④今の私をつくった男の言葉
相当変わっていて、人一倍繊細な優しい彼
ドガ。彼のことを私はそう呼ぶ。ドガマという日本に何人いるかわからない珍しい苗字のドガ。ドガとは20歳の時バイトしていたカフェ出会った。(よくよく考えると出会いはバイト先ばっかりだなw)
ドガは今まで私が出会った中でも、相当変わっている人だった。猫バス見たいな顔をしていて、目が大きくて、体格は良かった。みんなで一緒にどこかに出かけると急にいなくなるという謎の技を持ち合わせている人。戻ってきたと思ったら、手になんか得体の知れないもの(なんだそれw)を持っている、そんな人。何を考えてるかわからなくって、とにかく掴みどころが全くない。繊細で人の気持ちを敏感に感じちゃうから、それが時々苦しくなってまじでいきなり数日間連絡が完全に取れなくなったりする。それがドガ。
一緒に働いていた頃は、ドガのことはただのアルバイト仲間としか思ってなかったけど、
↑この恋の後、なんでかわかんないけど、ドガと2人で遊ぶ機会が増えた。2人で遊ぶ機会が増えると、私はドガのことを好きになってた。
私が持っていないものをいっぱい持っているドガと一緒にいると、すごく刺激的でワクワクできて、もっと一緒にいたいと思うようになった。でも、ドガにはセクシーな彼女がいた。
一度そのセクシーな彼女と同棲している家にみんなで遊びに行ったことがあったけど、彼女がすごく素敵だったから苦しくってそそくさと帰った、そんなこともあったな。
プラトニックな関係。手も握らないし、キスだってしない。ただ、一緒に飲んで、ご飯食べて、カラオケ行って、私の一人暮らしの家にだって来てたけど、何にもなかった。彼女と別れて欲しいって心の中では願ってたけど、もちろんそんなことは言える訳もなく、積もるドガへの気持ちは自分の中の奥底に仕舞い込んだ。
また、片想い。もうやだな、、。
そうこうしている間に、私にも彼氏ができた。(その後長年付き合うことになった彼)というタイミングで、ドガから「東京に行くことになった」とメールが来た。「じゃぁ、その前にご飯でも」そうやってドガと大阪・本町の焼き鳥屋さんに行った。
この時、自分の中で決めたミッションがあった。
それは、ドガのことが好きだったということを、
このタイミングで本人に伝えるということ。
もう彼氏ができた私は怖いものなんてないのだ笑と思ってた。
「私、ドガのこと ずっと好きだったんだよね」
レモン酎ハイのジョッキをテーブルに置いたタイミングで、
言葉にしてみた。
言えた、、。やっと言えた。
ずっと言いたかったけど仕舞い込んでた気持ちを
やっと言葉にできた。
「俺もドイちゃんが思ってくれてたと同じように思ってたよ」
泣きそうになった。え?すごいなって思った。本当にすごいなって。
そうなのだ。ドガってこういうことをさらっと言える人なのだ。
もしかしたら、嘘だったかもしれない。
でも、私は嘘でも嬉しかった。
「俺もドイちゃんが想ってくれてたと同じように想ってたよ」
この言葉に、片想いだったあの頃の私が救われたのだ。
すごいなって思った。
ドガってすごいんだなって。
後々、随分経ってからこの時のことを本人に聞いてみたら、
「本当のことだよ」と言っていたけど、真意はわからない。
いやー、でも嬉しかったな。
自分の女としての部分を認められた気持ちになった。
人のことを好きになってもいいんだよって言われた気持ちにもなった。
自分のこと、ちゃんと大事にしようって。
私は愛されるべき存在なんだって
今の私は、この男のこの言葉でつくられたのだと思う。
(実はドガとは続編があるので、それはまた違うタイミングで。)
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