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これこそ正真正銘のセミ・ハードボイルド

日本の漫画は世界ではMANGAとして紹介されているらしい。

普段は漫画を読まないが、日本の文化として紹介されるMANGAは素直に誇らしいと思う。
漫画の原作が海外に渡り、実写版として蘇るケースも珍しくはない。
遠い昔、北斗の拳も実写化された。
あとドラゴンボールもだ。
しかし、北斗の拳ではユリア役に鷲尾いさこが出演していた事しか記憶にない。
ドラゴンボールに至っては、もはや何も語る事がない。

で、どう表現すべきなのだろう…
原作と比べほど遠い出来栄えに対し、単純に温度差の違いと語るべきなのだろうか…
いや、違う。
個人的に感じるのはズバリ言語の違いから生じる行き違いなのだろうと思う。

率直に言語と例えたが、その背景にはそれぞれの国に母音の違いがある。
日本には「あかさたな…」の母音は一つに対し、国によっては五つ以上あるところも存在する。
そうなるとお解りの様に、発音の違いから意味が大きく異なるケースが生じる。
これらを強制する事は実に困難だ。
冒頭で説明した通り、言語の違いには言語の壁がある訳なのだから、真っ当に意思疎通を試みる事は困難というよりは、不可能に近いと言っても過言ではないはず。

つい興奮した様で難しい言葉を並べてしまったが、単純につい最近に公開となった、邦題「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」は内容が実に優れた作品であると、勝手に烙印を押させて頂きたい♪

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原作はご存知、週刊少年ジャンプに掲載されていた北条司による「シティーハンター」に基づく。
それ以前に、ジャッキー・チェン主演による実写版は知る人ぞ知る、不安材料しか残さなかった作品を覚えている人にしてみると、この「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」も更なる不安材料となる恐れを覚えるのも無理はない。

ここは一つ、早合点は無用だ。
鑑賞した者としてこれだけは自信を持って言える事は、大いに期待を裏切り(良い意味で)、素晴らしい出来栄えとなっているからだ。
因みに、最初に字幕版を鑑賞し、その後に吹き替え版を鑑賞した。
個人的には吹き替え版を鑑賞した後、余裕があれば字幕版をお勧めする。

冒頭シーンは同業者(スイーパー)である通称・海坊主と主人公リョウが病棟内で格闘する所から始まる。

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事の経緯は時系列で紹介される。
内容を追うと、お互いが追う共通点は「キュービッドの香水」なる媚薬が引き金となる。

原作と同様、仕事依頼は駅の伝言板に「XYZ」と書かれる。
相棒であるカオリはすぐさまリョウに伝える。
依頼者は「キュービッドの香水」を開発した息子だ。
この効力は少しでも吹きかけて相手が嗅いだ途端、吹きかけた側の虜となる魅惑の媚薬だとリョウとカオリは知る。
これを狙う悪人がいるので、依頼者は媚薬を狙った相手を無情に息の根を止める様に指示する。

本来であれば、ハードボイルド映画さながらアクションシーンで観客を魅了させる…所だが…
実の実話で、物事を単純に先へは行かせないのが本作の要である。
ジョークあり、お色気ありと、あらゆるシーンが観客を魅了するどころか、困惑を招いてしまうのだから。

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という事で、この作品は原作にとても忠実だ。
息を呑む格闘シーンは見応えある。

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続いてお色気の次にお笑いが多々ある。

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それに緊張感も忘れない。

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わーお!

単純に漫画で終わらせない映画ならではの作りに拍手を送りたい♪

配給がフランスだからこの作品は成功したのだろう。
仮にアメリカだったら、無駄なシーンや余計なアドリブを入れて安易なコメディで終わったに違いあるまい。
本作は監督と主演を務めたフィリップ・ラショーは、18ヶ月で書き上げた脚本を原作者である北条司氏の事務所に直に送り、48時間後に北条司氏自身からOKを貰ったお墨付きの作品でもある。
お互いのリスペクトが通じ合った結果がこの「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」などだと、改めて痛感したものだよ、うん☆

※ 追記 日本国内では「シティーハンター」の楽曲を提供したT・M ネットワークが復活を遂げる様だが、小室哲哉氏もK・K氏とは無縁である。それにボキは小室哲哉氏が過去のしでかした、ネットワークを乱用しヅラ買った事にも全く関与していないヅラ〜。

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