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[8月第2週] DAOレポート Vol.31 |DAOのフォークってあり? Nouns DAOのV3アップグレード可決

イントロ

Nouns DAOが、Nounsのフォークを可能にするアップグレードv3について可否を問う投票を実施し、8月13日、賛成多数で可決した。v3は過去1年間ほどNouns DAO内で議論を呼んだアップグレードであり、今後Nouns DAOがフォークの悪用による攻撃にさらされないか注目だ。

Nounsは、ドット絵のキャラクターNFTを1日に一度オークションでオンチェーンで販売するプロジェクト。売上げはDAOのトレジャリーに送られる。Nouns DAOは、売上げの用途をめぐって活発に投票を行なっていることで知られている。

今回のv3の提案は、スマートコントラクトをアップグレードし、ガバナンスや意思決定プロセスに新たな機能を加えることだ。例えば、提案の編集機能、提案をするための投票権を集める機能、反対だけ表明できる期間の設置、などが新機能に含まれる。今回、議論を読んでいるのはNounsがフォークできる機能だ。

8月7日に投票開始し、8月13日に投票が終了。83.59%が賛成に回った。

Nounsをフォークできる新機能は、「ナウナーズ(Nouners)が現在のDAOを退出し(Exit)新しいDAOにフォークすること」と定義されている。フォークに必要なしきい値に達するまでトークンが保管されるEscrow Periodと従来のDAOから新しいDAOに資金が移動されるForking Periodの2段階に分けて実行される。

現在のしきい値は全体の20%。オークションハウスの管理権も新しいDAOに移行する。

Nounsのフォークで賛否

フォーク支持派は、「少数派を守る仕組み」と題し、イーサリアムクラシックのフォークやビットコインキャッシュのフォークを参考に、DAOもフォークができるようにするべきだと主張。既存のDAOで意見が対立して説得できない時、同じ考えを持つメンバーが一定数いるグループが、「多数派の横暴」に怯むことなく新しい道を進むべきだと述べている。

一方、フォーク反対派は、フォーク提案者が自らの利益のためだけにDAOフォークを悪用する事態を懸念。詐欺など悪意のある行動に対してどのように訴訟をしていくか戦略を立てる必要性を訴えている

DAOのフォークは初の試みだ。この壮大な実験によってどのようなレッスンを学べるのか注目だ。

話題のTweet

「前回のサイクルでは、DAOガバナンスはプロダクトだった。

次のサイクルでは、DAOガバナンスは単なる一つ機能になり、DAOやガバナンスという言葉を使わなくなるだろう。

新たな言葉は、「ユーザー所有やユーザー管理」の概念を表すだろう」

トレジャリーデータ

DeepDAOによると、8月14日時点でDAOトレジャリーの総額は222億ドルと前週比で2.2%減少した。内訳は、流動性のある資産(Liquid)が194億ドル、権利が確定していない資産(Vesting)が28億ドルだった。
ガバナンストークン保有者は720万人で、アクティブDAOユーザーは290万人だった。

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