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~ひきにくにとどけ読書感想文~①東野圭吾「天使の耳」

私の推し、ukkaの葵るりちゃんが2023年6月吉日にスタコミュ(スタプラアイドルのSNS)配信で1冊の本を紹介した。

東野圭吾「天使の耳」。

買った理由はミステリーを読みたかったからということと、薄かったから。
後者のやる気のなさは照れ隠しだよね…!(必死のフォロー)

そして配信の中で読書感想文をひきにく(ukkaのマネージャー)さんに提出してという話だった(ように記憶してるけど違ったらスンマセン….)。



というわけでオタクも買いました!(ドン)

天使の耳だよるりちゃん!

というわけで小学生の頃やたら最後に残ってろくにちゃんと書いた覚えのない読書感想文やってきたいと思います!(宿題はしっかり取り組みましょうね)


あらすじ

「天使の耳」
深夜の交差点で衝突事故が発生。
外車を運転していた事故の当事者、友野は当時「ずっと信号は青」と主張。

相手のワゴン車を運転していて病院に担ぎ込まれた御厨健三の妹、御厨奈穂は目が不自由であるが、当時同乗していた時スピードも出ていたとエンジン音などから推測。
兄の「よし、青だ、いいタイミングだって」と口にしたことから事故当時青信号であったと主張。

警察が調査を進めていく中、御厨奈穂は驚くべき方法で兄の正当性を証明していく。

感想

本書は交通事故を取り巻くミステリーの短編集である。
あらすじを上述した「天使の耳」は信号の見落とし。
「分離帯」は歩行者が飛び出してきても車が過失の責任を負う不条理さ。
「危険な若葉」は煽り運転。
「通りゃんせ」は違法駐車。
「捨てないで」はポイ捨て、とどれもどんな人もやってしまう可能性のある身近な交通違反である。(無論ダメなのだが)

私自身運転免許を持ち、車が必須となる田舎で日々運転している。友人が警察官で交通事故を取り締まっている立場の為気をつけてはいるが、
周囲の人に一旦停止や速度違反などを「やってはならないこと」と認識している人は案外少ない。警察を逆恨みした発言をする者もいる。

現在では一発で免許取り消しとなる飲酒運転も過去ではよく見られた"普通のこと"だったが厳しくなったと年配のヤンチャな人は言う。(それが危険だから厳しくなった訳だが)


近年では高齢者の事故も多発し、75歳以上になると数年単位で講習を有料で受けさせられ免許を返納に誘導するシステムとなっている。車社会である田舎ではバスは1日に1便コミュティバスが出たりするなどギリギリなインフラである。
タクシーも券があったところで裕福でないと病院通いは厳しい。

となるとギリギリまで車の運転に頼らざるを得ない。免許を返納すれば一気に不便となる。

都会はバスや電車が数分おきに行き来しているが、田舎で車の免許を失うと、2時間に一本の電車(最寄りまで徒歩30分はざら)やバス(山間部では1日に2便)など途端にめちゃくちゃ不便なのである。

マジで田舎のインフラをどうにかしてから免許の返納誘導システムにしないと、田舎の高齢者に酷なんだよなと思う。


話がかなり脱線したが、交通事故は誰しもが殺人を犯してしまうリスクがある。
あまり違反を重大に捉えていなかったり、田舎の高齢者ドライバーのような事情もある。
危険がゴロゴロ転がっている車社会。
あまり意識し過ぎて臆病な運転をするのもまた危険運転の元となる厳しい世界。

身近な違反、魔が差して誰もがしてしまう悪事。この本を読む運転免許を持つドライバー誰しもが罪を犯した人物に自分を重ね、物語の中で裁きを受ける。
本書のミステリー小説としての恐ろしさは運転したことのある誰しもが持つ後ろめたさに忍び寄り、邪悪な自らの側面を見てゾッとするところにもあるのかもしれない。

本書を読んで早く都内に住んで、電車通勤の遠征しないオタクになりたいと改めて思った。


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