『「いいキャリア」の育て方』を元にした自身のキャリアの棚卸しのススメ
こんばんは、今週は発売されたばかりの青田努さんの新作『図解 「いいキャリア」の育て方 「5つの資」から考える人生戦略』を読んだので、早速ご紹介。
これまで企業の人事や人材業界で多くの経験を積まれてきた青田さんが書いたキャリアの本。
キャリアについてここまで体系的に書かれている本って他にないのでは。
フレームに沿って自分のことを振り返る良い機会になるので、どんな人にもお勧めしたい一冊です。
これまで青田さんがnoteで発信された内容も凝縮されており、noteも本と合わせて読むと学びが深まっておすすめ。
キャリアには5つの資がある
「キャリア」とは漠然でわかりづらいもの。
だからこそ、自分のキャリアに対して悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そんな「キャリア」について考えるための「5つの資」のフレームがこちら。
まずは自分がやりたいことに対しての「資格」を得ることから。
やりたいことを実現するために、必要な勉強や資格取得をして、就職や転職するといったことです。
資格を得たら、「資源」を活用して、キャリアの土台を作っていきます。
資源は加齢により失われる時限的なリソースのため、資質をかけ合わせて資本へ変換していく必要があります。
「資質」は得意なことや苦手なこと、原動力や成長の元になること。
資源を費やした分、どれだけの資本が得られるかが資質によって大きく変わるため、早い段階で気付くことができると資本に繋げやすくなります。
「資本」は資産を形成するために必要な強みとなるもの。
マインドセットや思考力・専門性・実績・人脈などのことです。
最後に「資産」とは、キャリアの最終ゴールとなりうる価値のこと。
私たちの働く理由とも言えることです。
これらの5つの資は年齢に応じて適したフェーズがあります。
本書ではそれぞれのフェーズごとに考えるポイントについて解説されています。
資格(やりたいことへの挑戦権)
挑戦権=資格を得るために必要なこと、キャリアの第一歩や新たな場所に踏み出す際に知っておきたいこととして、下記の5つのテーマについて書かれています。
主にキャリアをスタートする際に知っておきたいことですが、転職など新たな環境を考える際にも必要な考え方が詰まっています。
資源(資本の元となる時限的リソース)
多くの人は「特筆すべき強みはないものの、その強みの元となるものはある」という状態から始まっています。それが資源であり、「加齢とともに失われていく時限的なリソース」です。
これらが失われていく前に強みとして「資本」に変えることができるとキャリアの満足感・安心感に繋がっていきます。
その中で紹介されているものの一つとして、キャパシティの話があります。
キャパシティには心のキャパ・体力のキャパ・能力のキャパ・時間のキャパの4種類があり、①心>②体力>③能力>④時間の順に重視する必要があります。
時間のキャパは見えやすいけど、心・体力・能力のキャパは見えづらいもの。
だからこそ、時間が空いていても無理をせず、意識して休むことも大切です。
資質(資源を有効活用するための持ち味)
資源を有効活用するためには「自分自身の特性を理解しておくこと」が重要になります。
本書では、キャリアに影響を与えやすいものとして下記の4点が解説されています。
この中で紹介されている一つの「原動力」について。
人それぞれ「このためだったら頑張れる」といった原動力が存在します。
大きく分けて「起動」「駆動」「感動」の3つのカテゴリに分けることができ、本書ではそれぞれの原動力について解説されています。
自分はどんなときに原動力が発揮されるのかを考えてみるのがお勧めです。
また、個人的には採用やマネジメントにおいて相手がどんな原動力で価値を発揮しやすいのかを理解しておくことも大事だと感じました。
資本(資産を得ていくための強み)
貴重なリソース(資源)と持ち味(資質)を活かして働いていくことにより「資産」を築いていくのですが、そのために必要となる強みや武器となるものが「資本」です。
日々忙しさに追われていると、自分に向き合う時間が取れずに強みや武器がアンバランスになってしまっている可能性があります。
資源は限られているため、今の自分はどのような強みや武器を持っていて、これからどのような資本を増やしていきたいのかを考えることが大切です。
本書では下記の強みについてそれぞれ紹介されています。
この中の一つ、「マインドセット」について。
マインドを鍛え抜いていくと、仕事で価値を発揮していく上での強みやエネルギーになります。
本書では仕事で特に大切なマインドセットとして「意味づけ」「逆算」「実験」が紹介されています。
その中の意味づけとは、現実的な作業であっても自分の仕事は何のために存在しているのか、それによって誰がどう喜ぶのかまで考えて仕事ができていること。
意味がある仕事を達成するためには地道な作業の積み重ねが欠かせません。
例えば採用業務であれば、選考結果の連絡や日程調整などの作業ベースで考えるだけではなく、「自社の成長において人は何よりも重要である」といったような自分自身の仕事の意義まで考えられていることで、仕事の成果や生産性が大きく変わることがあります。
これは私の経験の話なのですが、前職で担当していた事務職の方で活躍していた方がこのようなマインドを持っていた方でした。
やることは数字を扱うような地道なことが多い。しかしスピードや正確性が重視されミスしたら注意されることはあるが、当たり前にできないといけないことなので感謝されることは少ない。
彼女は感謝よりも自分がやることによってチームや会社のためになるのであればといつも前向きにお仕事をされていてパフォーマンスも高い方でした。
マインドの磨き込みは強みの一つであることがとてもよくわかります。
資産(働く理由となりうる価値)
仕事をしていると辛くなったり苦しくなったりすることもあります。
資産はそれでも前を向いて頑張れる理由となる価値のことを指します。
いつか仕事を終えた後も続く人生で希望を持てているか、安心感を持てているかは大切なことです。
そのために意識しておくと良い考え方や今からできることなど、下記の5つについて解説されています。
自分と向き合うきっかけ作りに
資本の解説に書いている通り、日々忙しく過ごしているとなかなか振り返りを行えないものです。
転職をきっかけに振り返ることはあるかもしれませんが、同じ会社で長く働いている方ほどなかなか機会がないのではないでしょうか。
よく転職を考えていなくても職務経歴書を用意しておくと良いと言われたりしますが、単純にやってきたことだけでなく、本書をもとにキャリアを体系的に整理することにより、今の仕事のパフォーマンスも今後のキャリアもより良いものに繋がるのではないかと思いました!
なお、採用に関わるお仕事をされている方は青田さんの前作「採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則」もとても勉強になるので、こちらもぜひ。noteにもまとめています。
私自身もこれまでたくさんキャリアに悩みながら自分の進むべき道を決めてきました。より良いものにしていくために今回の学びを活かしていきます!
自己紹介含めたnoteです。
本書でも紹介されている通り、良い繋がりを増やしていきたいと思っています。
考えや環境が近しいと感じた方やお仕事でご一緒できそうなことがある方など、ぜひ繋がっていただけると嬉しいです。
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