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休職は自身を振り返るきっかけ

多くの企業で休職者や復職者の支援を行う際に、その方々が自身の活力のなさに絶望したり、将来の不安に苛まれることがよくあります。しかし、「ピンチはチャンス」という言葉があるように、休職は自己を見つめ直す絶好の機会になります。

現代社会において、急速に進化するテクノロジーや競争の激化によって、高いストレスとプレッシャーが私たちにのしかかっています。また、情報が氾濫する中で、不安を煽るものや、できないことへの焦り、憧れに目が行きがちになり、それが悪循環を生むことも少なくありません。仕事や仕事環境以外からも、こうしたストレスによって疲弊していく方も多くおられます。それは偏に現代社会の中で適応しようと頑張りすぎた証拠なのかもしれません。そのような環境の中、頑張ってきたあなたを褒めることも大切です。

休職は、身体や精神の疲労を回復するために、その方にとって必要な手段そして期間です。また、単なるリフレッシュの手段ではなく、自分自身を見つめ直す貴重な機会ともなり得ます。本記事では、休職がどのようにして自身の振り返りになるのか、そしてその過程で得られるメリットについて探っていきます。


休職期間の中で

1. 心身を休める

診断書・制度等により休職に入った後は、まずはしっかりと休養しましょう。焦る気持ちもわかるのですが、今は精神的な活力がない状況だと思われます。身体的にも精神的にも休むこと、それが今のあなたには非常に重要になります。「時間薬」という言葉が存在します。時間も自身の精神を落ち着けてくれる薬になり得ます。気持ちの余裕が出てくれば、活動をしてみても良いでしょう。日光を浴びたり、外の空気を吸ったり、少し体を動かしたりすることで、感覚も戻ってくることでしょうし、感じるということが楽しいという感覚を育むきっかけになります。気持ちの浮き沈みの中で、少し疲れる時もあると思いますが、そんな時もあります。少しずつ回復に向かいます。余裕があれば、下記のようなことを生活に取り入れてみましょう。

  • 散歩をしてみる

  • 本を読んでみる

  • 日記を書いてみる

あなたのその日の体調を考慮して、無理せず行なってください。今日できなくても大丈夫、また動ける日が来ます。

2. 振り返り

少しずつ自分の現状を把握したり、何が原因で疲れ果ててしまったのか、どのようなストレス要因があったのかを明確にすることで、今後の対策を立てるきっかけとなるでしょう。休職後、投薬や時間と共に少しずつ回復を感じることができるようになれば、何が原因で疲れ果ててしまったのか、自分の強みや弱み、興味や価値観をもう一度考えることで、今後の対策を立てるきっかけとなるでしょう。人間関係を構築する上での距離感、社会の捉え方を再考したり、日常の忙しさの中では見逃しがちな自分自身の本音や願望に気付くことができるでしょう。この自己分析は、将来の再発を予防する上でも非常に重要です。

  • 今までの人との距離感

  • 自身の好きだったこと

  • 自身のしたかったこと

上記のリストは、普段はなかなか考えないような、休職期間で考えると精神疾患の予防やwell-beingに繋がることの一例です。気持ちの余裕が出てきたら、振り返ってみましょう。

3. 活動から見えてくるもの

休職期間中に新しい趣味や興味を見つけることで、新たな視点を得ることもできます。また、復帰をした後や今後の人生でも、ストレスは必ず発生します。そんな時に、それらがあなたのストレスの緩和をしてくれるでしょうし、今後の人生にも彩りを与えてくれることでしょう。時には、新しい人々と出会い、異なる価値観に触れることで、自分自身の成長を促すこともあるでしょう。

  • 公園・図書館などの公共施設の活用

  • 興味のある書籍・自身の知らない世界の書籍

  • スポーツや楽器など同好会への参加

少し動いて疲れが溜まる日もあると思います。無理をしすぎずに疲れたら休むことも大切です。上記は一例なのですが、日中の活動からは、普段の仕事時間では見ることのできない社会の様子を見ることで社会をより知ることができるでしょう。書籍からは、自身のわからないことを自分のペースでわかるようになるでしょう。人との交流からは、楽しむことを再確認できたり、信頼できる仲間が見つかったり、他の人のストレス対処法を知ることもできるかもしれません。それらは、あなたの人生を守ってくれるもの、楽しませてくれるものにもなり得ます。自分のペースも大切にしつつ、楽しみながら自身の生活に組み込んでいきましょう。

休職がもたらしてくれるもの

精神疾患等により休職となった場合、診断名、経済面、キャリアなどからデメリットに意識がいくかもしれませんが、多くの物事には二面性があります。私は休職がもたらしてくれるものも多くあると信じています。

1. 視野の広がり

休職時、特に前半は苦しい期間ですが、多くの面で視野の広がりがあるのではないでしょうか。休職という社会制度を知ることができた日頃の職場では会えない人に、触れない環境に触れることができた書物を読むことで知らないことが知れたなど、あなたは以前よりも世界に対処することができることでしょう。

2. ストレス対処の向上

休職中に学んだ自分なりのストレス対処やリラクゼーションの方法は、復職後の生活にも大いに役立ちます。ストレスが溜まった時は、趣味に時間を費したり誰かに相談するようになった等、自分に合ったストレス解消法を見つけることで、ストレスを感じたとしてもなんとかやっていける、生活を送っていくことができれば大きな進歩です。ストレスは考えてもすぐ解決しない、時間がかかる、誰かと考えた方がいいこともあります。意識をストレスや自身だけに向けず、実生活を楽しむことにも目を向けましょう。

3. 時間薬

どのようなことから休職に至ったかは人それぞれですが、環境は時間が流れるとともに、少しずつ変化していくことでしょう。過去と全く同じ環境は存在せず、企業、環境、人の感情、どれをとっても普遍的なものではありません。時間が人間関係や状況を和らげてくれることもあるということです。生じた事柄にこだわりすぎず、素直な気持ちを持つことで、時間薬があなたを次のステップに運んでくれることでしょう。

次のステップへ

社会生活を送る中で、辛いこともありますが、それだけが人生ではない。楽しいことも必ずあります。今は感じ方を忘れているかもしれませんが、また何かを楽しむことができます時が必ず来ます。休職中はしっかり心身を休め、気持ちの余裕が出てくれば自身の振り返りや人生の楽しみ方を考えてみましょう。それらがあなたの人生をより豊かで充実したものにします。休職期間とは、自身の健康にも意識を向け、自分自身を大切にし、健康的で幸福な人生を送る手掛かりを与えてくれる人生の中で重要な時間なのです。




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