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昭和14年の中華料理レシピ 蛋餃(餃子風の卵焼き)

◆主婦之友 花嫁講座 洋食と支那料理 昭和14年(1939

 前に同じ本から、ケゼリという魚料理を紹介しましたが今度は支那料理を紹介します。
 この本は前半が洋食、後半が支那料理と375ページと大ボリュームの本ですがどの料理も本格的です。
 支那料理の料理名はすべて中国語表記になっています。一見わかりにくそうですが今の時代は中国語名で検索かけるといろいろ出てくるので、実はわかりやすいかも。元の料理にたどりつけます。

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◆蛋餃(タヌチヤオ) 餃子風の玉子焼

 この本は気になるレシピが多いのですが、そのなかから少し紹介します。
これは餃子なのか卵焼きなのか。。オムレツなのか。
はたしてこの方法でうまくできるのか。。。
餃子のルビがチヤオツとあるところにも色々感じます。
日本でギョウザが一般的になるのは戦後なので、そんなルビがはいるんですね。

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蛋餃(餃子風の玉子焼)
 餃子(チヤオツ)と形は似ていますが、材料は全く違ひ、餃子のような形をした玉子焼きです。一口で頂けるオムレツとでも申しませうか、中に蟹や葱を包んで焼くのです。手軽ですぐにできますから、罐詰の御用意さへあれば、急のお客様などに重宝でございます。
 玉子をほぐして塩と砂糖の淡味(うすあじ)をつけ、別に、葱の小口切りと蟹(缶詰)のほぐしたものを混ぜ合せ、蟹の塩味をみて、足りないだけう淡く塩をふります。
 さて、これを焼くときには図のように鐵杓(支那式のお玉杓子)をフライ鍋代わりに、油を引いて火にかけ、よく熱したところへ玉子を薄く流し、具を心に入れ、先の細い箸か、桃山、魚串など小さいものをしゃもじ代りに、柏餅のように二つに折ります。鐵杓がなければアルマイトか鐵製のお玉杓子で間に合います。
 中から少し水気が出てくるくらいが丁度よいお加減です。焼けるそばから召上がって頂きませう。

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 すごい作り方です!おたまに卵がくっついてしまう心配をしてしまうんですが。
なかは蟹とネギだけなので、そんなに火を通さなくてもいいのかな。でもちょっと面倒だなという印象です。
 ほんとうにこんな料理あるんだろうか?

◆本場の蛋餃

ちょっと調べてみました
したらけっこうありました。ちゃんとお玉で焼いているんですがくっつかずにできてます。

本に乗っていたレシピは蟹だったので火を通さなくても大丈夫ですが。動画のものは餃子の具のようなものが入っているので、作った後に蒸してしっかり火を入れています。

けっこう作るの大変そうだけど、楽しそう!こんどチャレンジしてみたいです。お玉で!

ところでレシピの中に、

先の細い箸か、桃山、魚串など小さいものをしゃもじ代りに、柏餅のように二つに折ります。

とあります。この当時はギョウザが一般的ではないので多くの本で、柏餅のようにおりましょう。とよく記載されています。

あとは桃山です。文脈からすると、何か細い棒状のもの。いったいなんでしょう?爪楊枝でしょうか。調べたのですがわかりませんでした。

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