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[本棚に魚本]ナイルパーチの女子会 (小説)
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『ナイルパーチの女子会』 柚木麻子著 (文春文庫)
珍しく小説のご紹介。
元々友達のいない主人公が、女の怖さや女性同士のドロドロを描いた作品で、好き嫌いは分かれそう。
私にとっては、主な登場人物全員にイライラするのに何故か読むのがやめられない本だった。
さて、タイトルにあるナイルパーチ。
アフリカに生息する大型の淡水魚で、アフリカの川が舞台の自然系ドキュメンタリー番組や、巨大魚がテーマの番組なんかでは割とお馴染み。
この本のタイトルを最初に見た時には、てっきりただ単に何かしらの例えとしてナイルパーチの名が使われているのかと思った。しかし、もしそうだったら、わざわざここでこの小説を紹介しない。
確かに主人公達の存在を例える重要なワードとしても使われているのだが、予想外にも割と魚好きの心をくすぐるような記述もたくさんあったのだ!
と言うのも、主人公は大手商社に勤める女性で、海外から輸入した食品を国内に売るセクションの水産チームに所属しているのだ。
それゆえ、「白身魚」とか「えんがわ」などの名で店頭に並び、我々が普段本当の名前も知らないまま食べている魚の正体についての話が出てきて面白い。
その主人公がナイルパーチ担当なので、特にナイルパーチについては詳しく解説されていて、小説のストーリーだけでなく魚うんちくも楽しめるのだ!
そして個人的には、この本の参考文献の中に、以前ここでご紹介した『似魚図鑑』があった事もちょっと嬉しかった。何で嬉しいのかと聞かれると、正直よく分からないけれど、自分のお気に入りの本が参考にされているのは、なんとなく嬉しいものなのだ。
そんなわけで、人間がコワイ系小説も魚も好きな方にはオススメの一冊!
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