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【みちらん32】「時かけ」から40年。 ~坂道がよく似合う「小動物」とは〜

デビュー2年目の原田知世が「時をかける少女」に主演したのが1983年。当時16歳。ロケ地は尾道。

もう40年以上前の作品になりますが、坂や寺があって、高台にあがると尾道水道が見渡せて。ゆっくりとした時が流れる風景は、今も変わりません。(知世さんは素敵な大人の女性になりましたね)

迷路のような坂道で目指すスポットは、かつては(1980年代=私の青春時代)は「タイル小路」でした。尾道三部作の大林映画のロケ地巡りが流行ったからです。

でも今の若者とっては、尾道といえば「猫の細道」だそうです。
千光寺ロープウェイ乗り場のすぐ側から登っていくと、本物の猫に混じって福石猫があちこちに居ます。その様子はインスタでも多数確認することが出来、人気のほどがうかがえます。

福石猫のキッス

アイドル評論家の中森明夫が著書の中で、原田知世と尾道について触れている箇所を見つけました。

原作小説ともテレビドラマ版『タイム・トラベラー』とも異なるのは、映画版『時かけ』が広島県尾道市を舞台にしていたことだろう。古い家並みが連なる地方の街の風景、ことに坂道のショットが頻発する。後年、この映画を見直して感慨を新たにした。尾道の歩道や坂が本当に狭い。そこをちょこちょこと行く原田知世の小動物のような可憐さこそ、この作品の最大の魅力だと気付いた。

中森明夫著、推す力 人生をかけたアイドル論

どうやら昔から、尾道の迷路のような坂道は、小動物(猫)と相性が良いようです。坂道をちょこちょこと歩き回る16歳の知世さんを喩えるなら、林間のリスといったところでしょうか。

途中古民家カフェや招き猫博物館もあって、歩いて楽しいテーマパークのような道です。坂道も気にならないことでしょう。

バブル期に「新人類」と持て囃された私たちの世代も今や還暦に突入、健康のためのウォーキングと御朱印集めに関心を寄せています。七佛めぐりは宗派を超えた古刹寺院をめぐる参拝ロードで、満願するとオリジナル手ぬぐいがもらえます。
西國寺仁王門の大わらじは健脚祈願のご利益的存在にもなっています。

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再び尾道駅に戻ってきたらレトロ感漂うアーケード街へ。父の実家が隣町の三原だったこともあり、よくここに遊びに来たものです。映画館や銭湯はなくなってしまったけど、行商のお婆さんの姿はどこか懐かしかった。

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【おまけ】尾道散策のシメは尾道ラーメン、お土産ははっさく大福で。どちらも「時かけ時代」にはここまでメジャーじゃなかったけど。

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広島県尾道市
距離:7km JR尾道駅周回
[星の数] ★★(遠回りしてでも訪れる価値のある、道歩きが好きな人向けのみち)

 【みちらん】歩く道のグルメ本をウォーキングツアーの添乗員が本気で作ってみた



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