見出し画像

障害なのか病気なのか

noteを使って発達障害の生きづらさについて書き始めてから早2年くらい経つ。自閉スペクトラム症とか睡眠障害とか、そういえば「症」や「障害」についてそんなに気にしないで書いていた気がする。

というのも、最近「神経発達症」という言葉を目にするようになった。今年1月からICD-11という診断ガイドで発達障害から神経発達症と名称が変更されたらしい。

しかし、まだ新しい名称が浸透していないのか、「発達障害」を使用し続けているところもあれば、「神経発達症(発達障害)」と併記しているところもある。中でも大きいのは、「障害」から「症」へと変わったという点。「症」とは、その通り病気の状態を表す字である。

すでに別の診断ガイドDSM-5の病名・用語翻訳ガイドラインでは、注意欠如多動性障害は、注意欠如多動症(ADHD)に、広汎性発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)に名称変更されている。

さまたげを意味する「障害」から病気を意味する「症」へ。これは、捉え方が変わったという点でも大きいと思う。医学的に病気として見なすようになったという表れと思うんだけど、「発達障害(神経発達症)は病気ではない」という声は多い。私も「病気ではない」という意見に賛成だな。

そもそも発達障害(神経発達症)は、生まれつきの脳の機能発達の偏りによるものだから、病気というわけではないと思う。どちらかといえば、私個人の捉え方としては、障害に近いかな。偏った特性のおかげで、日常生活で支障をきたしているから。

といっても、障害だからといって「さまたげ」とか「邪魔なもの」だと思っていなくて、アイデアや工夫さえ見つかれば、うまく付き合っていけるものだと考えている。したがって100%障害だと思っていない。病気でもなければ障害でもない。「では何なんだ?」と聞かれれば、そうだなあ。「アンバランスな脳の性質」と答えようかな。

障害なのか病気なのか、ぶっちゃけ名前で白黒はっきりさせるってどうなのだろう。今のところ捉え方は、その人によるというかむしろ曖昧になっているという印象が強くなっている。でも、このサイトを見たら、「そんなことより生きづらさをどうにかしてくれ」という気持ちや声がよくわかる。

しばらく発達障害と神経発達症の併記が続きそうだ、神経発達症という名前が定着するまでは。


この記事が参加している募集

#最近の学び

181,718件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?