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安価であるという機能性

前回少し、お話をはしょってしまいました。
使いやすさ重視の話から、
使いやすさ重視 ≒ 同じ形の器をたくさん作ること
に直結してしまいましたが、実は、やっぱりそうだと思うのです。
お値段がお手頃であるということが、生活の中で使う器として重要な機能である、と考えるからです。そうすると、シンプルなデザインのものを大量生産し、ひとつあたりの価格を下げるしかないように思います。

同じ器をたくさん作るって、難しいように見えて、実は、難しいのですが(笑)、同じ器をたくさん作った場合の使う側のメリットとしては、
1 比較的安価になる
2 お湯呑み5客セットなど、食卓に統一感が持てる
3(多くの場合)スタッキング出来て収納が省スペースになる
等あります。
作る側としてもメリットがあって、
1 技術をマスターするのは大変なのですが、一度慣れてしまうと割と楽に作れる
というのがあります。
では、私がなぜそれをしないのかと言うと…
まずは性格の問題がありますね💦、これは言い訳はできない。同じものを複数個作っている途中に、
『あっ、こうしたらもう少し面白いんじゃない!?』
とか言って脱線しちゃうんです。衝動性が強いと言うか…。
あとはスペースの問題です。何しろ二畳間くらいの狭い工房で作業していますから、轆轤で調子よく同じ形の器をひいても、10個も並べれば精いっぱいです。結局はそこで次の工程に移らねばならず、作業効率は落ちてしまいます。

物置だったスペースを工房として使っています。

あとは言い訳ですが、一昔前と比べて、同じ形の、お揃いの器を求める方もだいぶ減ったように思います。
自宅に大勢お客様を迎えるという機会も減りましたし、ご夫婦でも、夫婦茶碗のようなものではなく、それぞれの好みの大きさの好みのお茶碗をご購入される方が増えたように思います。
時代も変わります。陶芸も変わっていくのでしょうね。

今日はなんだか、かたい話ばかりになっちゃったな💦
最後までお読み頂きありがとうございます。
次回、機会があったら、脱線から生まれた名作(迷作?)を紹介してみたいと思います。

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