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引き寄せ鈍ガメの傷だらけの追い上げ日記 #1 彼の過去

「私の引き寄せが上手くいかんのは彼氏がネガティブ思考だからじゃないか?!」と頭に過ぎってから、
私が思いついたことはこれだった。

そうだ!私が学んできたことを彼に教えて、彼をポジティブ人間に変えてあげよう!

そうすれば2人揃って前向きになって願いを叶えて幸せになれるぞう、うふふ、そうすれば距離おくとか別れるとか考えなくていいもんね、うふふ。
しかもその過程をネタにすれば、また文章が書ける……こいつぁいい事思いついたぞう。


今考えるとほんまに「利己的」な考え方で、お恥ずかしいのだが、
この時の私は鼻息荒く彼氏を捕まえてこの話をした。

すると彼は、

「いいよ、マイコがやりたいことなら何でも協力する。俺も勉強になるし聞いてみたい」

と快諾してくれた。

そこから私がまず取り掛かったのは、彼の過去、複雑だった家庭環境に対する思いをケアしてみよう、ということだった。

彼の家庭環境はざっくり聞いていたので、そこにトラウマがあるなら、ネガティブ思考はそこから来てるかもしれないと踏んだからだ。

複雑なので図などにしたいところだが、簡単に文でまとめるとこうだ。
(簡単にもできんかったが)


奔放だった母から彼が生まれる。その時父とは離婚していて彼は父を知らない。

その後別の人と再婚した母は弟を産むが、離婚となり父が弟を引き取る。
彼もその父が引き取ろうとしたが、母が頑なに拒んで彼は母の元に残る。

その後母は次の人と再々婚。この父が虐待男で、小学生の彼は殴られて頭が割れて自分で病院に行ったり、ケージに入れられてお風呂に浸けられたりしていた。

おそらく薬物もやっていたのか、家に注射器が転がったりしてるのを見て「よく分からないけど、うちが医者じゃないことだけは分かるから多分あかんもんや」と思ってたらしい。

まもなく彼は施設に預けられることになる。その後母は妹を産んだが、その妹も育てられず施設に預けられた。

彼は17歳で施設を出て働き始める。そしてその間、また母が弟を産んだと知らされる。父がどの人かは分からないが、母が刑務所にいる間の出産だったらしい。その弟は生まれてすぐに施設に預けられる。

離れていたが交流もあった妹が中3の時、高校進学するしないの話で、父がもう働けと言っているのを知り、彼は妹を高校に行かせてあげたいと伝えると
「じゃあお前が行かせろ」と言われ、
彼は20歳そこそこで妹を引き取って一緒に住み、通信制の高校に通わせることにした。

その後母は父と別れ年配のパートナーが出来たそうだが、ガンを患いまもなく亡くなったそうだ。
この時彼が20代後半。

妹が手を離れてからも、1番下の弟のためにそのケータイ代を払ったり、母の借金を返したりしていた。

彼は今37歳だけど、ここまでの人生前半から中盤戦はざっくりこんな感じだ。

それを前に聞いていたから私は思っていた。

『彼が"お金ないねん"とか"こんな贅沢したらバチ当たる"とか"俺のことは別にどうでもいいねん"とか言うのは、絶対この過去の家庭環境とか母親のせいだろな。きっとそのせいで、自分なんか幸せになれないって呪いを自分にかけてんだ』

よし、どう伝えよう。
大切なのはこのへんのポイントか…

『過去のせいにしていると自分の今後の成長を止めてしまう』

『今の自分のいい部分があるのもあの過去があったおかげだと、酷い過去だったとしてもその過去に感謝する』

『過去を恨んだり憎んだり、無理に忘れよう消そうとかしていると余計執着してしまうから、ありがとう過去、でもこれからは大丈夫だから一緒に前に進もうねと考える』

これを伝えようと思いついた時にふと違和感を覚えた。

アレ?
彼って過去の話する時に、
家族の"せい"って言ったことあったっけ?
家庭環境のことも、恨み節みたいな感じじゃなくて淡々と冷静に話すよな……
お母さんのこと「クソババア」って言うけど、とんでもない男の人ばっか連れてくる母だったからこそ、
「男は女の子に手をあげちゃいけないし優しくしてあげなさい」
と教えられて、そう出来ているのはオカンのおかげやわ、とも言ってた。

そう思って改めて彼に、お母さんのことどう思ってる?と聞いてみたら、こう話してくれた。

俺は結局母親のこと嫌いになれんというか、好きなんよ。一緒にいる時とか後々会った時とかいつも謝ってた。
最初俺が引き取られそうな時に「この子だけは」って、最後まで手を離さなかった。そん時は、ハイ地獄行き決定、と思ったけど(笑)、俺に対して愛情はあったんだと思う。
好きだから、学習せんと何度も同じ事繰り返してんのが腹立った。毎度子供たちが傷つくのが悲しかった。
だから恨みがないとは言い切れんけどな。
変な環境やったけど、出会った人達のおかげで大幅にブレずに済んだし、俺は人に恵まれてると思うわ。ありがたいよ。


……うん、うん、

……これ、私が彼の過去に対する思いに何かテコ入れする必要って、
あります?ないよね(食い気味で)

めちゃくちゃちゃんと消化してるやん。
感謝までしてるやん。してるやん!

あれ?ちゃうな、じゃ次彼に何したらいいのやら……


このあたりから、私のやろうとしてる事が間違ってるんちゃうかとどんどん気づくことになっていく。

愚かなり、この時の私よ。

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