することが重要です。

投資家向けウェビナーに参加したり、企業の開示資料を入念にチェックしたりすることで投資判断に必要な情報を収集することができます。自分なりの投資基準を持ち、納得のいく投資先を選ぶことが、長期的な資産形成につながるでしょう。

最後に

株式投資型クラウドファンディングの登場により、より多くの個人投資家がイノベーションを起こすスタートアップを支援し、社会に新しい価値を生み出していくきっかけをつくれる時代になりました。また、スタートアップにとっても、個人投資家は心強い応援団となるはずです。

スタートアップへの投資を通じて、ビジネスへの理解が深まったり、新たな気付きを得たり、他の投資家との交流が生まれたり、皆さんの人生がより豊かなものとなることを心から願っています。

今後も長期的な視点を持ち、我が子のように見守り、時には積極的に関わっていただければと思います。共に明るい未来を創っていきましょう。

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