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蜷川実花展 レポ

今年も気がつけばあっという間に半分過ぎようとしています。
2024年に入ってから展示会へ行く時間がなかなか取れず、そんな中でもいくつか行けたものについて。
 
 
観た直後のインスピレーションをしばらく頭の中で寝かせていると、更なるインスピレーションへと育ったりして、そんな過程が私は好きです。
 
 
まずは2月にギリギリで観に行った蜷川実花展。
「Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
と名付けられた展覧会。
 
虎ノ門にある情報発信拠点「TOKYO NODE」にて、この展覧会のために集まったクリエイティブチームにより制作された特別なアート群。
写真、映像、インスタレーション、最新の技術を駆使された繊細かつダイナミックな表現は、観る者に新しいアート体験を与えてくれます。
私も、このような没入型の展覧会は初体験で、かなりワクワクしていました!
 
 
そして、敢えてテーマや各セクションについての説明などは事前に調べず挑みました。
 
 
まっさらな状態で感じた自分の感想と、作者の意図を後から比べて答え合わせするのが好きなんですよね。笑
 
 
1番の見どころであろう、360°を花々で埋め尽くされたインスタレーションアート
"Intersecting Future"
映画のセット技術を活用したというこの展示、花や蝶の彩りに見惚れることはもちろん、うつろいゆく光も表現されていて、同じ場所にいてもいくつもの見え方が楽しめるのです。
さっきまで白かった花びらが、気づいたらオレンジ色に見える…さっきまで見えなかった草陰の奥に、今はしっかりと蝶がはためいているのが見える…
 
全て作り物の世界。というか、作り物じゃなければ見ることのできなかった世界。
 
それは完全なるフィクションだ、だって春の花の隣に秋の花がいて、南国の花の隣に北国の花がいて。
これは絶対に現実世界では見ることができない、現実世界で本物の花畑を見るということとは全く違う鑑賞という行為だ、魔法のような感覚に浸る。
 
だけど
何もかも作られたフィクションの中でただひとつ、光によって時間の経過によって「変わりゆく」ということ
全ての空間には時間が流れていて、瞬間というものは「常に変化している」ということ
この、圧倒的リアルは表現されているのです。
フィクションなのに、リアルな時間が表現されている。
 
 
数秒前とはもう変わっている景色、捉えられそうで捉えられない一瞬。
私の中で、この展覧会におけるメッセージを掴みかけます。
そして、それがこの後確信に変わりました。
 
 
"胡蝶のめぐる季節"
と名付けられた、映像とインスタレーションが融合した展示はそこにありました。
 
湖の水面に反射する光
立ち昇る水蒸気
春の光と霞みのような空気
小枝に積もる雪
枯れゆく樹々と葉と
新しく芽吹く花と虫たちと
母に押してもらった背中と、ブランコから見た景色
光も香っていたこと、静かなのに聞こえていた音

あれ、全て見たことがある
全てが懐かしい

これは…人が一生の中で当たり前に触れる季節や日常の
毎日触れているはずなのに捉えられない一瞬たちを
果敢に捉えようとした作品だ。

 
今回の展示において、CGによって作られた映像作品はなく、全て実際に撮られた写真や動画を使用されていたことを後の答え合わせで知り、
やっぱりそうだったんだ。との感動に至りました。
 
 
瞬きをしたその直後にはもう消えてしまっているような、そんな景色を 
 
二度と思い出せなかったかもしれない、光や影を
 
まるでアルバムに収めるように、永遠に眺めていられますように…
 
 
ああ、映してくれてありがとう
形に残してくれてありがとう
 
 
できればずっとその場にいて反芻し続けたかった
 
 
2024年最初に観た展示でしたが、2024年で1番感動した展示となるのかもしれません。
 
 
もう終わってから数ヶ月経ちますが、写真や動画を見返すとあの「一瞬」を何度でも楽しめますね。
 
 

"瞬きの中の永遠"
 
 
 
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