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老いてゆく    詩

うららかな花びらにそっと触れる彼の
指。
もう散ってゆくのにもがく様に若葉に
嫉妬する老いぼれた花。
浮気者で博愛する指には慈愛がこめられて受け身の花は女性の寿命が短く咲いていた。
彼は本質的に慈悲深い者であった。
ゆえに白髪の生えた自分が鏡に映され
嘆きたい男性でもあった。
それでもくしを通し髪を整えて外出
する。
彼の優しさを我の者にしたくて、花は
待ちくたびれて哀れみの雨が欲しくなった。
いつ散ってもかまわないと若葉の潔さに負けた。
そして森林の森で彼はフィットンチットを吸い込んだ老いた彼もデトックス
で毒を排出し、少しながら若返った。

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