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「暗記する」戦略思考から学ぶ「解」を導き出すための考え方

本日は私のnoteでも何回か紹介している高松さんの新作『「暗記する」戦略思考-「唱えるだけで」深く、面白い「解」を作り出す破壊的なコンサル思考-』を紹介します。

高松さんはBGG出身、YouTubeでの「考えるエンジンちゃんねる」の配信をはじめ、考える力をつけるための書籍を複数出版しており、数々のベストセラーを出されています。
これまでに紹介した高松さんの書籍を紹介した記事はこちら。

今回のテーマは「戦略思考」。
高松さん曰く、「問い」の世界が論点思考で「解」の世界が戦略思考だという。
「問い」が定まったときに「いかに素敵な解を作るか?」を考えるのが戦略思考であり、その「考え方」を学べる本。
高松さんの本ではただ定義づけや構造化したものを説明するのではなく、「自分で考えて使える」ことにこだわっています。

そんな「戦略思考」を考えるポイントを問題にして、キーワードごと暗記してしまいましょう、というのが本書の特徴。
ただフレームワークを覚えるのではなく、事例とともにこういうシチュエーションであればこうやって考えていこう、という型を学べるようになっている。

一つ一つのタカマツワールドはぜひご自身で体感してほしいのですが、その中の一部をご紹介していきます。

打ち手バカにならずに課題を考える

本書の「カインズ」を題材にした問題から。
例えばホームセンターのカインズの売り上げを1.5倍にすることをゴールとしたときにどのように考えたらよいか?

こういったことを考える際にハマってしまいがちな罠が「課題を飛ばして打ち手を考えてしまう」こと。

打ち手から考えるとは、例えばCMを打つ、インスタグラマーに呟いてもらうなど。
このように課題を飛ばして打ち手にまっしぐらになるのではなく、思考を整理して課題を発見する。課題がわかれば、打ち手の方向性が見えてきます。

具体的な状況を想像する

問題を解くためには、具体的な状況を勝手に置いて想像してみると良い。
例えば今回の問題で想像するのはこのようなこと。

  • カインズには具体的にどんな商品がどのように陳列されており、何が売れているのか?どのようなお客さんが来ているのか?

  • 具体的に、来店目的や年齢、家族で来ているか?などはどうか?可能なら、3パターンくらいの主なお客さんのイメージは?

  • そのうえで、「お店に入ってから、出るまで」のお客さんの動きと感情はどのように変化するのか?

消費者の意思決定の分岐を考える

先ほどの思考環境を整えた上で、売上が伸びていない原因を考えていく。
そのために必要な思考パスは「誰が敵なのか?」を考え、消費者/ユーザーがお金を使うまでの「分岐」を詳らかにしていくこと。
今回の題材では「カインズがターゲットとしているお客さんはどのような分岐を経てお金を使っているのか」を考えていきます。

  • 「ホームセンター」で買う VS 「ネット」で買う

  • カインズで買う VS 他のホームセンターで買う

  • (カインズで)いっぱい買ってくれる VS 来店目的のものだけ買われちゃう

このように分岐を出した上でそれぞれの原因を探り、言語化していくことで課題が見え、それに対する打ち手を考えていくことができます。

ターゲットとの距離を考える

こちらは「QBハウス」を題材にした問題より。
利用者を増やすために、ターゲットとの「距離」を考えてみる。
誰がより使ってくれそうか?の順序を考えた上で、それぞれにQBハウスをどう使ってもらうか?を考えていく。

QBハウスの例でいうと、ターゲットから遠そうな順はこのようなイメージ。

  1. 美容院に行く女性、特に若者

  2. 美容院に行く男性、特に若者

  3. 美容院に行くシニア女性

  4. 子供

  5. 巷の「散髪屋さん」に行くおじさん

「近い人」から考えるのではなく「遠い人」から考えるのはなぜ使わないのか?が明確で考えやすいから。
そしてそれぞれについて「なぜ使ってくれないか?」を考え、それを踏まえたうえで「どう解消するか?」を考えていく。

なお、ターゲットとの距離で思考を深めることは、クイックヒットからホームランを狙える思考にもなる。

ターゲットの中で最も距離がある層を狙うとなると大技になるが、取れたらインパクトは大きなものになる。
一方で、距離の近い層を狙うのであれば取りこぼしをなくすために着実な打ち手が必要である。

一つの戦略スウィッチだけでなく、複数の思考を巡らせることが大事

本書ではこのような具体的な事例に当てはめて考える「⚪︎⚪︎っぽく考えると」という12の「戦略スウィッチ」が紹介されています。
「この問題に対してはこの戦略スウィッチで考えよう」と当てはめて考えるのではなく、常に全部を使って思考を深めていくほど、良い解を導き出すことができます。

そのための近道として、「戦略スウィッチ」を暗記して常に使える状態にしていく必要があるのです。

「暗記」は、凡人を天才にする唯一の方法

一度読んだきりですぐに身につくことではないので、自分の出来事に当てはめて繰り返し読みながら「戦略スウィッチ」を使いこなしていけるようにトレーニングしていきたい。

個人的には思考技術とセットにして読んでもらうのがより理解が深まりおすすめです!

「考える力」をつけていきたい方、ぜひ読んでみてくださいませ。


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