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    Nonlinear Dynamics and Chaos (Steven H. Strogatz) を読みながらポイントをメモしていく

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[読書メモ] 暇と退屈の倫理学

このごろ退屈がしんどいと感じることが増えた気がする。夜遅くに寝ようとするときにしばしば退屈が襲ってくる。それで眠くなってくれればいいのだが退屈を凌ぐためにスマホを見てしまったりして余計眠れなくなる。 そういったしんどさはずっと前からあるのだが、その辛さを「暇」とか「退屈」とかいう言葉で認識してこなかった。去年この本を読んで以降「これは退屈しているんだな」と思うようになった。 でもこの退屈にどう対処すればいいんだっけ?というのを完全に忘れてしまっていたので再読することにした

    • [読書メモ]嫌われる勇気(岸見一郎・古賀史健)

      タイトルはどこかで聞いたことがあったような気がするが、いかにも自己啓発書というかんじがしてあまり興味を持っていなかった。 なぜ読もうと思ったのかもよく覚えていないのだが、正月休みでリラックスしすぎたのかハードな読書ができるようなモードじゃなくて、適当に読み流せるライトな本を選んだのだと思う。 内容としては、"青年"と"哲人"との対話を通してアドラー心理学を紹介するというもの。アドラー心理学がなんなのかこれまで知らなかったので概要だけでもインプットできたのはよかった。 た

      • エゴン・シーレ展(東京都美術館)

        東京都美術館で開催中のエゴン・シーレ展に行ってきた。 最初にシーレのことを知ったのは、神経科学者のEric Kandelが書いたThe Age of Insightという本。グスタフ・クリムトやオスカー・ココシュカ、そしてエゴン・シーレといった1900年頃のオーストリア表現主義のアーティストたちを紹介し、彼らの絵を見たときに我々の脳が無意識下でどのようにその印象を処理するかについて書かれていた。 本を読んだ数年後、ウィーンに数日間滞在して、レオポルド美術館やヴェルヴェデー

        • [読書メモ]脳は世界をどう見ているのか(ジェフ・ホーキンス)

          ジェフ・ホーキンスこの人の経歴が興味深い。 大学で電気工学を学んでインテルに就職した頃にフランシス・クリックの小論を読み、人生を脳の研究に捧げることを決める。 しかし、脳が知能を生み出すメカニズムを解明するという野心的な研究テーマはMITでもUCバークレーでも受け入れてもらえず、二年間大学の図書館で神経科学の論文を数百本読み独学する。 その後、変化が必要だと感じて産業界に戻る。タブレット型コンピュータを開発し、シリコンバレーで起業。 さらに10年後、会社の成功で得た資

        [読書メモ] 暇と退屈の倫理学

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          ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵 (千葉市美術館)

          先月、千葉市美術館で開催していた展覧会「ジャポニズム - 世界を魅了した浮世絵」に行ってきた。 千葉市美術館は、日本人なら誰でも見たことがあるであろう、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や歌川国芳の「相馬の古内裏」といった作品を所蔵している。ここにあったのか。 今回の展覧会では、所蔵作品をはじめとする日本画と、それに影響を受けた海外アーティストの作品が展示されていた。 日本が鎖国を解いてから、海外の人も浮世絵を目にするようになっていく。そして多くのアーティストが浮

          ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵 (千葉市美術館)

          フィンランドとロシア

          ロシアがウクライナに侵攻して数日。緊迫した状況が続く中で、数年前に『危機と人類』(ジャレド・ダイヤモンド)という本で読んだ、フィンランドとロシアとの微妙な関係性を思い出した。 フィンランドは世界トップクラスの民主主義国家であり、独裁政権のロシアとは明らかに相容れない価値観を持っている。しかし、意外なことに両国は数十年間にわたって少なくとも表面的には良好な関係を維持し続けている。また、フィンランドはその信頼関係を維持するために、ロシアに対して普通の民主主義国家であれば考えられ

          フィンランドとロシア

          ミケル・バルセロ展@東京オペラシティ

          このあいだポンペイ展で高度な絵画や彫刻や装飾品の数々を見たとき、人が創作をするモチベーションというのはどこから出てくるのだろうかと思った。ただの遊びなのかもしれないし、進化心理学的に創作活動の有用性を説明することもできるのかもしれない。だけど、暇な人だけが趣味でアートをしているわけでもなく、経済的に困窮しようとも誰からも承認されずとも絵を描き音楽やモノをつくる人は数多くいて、2000年前でさえ多くの人がアートを楽しんでいたことを考えると、創作活動というのが副次的なものではなく

          ミケル・バルセロ展@東京オペラシティ