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老いの痛み    詩

ああむせる年寄りのごとく麦茶が気官に入りむせてしまった。
これで私の老いへの滑り込みが証明されたのか?
単なる偶然と見なせばいいか、極めつけはゴホンゴホンと喉がつまって苦しいんだ!きっと年老いた者の心境は
それなんだ。
祖父は何かとむせかえり病院へ走った。
父がおぶって車までつれてった。
気官に入れば生死に関わり放っちゃ
置けない大事件だ。
父は両親の面倒を見た。
叔父は父の兄であり両親を捨てた。
心の負担は私に及び、中風の祖父に心が痛んだ。
祖父は年寄りの匂いがした。
独特の匂いがした。
私はそれで癒やされ、苛めの成長期は
やわらいだ。
何かと祖父母に可愛がられひ弱な体質になってしまった。
ただ老いへの痛みは早く知ってしまった。
これが哀れみの一歩であると若くして
わかったのであった。

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